くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「スター・ウォーズ フォースの覚醒」「完全なるチェックメ

kurawan2015-12-25

スター・ウォーズ フォースの覚醒」
ルーカスフィルムから手を離れて、ディズニープロダクションに移ってからの最初の一本目。というか正確にはエピソード7である。

やや不安もあったが、ストレートに面白かった。基本的なストーリー構成はエピソード4とほぼ同じ流れで展開する。その意味で、私たちのような、オリジナルなスターウォーズ世代にはすんなりと入り込むことができる。

監督はJ・J・エイブラムスなので、わかりやすく見せてくれる。娯楽映画としてはよくできた一本という出来栄えでした。

物語は、ルークが姿を消して、その居場所を書いた地図を帝国の残党と、レジスタンスが奪い合うという内容。エピソード4に出てきたデススターを形を変えて、新たな惑星兵器を登場させ、ダースベイダーに代わるの暗黒の騎士をハン・ソロレイア姫(今はレジスタンスの将軍)との息子として登場させる。

ルークが覚醒したら、フォースの力が芽生え、帝国の脅威になるということで、奪い合うのだが、ストーリー展開がエピソード4を踏襲しているので、無理やりではないかという感じもなきにしもあらず。

4、5、6の中のエピソードを思い出すような場面をあちこちに配置し、往年のファンを懐かしめるというお遊びも楽しめる。

クライマックスは、デススターならぬ新しい惑星兵器をXウィングの戦闘機が攻撃、その途中で、ハン・ソロは息子で暗黒面にいるベンに殺され、惑星兵器も破壊されて大団円。

見つかった地図を元に、レイが惑星にたどり着き、ルークのライトセイバーをルークに渡してエンディング。そして続くという感じである。

いたるところにある、ファーストシリーズ三本の場面や構図でとにかく、ノスタルジーに浸ることができる。その意味で、セカンドシリーズの1、2、3のようなSFファン好みの複雑な人間関係が出てこない。今後の方向性をこちらに求めた製作の意図がはっきり見られるが、改めてエピソード4の完成度が高かったことの証明にもなった形でした。でも、おもしろかった。


「完全なるチェックメイト
伝説の天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの半生を描いた伝記物だが、この人物自体、かなりの変人であったらしく、ストレートに映画として物語になっている。監督はエドワード・ズウィック

ホテルの一室で、神経質にあちこちを分解してはそわそわしている主人公ボビーのシーンから始まる。時は1951年、窓から外を覗く少年時代のボビーのカットに変わり、彼が独学でチェスプレイヤーになっていく様が描かれる。

時は冷戦真っ最中で、世界チャンピオンのソ連のプレイヤー、スパスキーとの対戦に闘志を燃やすが、それは国家の威信をかけた戦いの様相もあった。

スパスキーとの対戦シーンがクライマックスになるが、異常なほどの神経質なボビーの描写は冒頭だけで、あとはすんなりとラストに流れていくし、国中が湧いている様子もあまりこだわらずにさらっと流すあたりは、ちょっと物足りない気もする。

結局、スパスキーに勝利し、その後、精神的に病んでいくボビーは行方不明になり、晩年から死に至るところは写真だけの説明になって終わる。

エドワード・ズウィックの力量なら、もう少し突っ込んだストーリーを見せても良かった気がするが、導入部から後半までに比べ、あっさりとした終盤とエンディングはちょっと、寂しいですね。もちろん、実在の人物なので、限界はあるとはいえ、この人物ならもっと面白い映像が作れるような気がしました。

とはいえ、映画のクオリティは、そこそこのレベルの一本だったと思います。