くらのすけの映画日記

「映画倶楽部シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」

「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」

例によってポップな映像と展開、独特の色彩感覚と絵作りがとにかく個性的で素敵な映画なのですが、いかんせん物語を追いかけていくのが必死で、結局明確なストーリーを把握できないままに終わってしまった。台詞がやたら多い上に、カメオで出演している役者が山のようにあり、しかも三つのエピソードが個性的に展開するので、一度見ただけでは頭に整理しきれませんでした。でも面白かった。監督はウェス・アンダーソン。まさに彼の世界です。

 

フランスのとある街、アーサーという男が雑誌「リバティ」を設立した経緯から映画は始まる。そして彼が間も無く死ぬことを知り、自分の死後「フレンチ・ディスパッチ」を最終号にするようにして発行を停止するつもりだった。そこで、最後の号に載せる三つの長い記事と旅行記事を収める企画がスタートする。

 

こうして映画は三つの物語というか記事をストーリー仕立てで個性的な記者が綴っていく様を描いていきます。

第一話は投獄された芸術家モーゼスの物語。第二話はチェスプレイヤーのゼフィレッリと彼が率いる学生革命家の物語、第三話はフードジャーナリストがトークショーのインタビューに答えている話から展開していく。

具体的なストーリーが明確に浮かばないのは、ストーリーテリングよりも映像に魅せられてそちらに目が行ってしまったせいによるものです。それと、登場人物の名前がややこしい上にセリフと解説が多く、頭がついていかなかった。もう一回見ないと整理できない気がします。

 

いずれにせよ、モノクロ、カラー、アニメ、など映像表現を駆使した演出と、縦横、手前奥と流麗に動くカメラワークも美しく、終始飽きさせない魅力に溢れています。しかもポップな色彩が素敵で、わからなくても見ているだけで楽しい作品でした。