くらのすけの映画日記

「映画倶楽部シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ノウイング」

ノウイング

宣伝フィルムを見たときから、ちょっと期待のSF大作。
アレックス・プロヤス監督は「アイ、ロボット」でそれなりに、評価はできる監督でしたので、まあ、失敗はないだろうと思っていたのですが、なんとも、不完全なB級作品でした。

宣伝フィルムにも使われている、旅客機がハイウェイに落ちてくるシーンはさすがにすごいし、それに続いての地下鉄の脱線シーンも見事である。さらにラストシーンのデザスターシーンも素晴らしいCGのできばえである。しかしそれだけなのである。あとの部分はどこをとっても伏線がしっかりしていないし、物語の脈絡も今ひとつはっきりしない。謎解きの場面もあっさりと解かれてしまうしまう上に、ニコラス・ケイジに共演のローズ・バーンがやたらヒステリーを引き起こしてわめき散らすし、散々である。

冒頭、今から50年前のある小学校で、タイムカプセルが埋められるシーン、そしてこの物語に重要な役割を担うルシンダという少女のエピソードが描かれる。このあたりの展開が、なかなかと思っていたが、どうも今ひとつリズムに乗らない。このシーンとともにタイトルバックがつづくのですが、面白い導入部であるはずなのに引き込まれてこない。そして現代へ・・・

まぁいいかと思ってみていたのですが、とんとん拍子に話が進んで、サスペンスフルな部分がなんともあっさり、そしてスペクタクルがあるかと思えば、先ほど説明したシーン以外はこれといったものもない。ナイトシャマランが描いた「サイン」のごとき展開もはめ込まれてくる上に、なぜか言いたいこと、描きたいことが見えてこないでである。

そんな取り留めのない展開が進むために、今ひとつストーリーさえも見えない。
そしてラストシーンはなんと、救世主的な宇宙人まで登場という始末にはまいりました。

要するに、何をストーリーの骨にすべきかという脚本がぜんぜん練られていないのである。即興で撮っていったとしか思えないようなできばえなのだ。
今となればトップクラスの俳優とも言うべきニコラス・ケイジの力量がまったく発揮されず、「ネクストNEXT」を見たあとのような感覚で劇場を出てしまった。
完全に期待はずれ。