いやぁ、ここまでするか?というほどの無理のある設定と展開、その無理がたたって、だんだんつじつまが合わなくなり、それでも、テレビ版の空気を残さなければいけないというしがらみが絡んできて、結局、どっちつかずに終わったこのシリーズ最悪のできばえだった。映画版では、第一作のものが一番「相棒」らしいし、映画の面白さも盛り込んだできばえだった気がします。
物語は、東京から300キロほども離れた絶海の孤島に、民兵組織のようなものがある。この島はとある実業家が所有し、自衛隊出身のその実業化が、自衛隊で怪我をして退任した後輩をリーダーにして、その視まで自衛隊の真似事を続けさせているという設定。まぁ、映画だから何でも有りかもしれないが、そこで起こった一人の男の死に、なにやら殺人の疑いがあるということで、無理やり特命係が乗り込む。まぁ、ここまで来ても、良いかな?と思うが、さらに、この島には生物兵器として天然痘のウィルスが保管され、培養されているという物語が浮かび上がり、それを隠蔽するために自衛隊が登場、さらに、いつもの捜査一課のメンバーを繰り出すためにこの島へ乗り込ませるも、自衛隊に強制送還されてしまい。と、あれよあれよとわけのわからない取ってつけた展開が何度も繰り返す。
クライマックスは、いつものごとく、杉谷右京の謎解きなのだが、それも鮮やかさにかけるし、設定が壮大な割にはこじんまりしたストーリーがまったく参ってしまった。
島に乗り込む導入部あたりは和泉聖治監督のリズムセンスが見えたかと思われたが、その後は、もう平凡以下のできばえ。あまりに無駄遣いが多すぎる一本だった。