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「1作目や2作目は、完結編のためにあったようなものだ」(ピーター・ジャクソン監督)
今や向かうところ敵なし! 全世界公開5日間の興収に、全米初日興収、全世界13ヶ国での初日興収など、すべてにおいてぶっちぎりの歴代1位という快挙。そう、全世界が待ち望んだ最終章「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」が各国で封切られ、シリーズ最後にして最大の大旋風を巻き起こしている。
そんな押せ押せムードの中、待望の2月14日の日本公開に先立って、ピーター・ジャクソン監督率いる「ロード・オブ・ザ・リング」チームが来日を果たした。メンバーはイライジャ・ウッド、ビリー・ボイド、ドミニク・モナハンというホビット3人組に、2度目の来日となったビゴ・モーテンセンとピーター・ジャクソン監督、そして初来日となったゴラム役のアンディ・サーキス。映画の撮影ですっかり意気投合した彼らが、最終章、そして全3部作について語る表情からは、万感胸に迫る思いが伺えた。
今回がいよいよ完結編となるが、本作の見どころをピーター・ジャクソン監督はこう語っている。
「見どころはたくさんある。でも自分としてはこの2年間、3部作の一部分を紹介してきたから、今回で物語も各キャラクターもようやく完結したという思いでいっぱいだ。この完結編は1本でも十分に楽しめるし、3部作をいっしょに観てもいい。言ってみれば、完結編のために1作目や2作目があったようなものなんだ。本当にこんなに膨大な物語を終えられてとても嬉しいよ」
言うまでもなく、アカデミー賞の前哨戦となるゴールデングローブ賞などの賞レースで多数ノミネートされている本作。でも、監督やキャストはその評価をクールに受け止めているよう。
「ノミネートを受けただけでもありがたいこと。でも、スポーツのように競って勝者を決めることはどうかなって思う。監督としては観客に楽しんでもらうことがいちばんの目的だからね」と監督が語ると、イライジャもそれにつけ加えて
「僕たちは賞をとるために映画を作ってるわけじゃないよ。でも、心血を注いで努力した結果が評価されるのはやっぱり嬉しい。僕たちの映画に関する愛情や情熱が報われたって感じがするので」と語った。
「命をかけて、そして時間をかけて映画を撮影した。こんなことは一生に一度の体験だ」(イライジャ・ウッド)
また、シリーズの世界的メガヒットにより、監督をはじめキャスト陣が大幅にキャリア・アップしたことはいうまでもないし、この作品を経て手に入れたものはそれぞれに大きい。
「これだけ人気を博すシリーズはそうめったに出ないと思う。みんなが注目され、仕事も増えただろうし、大きな影響を受けたことは確かだ。
でも、いちばん大きかったのはキャリアよりも友情や絆を得たことだ。全く共通点のなかった人々といっしょでも、みんなで力を合わせてやっていけばどんな困難でも乗り越えていけることがわかったよ」と感慨深く語る監督。
同じ質問に対してイライジャは「本当に命をかけて、そして時間をかけて映画を撮影した。こんなことは一生に一度の体験であって、そうそうできることじゃないと思う。人生においてすごく重要な体験をし、その過程で映画ができたといっても過言ではない。自分にとっては忘れられないアメージングな体験だった」と興奮気味にスピーチ。
続いてゴラム役のアンディは「俳優業というのは今まで孤独な作業だったけど、今回違っていた。リスクを恐れず、お互いの技術や情熱を共有する共同作業だと思わせてくれた監督にとても感謝してる」と熱く語った。
それを聞きながら、イライジャとドミニクはおどけて深くうなずきながら、水の入ったグラスで乾杯!
そしてドミニクは「映画を撮り終えて残ったのは友人関係。少なくとも今壇上に上がっている人たちには、自分の結婚式にも出てほしいし、もし腎臓を手術したり、子供が生まれたりする時は立ち会ってほしい。あ、でも、ビリーだけは縁を切ろうと思ってるけど(笑)」と言ってビリーと目を合わせてじゃれ合うドミニク。
そしてビリーは「今まで彼らが言ったことを、僕のコメントとして掲載しておいて(笑)」と言った後、「付け加えるなら、ニュージーランドの国や人々が素晴らしかったよ」と締めくくった。
そんな彼らに日本女性の印象は?というお約束の質問が。
イライジャはちょっと照れながら「信じられないほどゴージャスだね。あ、でも急にナーバスになってきちゃった(笑)。日本の女性も文化も僕は大好き。優しさや相手を敬う心があり、女性にもそれが表れてる。でもアニメから抜け出したようなキャラもある」と言うと、ドミニクからは「ファッション・センスがいい!」という意見が。
また、ビリーは「僕はガールフレンドがいるので、他の女性なんて目に入らないよ」と言うと、つっこみドミニクが「僕たち3年半の関係をもっているんです(笑)」と彼に寄り添い一同大爆笑!
会見中は旅の仲間のキャラクターさながらに、イライジャたちホビット3人組が仲良さげにつっこみあったり、大人のリーダー格のビゴがビシッとキメてたり、ゴラム役のアンディが“ゴラム”の声色をまねて愉快なスピーチをしたりして、その友情の絆の深さが手にとるように伝わってきた。また、会見終了後には監督を交えた6人で仲良く脚を上げてダンスまで披露するといったサービスぶり!
それにしても驚いたのは、ヒゲデブのピーター・ジャクソン監督! ボルドーのよれよれポロシャツに短パンになんと裸足! 次回の監督作は「キングコング」だが、あなた自身ががキングコングのようじゃない……。と思いつつも、その人望の厚さや偉大さはキャスト陣の一言一句からひしひしと感じられた。人間見かけじゃないのね。確かに3部作をまとめて撮ってそれぞれを立派に贈りだし、さらにメガヒットさせたことは映画史に残る“偉業”である。そんな“偉業”の最終章を、ぜひしっかりと劇場で観届けて。
公開作品・公開待ち作品紹介
ロード・オブ・ザ・リング王の帰還
[監][製][脚]ピーター・ジャクソン
[原]J.R.R.トールキン
[出]イライジャ・ウッド ビゴ・モーテンセン イアン・マッケラン オーランド・ブルーム リブ・タイラー
ピータージャクソン監督作品
・ バッド・テイスト 1987
・ ミート・ザ・フィーブル 怒りのヒポポタマス 1989
・ ブレインデッド 1992
・ 乙女の祈り 1994
・ コリン・マッケシジー もうひとりのグリフィス 1995
・ さまよう魂たち 1996
・ ロード・オブ・ザ・リング
イライジャウッド 出演作品
・ 愛に翼を 1991
・ ラジオ・フライヤー 1992
・ フォーエヴァー・ヤング 時を超えた告白 1993
・ 危険な遊び 1993
・ ノース ちいさな旅人 1994
・ 8月のメモワール 1995
・ フリッパー(1996) 1996
・ アイス・ストーム 1997
・ ディープ・インパクト 1998
・ パラサイト 1999
・ ロード・オブ・ザ・リング
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