くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「未成年」「新婚七つの楽しみ」「慕情の河」

「未成年」

つまらない映画かと思っていたが、韓国映画にしてはしっかりと作られたドラマでした。二重三重の人間ドラマがいつのまにか青春ドラマで終わらせる演出がなかなか見せてくれました。監督はキム・ユンソク。

 

女子高生ジュリが、鴨料理の店の中を見ている。中にはミヒという女性がいて、実はミヒはジュリの父親の浮気相手らしく、しかも妊娠させたようで、その本人を見にきたのだ。中の声で慌てて逃げたジュリをミヒの娘ユナが後を追うが声をかけないまま見送る。ユナはジュリが落としたスマホを持っていて、翌日学校でジュリを呼び出す。

 

ジュリは家に帰り、母に父のことを話すが、母は父の浮気を知っている。ユナの父は家を出ていて、貧しい生活をしている。ユナは母に赤ちゃんを堕ろすようにいうが、母は言うことを聞かない。

 

ある日、学校でジュリとユナはつかみ合いの喧嘩をする。一方ジュリの母はユナの母の店を訪ね、そこで、思わずユナの母を突き飛ばしてしまい、ユナの母は早産をしてしまう。知らせを聞いたジュリとユナも病院に駆けつける。

 

ジュリの父も病院へ行くが、ジュリと顔を合わせられずに逃げてしまう。ユナとジュリは未熟児で保育器にいる赤ん坊に会い、心なしか親近感を持つ。

 

ジュリの父は妻に追い出されたようになり、ソウルから離れた友人のペンションへ行くが、すでに廃業していて、途方に暮れてしまう。一方、ジュリたちは赤ん坊を通じて、お互いに親しくなり、ユナも弟を育てる決心をするが、ユナの母は全くその気がない態度を取る。しかし、本当はジュリの父を愛していた。

 

しばらくしてユナが病院を訪ねると赤ん坊がいない。しかも母は退院すると言う。駆けつけたジュリは、赤ん坊が養子に出されたと思い、その車を追うが、実は赤ん坊は死んでいた。ジュリはその遺体を受け取る。

 

ジュリの父はペンションの帰り、強盗に遭う。一方、ジュリの母はミヒのところを訪ねる。ミヒは赤ん坊が死んだこと、別れたことを告げるが、ジュリの母は弁当を与える。

 

ジュリは赤ん坊の遺体を学校でユナに渡す。そして二人で火葬場に行き、それを持って、ジュリの父とミヒが行った閉鎖された遊園地へ行く。そして、お骨をジュースに入れて二人は飲み干して、笑い合って映画は終わる。

 

不思議なくらいに、清々しいラストで、登場人物それぞれがなんとなく誰も彼も切ない。将来、こうなることを予想もせずにみんな高校生を生きていたんじゃないかと言うようなセリフが妙に心に残ってしまう。傑作とは言えないながら、どこか心に響く一本でした。

 

「新婚七つの楽しみ」

たわいのない恋愛コメディで、まあ微笑ましく見終わる気楽な映画でした。脚本が白坂依志夫というのは見所でしょうか。監督は枝川弘

 

街頭インタビューで結婚について聞かれているシーンから映画が始まる。そこで悠一と康子が出会い、一年後に結婚、新婚旅行で知り合った夫婦に、新婚には七つの楽しみがある、と言われるが、それを辿っていく展開というわけでもない。

 

悠一の会社の同僚の恋愛の仲取り持つ物語を中心に、悠一と康子の新婚生活のラブラブ感が綴られていく。全く能天気なお気楽映画です。同僚の結婚式でクライマックスを迎えて、映画は終わります。まあ、たわいのない映画でした。

 

「慕情の河」

いわゆる音楽映画。それも、ストーリーにまとまりもなく、その場その場で作っていったような展開と、唐突なラストシーンでした。監督は島耕二。

 

使っていない工場を使って、工員たちがオーケストラの練習をしている。指揮をしているのはかつて大きな楽団で指揮をしていたが、音楽の本質とはという理想に燃えている洋介。彼を手伝うのは美代で、彼女には恋する順というチェロリストがいる。

 

順の才能を洋介が見抜いていて、誘おうとするが、実は順の父親は陽介のライバルだったことと洋介に負けて死んでしまったことから洋介を恨んでいたが、なんとか説得して説き伏せる。彼は胸の病で、洋介に金をもらい療養に出る。

 

そんな頃、工場の拡張のために稽古場がなくなり楽団も解散、洋介も元の楽団へ戻る。しかし、野外劇場での夢を捨てきれない工場の楽団員が場所と稽古場を準備して洋介のところに行くが、時間もないと断られる。そんな時、療養所から帰ってきた順は美代と言い争いになり、美代は交通事故で死んでしまう。

 

それを聞いた洋介らは野外劇場で演奏をするというクライマックスになるのだが、途中のセリフが全て関係のないラストシーン。

全編にクラシックを流すという演出だがとにかくちぐはぐな映画だった。