「ホット・ファズ俺たちスーパーポリスメン!」
これはめちゃくちゃ面白かった。見逃していた作品で2008年公開映画ですが、コロナの影響で再上映。物語のテンポといい、スピード感といい、それでいてグロい笑い満載で、さらにミステリーの面白さも十分堪能できます。ある意味傑作です。監督はエドガー・ライト。
主人公の警官のニコラスは、警察学校時代からずば抜けた秀才で、何をやってもトップというエリート。警察署に配属された後も、数々の手柄を立て、様々な賞をもらっている。そんな彼が、突然異動。上司たちがニコラスの優秀ぶりに嫉妬したというノリからして笑える。
あまりに平和な田舎町に配属されたニコラスだが、着いた早々から厳しく取り締まりを始める。ところが地元の警察官も適当だし、二十年近く事件らしいものもないので、今更という状態。ところが、殺人事件が起こる。
なかなか取り合ってもらえない中で、ニコラスは相棒のダニーと捜査を開始。と言っても、ポリスムービーオタクのダニーは、ニコラスに映画のDVDなど見せて、それのまねごとをしたりする。
そんな中、新たに殺人事件。というか自動車事故なのだが、首が道路に飛んでいるというグロテスクさ。さらに、一人の酔っぱらいの大富豪を家まで届けた二人だが、直後、家が大爆発してしまう。しかしその事件にも殺人鬼の影が見え隠れする。
さらに、ダニーの誕生日のプレゼントに花屋に行ったニコラスは、そこで花屋の女主人が植木ばさみで殺される現場を目撃。逃げる犯人を追いかけるが、取り逃がしてしまう。
それでも、村の住民たち、とくに監視集団という組織の村の男たちは、事故だと言い張り、警察署も本気で取り上げない。しかし一人捜査を続けるニコラスは、一人の男サイモン・スキナーがあやしいと睨む。
そして、スキナーを追い詰めていくが、彼にはアリバイもある。困ったニコラスだが、ふとしたことで、複数の犯人がいることを確信、そして調べていくと、なんと、監視集団自体が、以前から外部からの侵入者を殺して、村を閉鎖的に牛耳っていることをつかむ。しかも、警察署も洗脳されていた。
後はニコラスとダニーのコンビが、警察署員と一緒に監視集団軍団とドンパチの撃ち合い。とにかく派手に撃つわ、爆破するはの大スペクタクルが展開する。これまでちりばめた伏線を次々と披露しながらのコミカルな、それでいて派手な展開にあれよあれよとスクリーンに釘付けになる。
結局全員逮捕するが、ロンドンから、ニコラスに戻って来いという依頼が来る。しかし、ダニーと絶妙のコンビとなったニコラスは、この村に残ることにし、二人でポリスムービーの主人公よろしくパトカーをぶっ飛ばして映画は終わる。
いやあ、最高です。とにかく、最初から最後まで手に汗握るスピード感と笑いに引きこまれてしまう。細かいカットの連続と、機関銃のようなセリフの応酬、しかも謎解きも面白い。まさに何もかもそろった傑作でした。