くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」「サムライマラソン」

「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」 こういう映画に泣くようになったというのは、年をとったということか。とにかく、甘えん坊の少年のままいいおっさんになった主人公サトシを演じた安田顕がなかなかいいのです。監督は大森立嗣。 斎場での…

映画感想「レニ」「アタラント号」「新学期操行ゼロ」「競泳選手ジャン・タリス」「ニースについて」

「レニ」 レニ・リーフェンシュタールのドキュメンタリー。監督はレイ・ミュラー。 美しい深海の撮影をしているレニの姿から映画が始まり、交互にヒトラーの映像が交錯して、映像は、女優時代のレニ・リーフェンシュタールの姿になる。 山岳映画に出演、自ら…

映画感想「パペット大騒査線 追憶の紫影(パープル・シャドー)「あの日のオルガン」「THE GUILTY ギルティ」

「パペット大騒査線 追憶の紫影 パープル・シャドー」 思いの外面白かった。ストーリーがしっかりしているし、下ネタ満載だけど、マペットだからギャグになってしまう。しかも、人間とマペットの共存世界のファンタジー性も不思議な空気感でエンターテイメン…

映画感想「サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所」「翔んで埼玉」「ビール・ストリートの恋人たち」

「サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所」 脚本家や演出家のこの物語への思い入れが先走った感じのする作品で、グイグイとメッセージが押し付けられてくるのですが、映像表現としてのセンスが今ひとつなので、ミュージカル仕立ての展開であったり、背後を…

映画感想「アリータ バトル・エンジェル」「ノーザン・ソウル」

「アリータ バトル・エンジェル」 IMAXの方が上下の映像が多いということだったので、IMAX版を見る。終盤間近までは非常に面白いのですが、クライマックスから無理矢理終わらせた感が出て、一気に冷めてしまったのが本当に残念。監督はロバート・ロドリゲス。…

映画感想「トラさん 僕が猫になったワケ」「僕の帰る場所」

「トラさん 僕が猫になったワケ」 大ファンの多部未華子さんを見に行っただけなので、そのほかはどうでもいいのですが、なんとも陳腐な映画でした。ファンタジーなのですから、もっと脚本に工夫してみようとか演出に面白さを出してみようとか思わないのでし…

映画感想「半世界」「雪の華」

「半世界」 これは良かった。軽妙な脚本と演出のリズムにどんどん乗せられていくのですが、登場人物がどれもとっても人間臭いし素敵、しかもラストは思いもかけぬ感動を作り出す一方で、何か訴えかけてくる人生の機微を感じてしまう。ちょっとした秀作でした…

映画感想「パルプ・フィクション」「ナポリの隣人」

「パルプ・フィクション」 ご存知、クエンティン・タランティーノ監督の傑作を何十年ぶりかで再見。細かいシーンはさすがに忘れていたが、まるでスクラップブックのように張り巡らされた物語が、不思議なくらいにさりげなく絡んでつながっている独特の脚本の…

映画感想「女王陛下のお気に入り」「フォルトナの瞳」

「女王陛下のお気に入り」 これはなかなかの逸品でした。この監督の作品前二作は個人的には最低ランクの映画ですが、映像演出のクオリティは侮れないことは承知していました。今回の作品、超広角レンズを多用したリズムづくりと天井の高さを強調するような構…

映画感想「アクアマン」「小さな独裁者」

「アクアマン」 面白いという評判でかなり期待した作品でしたが、脚本が悪いためにジェームズ・ワン監督の真価が発揮できない仕上がりになっていたのが本当の残念。CGシーンを優先するあまり折角埋め込んであるミステリー部分がどうでもよくなかった上に、キ…

映画感想「メリー・ポピンズ リターンズ」「MAKIマキ」「13回の新月のある年に」「第三世代」

「メリー・ポピンズ リターンズ」 無難な仕上がりになっていて、それなりに楽しいのですが、ディズニーならではのラストのワクワクが今ひとつ物足りないです。導入部から前半は「メリー・ポピンズ」へのオマージュ的な絵作りで楽しめるけれど、後半がちょっ…

映画感想「ファースト・マン」「ゴッズ・オウン・カントリー」「王朝の陰謀 闇の四天王と黄金のドラゴン」

「ファースト・マン」 手持ちカメラとクローズアップを多用した映像演出で重苦しくて仕方なかった。確かに人間ドラマとして描きたかったのだろうが、あれほどの偉業がアメリカではどのように捉えられているのかが前面に押し付けられてきた感じでしんどい作品…

映画感想「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」(ディレクターズカット完全版)

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」 初めて見たのは30年近く前になりが、確か三時間くらいだった気がします。今回のバージョンは散逸していたフィルムをある程度回収した四時間を超える作品で、追加されたシーンは明らかに劣化した映像になって…

映画感想「ともしび」

「ともしび」 シャーロット・ランプリングのほとんど一人芝居という作品で、彼女の周りを描写しながら、物語を描いていく。90分が限界のようなしんどい作品でしたが、ストーリーは伝わったので、クオリティはそれなりだったのでしょう。監督はアンドレア・パ…

映画感想「デイアンドナイト」「モースト・ビューティフル・アイランド」「赤い雪 RedSnow」

「デイアンドナイト」 それほど期待してなかったのですが、思いの外重厚に積み重ねられた人間ドラマの佳作でした。監督は藤井道人。 一人の男明石のクローズアップ、涙が溢れている。カットが変わると、父が内部告発をしたものの自殺してしまい、明石が実家…

映画感想「イタリア式離婚狂想曲」「ナポリの饗宴」

「イタリア式離婚狂想曲」 軽快そのもののリズミカルな展開とブラックユーモアが散りばめられたユニークな展開。見事というほかないテンポのいい演出に圧倒されてしまいました。監督はピエトロ・ジェルミ。 イタリアの町の空気感と登場人物がテンポよく紹介…

映画感想「愛と銃弾」「マチルド、翼を広げ」

「愛と銃弾」 見るまではどんなものか見当もつかなかったが、あっけに囚われる冒頭からの展開に、どんどん引き込まれ、まさかという名曲までさらっと挿入されると、もう呆れるというより映画作りってこんなに楽しいのかと思ってしまう。監督はマルコ&アント…

映画感想「バーニング 劇場版」「フロントランナー」

「バーニング 劇場版」 二時間を超える作品なのに、意外と長さを感じない。シンプルなストーリーなのに、独特のリズムで最後まで引っ張られた感じの作品でした。監督はイ・チャンドン。 バイトをしながら田舎暮らしのジョンスは、ある時街で幼馴染のシン・ヘ…

映画感想「七つの会議」「ヴィクトリア女王 最期の秘密」

「七つの会議」 普通に面白かった。単純明快な企業サスペンス映画として楽しめた一本でした。監督は福澤克雄。 東建の会議室で北川部長が営業部にハッパをかけている場面から映画が始まる。坂戸引き入る営業一課の成績が抜群な一方でノルマ達成できない原島…