くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

いよいよ壮大な三部作のミステリーの完結編。
すべての謎が次々に解決されていって、物語が収束に向かう展開なのでおもしろい。二時間半あるにもかかわらず片時も目を離せないほどにストーリーに引き込まれてしまいました。

「ミレニアム2 火と戯れる女」のラストで、瀕死の状態で助け出されたリスペット、そしてその父ザラは病院へ搬送、かろうじて逃げた不死身の巨人ニーダーマンは車を盗んだりしながら現場から離れる。
こうして今回の物語は始まります。病院で身動きのとれないリスペットにかわりミレニアムの編集者ミカエルがことの真相を追求し始めます。それを阻止し、リスペットを亡き者にしようとする秘密組織の魔の手が迫る中、ハッキングや様々な手段を用いて証拠を固めていくミカエルとその妹の敏腕弁護士アニカ。一方、秘密組織はかつてのリスペットの精神科医テレボリアンやリスペットの裁判の担当検事を抱き込んで、ふたたびリスペットを精神病院へ隔離してしまおうとします。

ザラは組織に病院で射殺されるも、かろうじて難を逃れたリスペット、彼女を守るアニカ、そして担当の外科医、など入り組んだ人間ドラマとミステリアスな謎解きの展開が次々と集まってくる証拠の裏付けのおもしろさも相まってどんどん深みにはまっていく。そこへ政府の警察組織が裏で秘密組織の撲滅のためにミカエルたちに近づいてきて、物語はいよいよクライマックスに突き進んでいく。

ラストは傷がいやされて法廷に立ったリスペットと彼女を精神病院へ送ろうとする秘密組織に加担した検事、テレボリアンとの法廷劇になっていきます。一方で証拠をそろえた警察組織、ミレニアムの特集号で今回の一連の事件を明らかにしようとするミカエルの行動が交互に挿入されて一つ一つが解決され大団円へと進んでいきます。胸のすくと言うほどのすっきり感とはちょっと意味合いが違いますが、物語の終焉を迎える溜飲の下がるラストが好感でした。

そしてリスペットは無実釈放、そして最後にニーダーマンと対決し、彼もバイククラブのメンバーに殺させてハッピーエンド。
一人残ったリスペットのところへミカエルがやってきて、すべて終わったことを告げます。自分を救ってくれたミカエルへのほのかな恋心がみえるリスペットの微妙な心の動きが見られるラストシーンでした。

三部作として一度に見ても内容の濃い充実したミステリーであり、見応えのある秀作だったと思います