「モスラ」(1961年版)
小学校の講堂で見て以来のスクリーン鑑賞ですが、本当に綺麗に蘇りました。改めて、東宝特撮技術の凄さに感動。モスラの歌が流れてきたら寒気がしてしまいました。一分の序曲があったのも初めて知りました。監督は本多猪四郎。
オープニングは台風、まさに「ゴジラ」と同じです。一隻の船が台風で難破し、乗組員は核実験の使われたインファント島に流れ着く。救出された乗組員はなぜか被曝していなくて、いないと思われていた原住民がいると言う。早速、調査班がインファント島を所有する母国ロルシカ国と一緒に派遣される。ところがその一行にネルソンという興行師が潜入していた。
インファント島で不思議な双子の小美人に遭遇、一旦は調査隊は引き上げるが、ネルソンたちは単独で小美人を拉致するためにインファント島へ行く。そして日本で小美人のショーを始めるが、双子の小美人は、モスラが助けにくると予言する。まもなくして百メートルの大きさの幼虫が海を日本へ向かってくる。そして東京へ上陸するが、ネルソンらは小美人を連れてロルシカ国へ脱出する。
モスラは東京を破壊して後東京タワーで繭を作り成虫となりロルシカ国へ向かう。小美人を返すしか方法がないと判断した人たちは、ロルシカ国の空港にインファント島に伝わるマークを描きモスラを呼び寄せる。一方ネルソンらも市中で捕まり、小美人は空港へ向かう。そして無事モスラは小美人を乗せてインファント島へ帰って行って映画は終わる。
鳥籠のようなところに拉致された小美人の背後から人が対話するシーンの特撮など素晴らしく、クライマックスの空港での場面も見事。これが古き良き東宝特撮映画という感じを堪能しました。
「あなたの番です 劇場版」
テレビ版を無理やり映画にした感じで、登場人物は主要な人物以外は無視した脚本は実に荒っぽい。何の変哲もない凡作という映画でした。監督は佐久間紀佳。
マンションに手塚夫妻が引っ越してくるところから映画が始まり、住民会に、テレビでは妻菜奈が出席したが夫の翔太が出席するというパラレルワールド的なオープニングから物語は本編へ。そして2年後、手塚夫婦は結婚式を挙げ、豪華客船で二次会をするという流れでマンションの住民が乗り込む。あとは、船の中でこれ見よがしな謎めいたシーンを挿入して殺人事件が起こっていく展開となる。
豪華客船なのに、他の客はほとんど居ずに、黒島と二階堂のラブストーリーを中心に流れ、いかにも怪しい渡辺優というテレビ版にいなかったキャラクターを無理やり登場させて、結局二階堂と黒島、そして手塚夫婦だけの物語というなんとも雑な物語。一応、他のキャラクターもテレビ版と同じ行動はするがほとんど意味をなさず、お笑いを取るレベル。そして、黒島は殺され、真犯人は刑事だったという、やっつけ仕事の真相で映画は終わる。
なんともお粗末なミステリーで、お金をとって劇場に足を運ばすレベルの映画ではなかった。