くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「死の街を脱れて」

kurawan2015-07-16

若尾文子のスクリーンデビュー作品である。本来久我美子の予定が、急病で交代したものです。監督は小石栄一という人ですが、助監督に増村保造が名を連ねている。

映画は敗戦直後の中国大陸で、取り残された日本人の女子供が、日本へ脱出するべく、新京を目指すというもので、とにかく苦労物語である。

製作当時の1952年なら、おそらく、こういう苦難を生きた人々が、思い起こして、感慨に耽ったことであろう。

若尾文子は脇役であるが、物語を牽引していく存在としてストーリーを引っ張るので、自然と目立つ。しかも、登場する役者の中で明らかに若いので、そのみずみずしさが、映画をすっきり見せていく。

単純なロードムービーて、これという秀でたものはないが、これもまた、戦後の日本映画の一つの形だろうと思います。