このシリーズもいよいよ最終章の最後、ヴァンパイア物は個人的な好みなので第一作から見始めたが、作品の出来映えはともかく、ちょっとエキゾチックというかファンタジックな映像に引かれるシリーズでした。
そして今回の最終章は素直に感動してしまいました。ありきたりのバトルシーンで締めくくるかと思われたのですが、クライマックスまでどんどんそういう展開で盛り上げて、それなりのバトルシーンと悲劇を描いた後に、実は未来予知できるアリスの予知映像だったというエンディングはいただけますね。このシリーズのどこか幻想的なイメージを壊さずにハッピーエンドさせたのは正解だったかなと思います。
映像の演出は今回も特に秀でた物はなく、ハイスピードシーンで適当につなぐという悪くいうと品のない画面なのですが、物語の締めくくりをきれいにまとめた功績だけでもこの映画を評価してもいいかもしれません。
導入部はさすがに人物関係やこれまでの展開をかなり忘れていてその思い出すのにやや混乱したものの、途中からどうでもよくなり、ただベラが愛する子供レネズミを守ることとにテーマを絞った展開は成功ですね。このシリーズの中盤あたりからはやや恋敵同士の確執の部分が薄れてストーリーが弱くなりかけていたので最後に締めたのは正解だったかもしれない。
ただ、このシリーズの全体にいえることですが、最終決戦のごとくイタリアからヴォルトゥーリ一族らしき一族がやってきますが、最初の第一章のエンディングではその不気味さはでていたもののその後、やや存在感がかけていたためにクライマックスで彼らの怖さが迫ってこないのはちょっともったいない。しかも、そのリーダーは予知映像で自分の死を見せられて戦いをやめるのだからちょっと迫力がないですね。
まぁ、原作がある映画なので、根本的な物語を変えることはできないのだからそのあたり映画として脚本し、演出するときに一工夫ほしかった気がします。
いずれにせよ、美しいラストシーンで締めくくったのだから見て損のないシリーズ最終章でした。素直によかったです。