2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「彼らが本気で編むときは、」 静かに淡々と流れる物語ですが、その根底に流れる母と娘の絆の暖かさがしみじみと胸に伝わってきて、なんとも言えない感動が呼び起こされる素敵な映画でした。監督は萩上直子です。一人の少女トモがコンビニのおにぎりを食べて…
「パリ、恋人たちの影」 本当にシンプルな話なのに、いつの間に心に響き渡って来る大人のラブストーリーでとってもいい映画でした。監督はフィリップ・ガレルです。ピエールとマノンは二人三脚でドキュメンタリー映画を作っている。お互いに愛し合う夫婦だっ…
「ラ・ラ・ランド」 映画の仕掛けを最大限に使い切った傑作ラブストーリー。ミュージカルの楽しさと生きることって素晴らしさの人生賛歌がコラボレートして、ファンタジーに仕上がったという感じです。監督はデイミアン・チャゼル。ハイウエイ、渋滞で並ぶ車…
「エリザのために」 どうもこの監督の話は、自分の感覚にあっていなくて、時に物語の一部が欠落してしまう。というよりルーマニアという国の実情が理解できていないからでしょうか。しかし全体の作品の仕上がりの見事さは納得させられるからすごいなと思うの…
「セル」(トッド・ウィリアムズ監督作品)」 なんとも退屈な映画だった。スティーブン・キング原作もさすがに色あせてきましたね。出だしからだらだらと何を目指すわけもない展開にただため息ばかりだった。監督はトッド・ウィリアムズです。主人公クレイが空…
「天使のいる図書館」 もっと薄っぺらい映画かと思っていましたが、意外にしっかりと構成された物語になっていて、若干ラストの処理がくどいですが、良いように感動してしまいました。監督はウエダアツシです。何かにつけて機械的に喋り、どこかずれている新…
「サバイバル・ファミリー」 なんともテンポの悪い、しかも、何を目指す映画なのかよくわからない一本でした。監督は矢口史靖です。物語は今時の家族、それぞれが好き勝手に生活をし親子も夫婦仲もバラバラだが、なぜか一つにまとまって、お互い適当にやり過…
「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」 もっとつまんない映画かと思っていたのですが、意外と良かった。ラストはしんみり感動してしまいました。確かに、前半から中盤までが妙にしつこく感じるのですが、やはりティム・バートン監督はマペットアニメ的なク…
「揺れる大地」 これくらいのレベルになると、時として、具体的な言葉が浮かばない。2時間40分くらいあるのに、ほとんど時間を感じさせないのです。しかも、その理由がなんなのか浮かばない。それが、超一流の監督の演出力、そしてトップクラスの脚本家の力…
「風に濡れた女」 海辺で一人暮らしをしている高介の前を、一人の女汐里が自転車で通り過ぎ、そのまま海に突っ込む。物語はこうして始まり、一見サプライズなオープニングのはずだが、いまひとつインパクトはない。この後、奇妙な男と女の物語が展開するも、…
「わたしのグランパ」 石原さとみのデビュー作。彼女のみずみずしさもなかなかですが、圧倒的な菅原文太の存在感で映画がぐいっと締まった感じの秀作でした。本当に良かった。いい映画を見たなという感想です。監督は東陽一、原作はなんと筒井康隆です。13年…
「エゴン・シーレ 死と乙女」 28歳でこの世を去った画家エゴン・シーレの半生を描いた作品でした、これといって秀でた作品ではありませんが、丁寧に紡いでいく物語に一人の画家の心の葛藤はそれなりに描けていた気がします。監督はディーター・ベルナーです…
「相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」 もういい加減、薄っぺらいテロ犯罪サスペンスは控えたほうがいいと思う。特に日本の作品の場合、格段に緊迫感が生まれてこないしリアリティがない。今回の映画はとにかく脚本が弱いの…
「橋のない川」(東陽一監督版) 水平社設立の物語を描いた住井すえ原作の映画化で、以前今井正監督版は見たことはあったのですが、この再映画化版もしっかりとしたドラマ作りでよくできた映画でした。監督は東陽一です。物語は今更ですが、奈良県にある被差別…
「絵の中のぼくの村」 キラキラと弾けるほどに素朴でファンタジックなおとぎ話のような世界に引き込まれてしまう一本。映画なのにまるで絵本を開いていくような不思議な感覚と懐かしいノスタルジーであるはずなのに、まるで現実世界と違う異世界の不思議さを…
「ドクター・ストレンジ」 マーベルコミックの新シリーズ。空間を自由に操るCG映像の面白さと、時間を操るという設定、天地左右関係なく描かれる空間演出が面白い一本。と言っても、設定が魔術になったこと、つまり精神世界を扱う話になっているレベルで、中…
「破門 ふたりのヤクビョーガミ」 なんともリズムの悪いというか、間の取り方の悪い映画でした。全く台詞が掛け合いになっていないし、ボケとツッコミもテンポが悪い。横山裕は前から下手くそだと思っていたが、やっぱり下手くそだね。演技のテンポというか…
「風音」 沖縄を舞台にした映像詩という感じの一本で、素朴な中に何かしら不思議でファンタジックな色合いのある作品でした。監督は東陽一です。夫の暴力に耐えかねて、本土から沖縄に帰ってきた和江と一人息子。その地の海岸の岩場に骸骨が祀られている。そ…
「ジムノペディに乱れる」 ロマンポルノリブート企画の一本で、これは行定勲監督作品ですが、普通の物語でした。でも、根底に流れる愛の物語という点ではやはり行定勲の視点は見えたからそれはそれで良かった気がします。一人の男が窓のそばに立って隣で洗濯…
「奇跡の人」(アーサー・ペン監督版) このレベルの映画になると、みるたびに自分の人生が変わる気がします。それほどにその影響力、その時の心理状態への食い込みが半端じゃないですね。アーサー・ペン監督の傑作を何十年ぶりかで再見、圧倒されて涙が溢れた…