くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「プチ・ニコラ」

プチ・ニコラ

本当に楽しい映画です。
映画が始まると、飛び出す絵本にイラストが書かれ、それが動きながらタイトルがその中につづられていきます。数ページ写された後で画面は小学校の教室の一室。主人公ニコラが通う学校です。先生が生徒たちに「将来なりたいものお書きなさい」と言い、それにともなってニコラの友達が個性豊かに紹介されていきます。

会社の社長になりたい子、大臣になってごちそうをたくさん食べたい子、強盗になりたい子、警察官、等々、実に楽しい紹介シーンが続き、ニコラの両親のことへ。父親は自転車の選手、水泳選手・・とうとう紹介され、「ママは僕のママになるのが夢だった」とニコラがママにしがみついて場面はふたたび飛び出す絵本。「プチニコラ」のタイトルが映され、続いてスタッフキャストが続きます。ここまでのシーンだけでもうわくわく、にこにこです。

いつも真っ赤なセーターを着ているニコラの周りは個性的な友達だらけ。美しい景色を取り混ぜながら実にほほえましい物語が幕を開けます。

クラスメートの一人に弟ができたらしい。パパがママに優しいし、いつも弟の話ばかりしている。弟が生まれたら自分は森に捨てられるようだと悩んでいる。そして案の定、その友達は学校を休む。

そんなとき、ニコラのパパも同じような行動をとり始め、今度森に行こうと言い出す。これは大変と、友達に相談するニコラ。パパやママに好かれようと留守の時に大掃除を友だちとするが大失敗、いろいろ考えた末にギャングを雇って弟を誘拐することに。そこで、電話帳で調べて、電話をかけたギャング(実は車の修理屋さん)の話で、お金がいるだの車がいるだのと催促され、友達同士でお金を作る行動にでる。

一方でニコラの学校の様子やパパの会社のこと、ママとパパの生活の様子がおもしろおかしく絶妙のウィット満載に展開していく。終始、にこにこ笑いっぱなしの展開がほほえましい情景を醸し出してくる。

そんなこんなでどたばたと日常がすぎていく中、ようやくできたお金と車、しかしそこへ休んでいた友達が弟を乳母車に乗せて登場。実は水疱瘡で休んでいただけで、いまは弟がかわいくて仕方ないという。そんな様子を見たニコラは早く弟がほしい。家に帰ってパパとママに話すが実は妊娠などしていない。がっかりするニコラに暖かいパパとママの慰め。そして、やがて待望のママの妊娠。意気揚々とお兄ちゃんになる日を待つニコラ。夏が過ぎ冬が過ぎそして・・生まれたのはなんと女の子。一時は悪態をつくニコラだが周りの人たちのうれしそうな様子を見て、思わず笑いが漏れる。

「僕の将来の夢はみんなを笑わせること」
そんなニコラのつぶやきと、クラス写真を撮るショットで映画が終わる。

ニコラたちのどたばたシーンの合間に挿入されるさりげない学校生活、先生にしかられる様子。小憎たらしい優等生のエピソード、落ちこぼれの友達がふとしたきっかけで暮らすの注目になるほほえましいショット、身体検査、ほのかな女の子へのあこがれ。休んでいた担任の先生が戻ってきたときの生徒たちの喜び。子供のためにあくせくするパパとママのありきたりだけど暖かい日常の数々。なにもかもが余りにもふつうのことなのですが、すごくファンタジックで楽しい。毎日ってこんなに楽しいものなのだなぁなんて思わず振り返ってしまう。

映画として、すごいとか、傑作とかよりも、終わってからもう一度見たくなる。、もう一度ニコラたちにあいたくなるそんな最高のホームドラマだったような気がします