ロバート・ゼメギス監督がパフォーマンスキャプチャーと呼ばれるコンピューター処理技術を使って描いたいわばCGアニメに近い作品である。3Dバージョンも上映されているのですが、ジム・キャリーが精霊とスクルージ役を7役こなしているというのも売り物なので、字幕版を見ました。
「クリスマス・キャロル」の本が開く場面から始まるオープニング、そこからはもう夢の世界へと観客をいざなってくれます。
流れるように雪の降るロンドンの町並みを飛び回るシーン。窓に近づくかと思えば通りを縫うように飛びそしてまたビルの上空かなたから俯瞰で見る。しかも美しい背景とファンタジックな映像はすっかり酔わされてしまいます。
物語はいまさらいうまでもないチャールズ・ディケンズの名作の忠実な映画化。しかも最新技術で作り出されたキャラクターの数々は監督が自負するように原作にほぼ忠実とある。その幻想的な存在感が実に美しい。
主人公のスクルージは人間離れした餓鬼のごとくがりがりの金の亡者。一方の過去、現代、未来の精霊はそれぞれ不気味さとユーモアが重ねあわされたような迫力があります。
パフォーマンスキャプチャーというのはヘルメットのようなものをかぶって俳優が動きをし、それをデジタル処理で記憶して、CGで創り出したキャラクターを組み合わせるというもの。したがって、生の姿はまったく出てきません。正直、ジム・キャリーの天才的な演技は見れていないといえば正直なところかもしれませんね。
しかし、目くるめくような90分近くの物語はまさにベッドの脇で子供に聞かせる物語が子供の頭の中で具体化していく様そのもので、本当に美しい。それだけでも見る価値十分でした。
3Dを意識したアングルもたくさんあるので、もう一度3D版を見てみたいと思います。きっと夢の世界に入ることができるんじゃないでしょうか。すばらしかったです。