くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal 後編」「ウォーデン 消えた死刑囚」

「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal後編」

闇のサーカス団によってピンチになったセーラーマースたちの場面からカットが変わり、ネプチューンらお姉様方三人のシーンへ。今や娘をネプチューン、ウラヌス、プルートの三人で育てるが、娘はみるみる成長しやがてサターンとなる。そして目覚めたセーラーサターンはちびウサたちのピンチを救うべく旅立つ。

 

一方闇のサーカス団の四姉妹は実はデスムーンの女王ネヘレニアに操られていたのだった。ネヘレニアはかつてプリンセスセレニティの母が女王であった頃、光の月の国に入り込んで闇の世界を広めて来た女王だった。

 

エリオスの必死の浄化作用で、何とか胸の苦しみから脱出したセーラームーンとタキシード仮面はセーラー戦士たちと力を合わせ最後の戦いに臨んでいく。と物語は単純なのだがいかんせん説明シーンがくどくて頭がいっぱいになってしまった。

 

そして、ネヘレニアを倒したセーラームーンたちは晴れて地球に光をもたらし平和になってハッピーエンド。そして物語は続くで映画は終わる。って、続くんかい!ということです。

 

まあ、懐かしさだけで見に行った映画なので多くは求めませんが、それなりにドキドキしている自分がいました。

 

「ウォーデン 消えた死刑囚」

なかなか面白い一本で、何気ない恋物語かなんかのオープニングから何のことはないサスペンスが次第にじわじわと人間ドラマに転換していく。それでいて、どこかホラーテイストさえ盛り込まれた面白ささえ見え隠れする。映画を楽しんだという感じで堪能できました。監督はニマ・ジャウィディ。

 

ある刑務所、絞首台を撤去しようとしている場面から映画は幕を開けます。ようやく土台だけ取り外したところで、カメラは引越し作業をしているような刑務所内のドタバタへ。所長のヤヘド少佐は囚人たちを新しい刑務所に移送する業務に奔走している。新しいところで絞首台を作って欲しいと高齢の男に頼むが良い顔をしない。上官がやってきて、出世を約束した言葉を告げると、部屋の裏に入ったヤヘド少佐は小躍りして喜ぶ。そんな彼の部屋に電話が何度もかかってきている。

 

上官が帰った後、電話を聞いてみると、一人の死刑囚が行方不明だという。事情を聞くためソーシャルワーカーを呼ぶが何とそれは美しい女性だった。ヤヘド少佐は、行方不明になったアフマドという囚人が実は15年の刑から死刑に変更されたことを聞く。間も無く、アフマドの妻と娘というのがやってくる。刑務所内に隠れているはずだからと取り壊すのはまってくれと懇願したりする。

 

しばらくすると、取り壊すための重機がたくさんやってくる。皇后がやってくるための空港の拡張のため、今夕までに取り壊しをし終えないといけないのだという。どうやら行方不明の囚人は靴墨を塗って逃げたようで、靴墨の痕跡のあるところをあちこち調査するが一向に見つからない。やがてソーシャルワーカーの女性は一旦刑務所を離れるが、しばらくしてまた戻ってくる。しかもアフマドは無罪で、殺人は事故だったのだと訴える老人も現れる。ヤヘド少佐は、独房の中を調べていて突然ドアが閉まって出られなくなったりする。ソーシャルワーカーの女性も実はアフマドの逃亡のために、刑務所内を撹乱するため戻ったのだ。

 

女性の行動に不審を持ったヤヘド少佐は、彼女を逃亡幇助だと責める。ヤヘド少佐は、刑務所内に隠れていると確信し、ガスを充満させて燻り出そうとするが見つからない。刻限が迫ってくる中、ヤヘド少佐はこのままここを立ち去ろうとする。そして立ち去ったふりをして、離れたところから刑務所を監視してみると、一人の男が出てくるのを見つける。ところがヤヘド少佐らの動きを不審に思ったソーシャルワーカーが戻ってきたことで、アフマドはまた刑務所内に逃げ込む。ヤヘド少佐はもう一度探そうとするが結局見つからず、そこへ上官が、辞令を持ってくる。腹を括って荷造りをしたヤヘド少佐だが、アフマドが落としたらしいお守りの中のメモを発見、そして、新しいところへ持っていく絞首台の中に隠れていることに気がつく。

 

ヤヘド少佐が絞首台を乗せたトラックを追う。ソーシャルワーカーも追いかける。そして追いついたヤヘド少佐は絞首台の台座を覗くと隠れているらしい息遣いを認めた。万事休すと思ったソーシャルワーカーだが、ヤヘド少佐は、自分のジープに積んでいたアフマドの荷物をそっと台座の横に置き、トラックに出発の合図をする。こうして映画は終わる。

 

どこかコミカルなところもある憎めないサスペンスで、独房内で出られなくなるというホラーテイストな場面や、靴墨をヒントに探す推理もののような味付け、さらにソーシャルワーカーに気があるヤヘド少佐の子供じみた描写など、愛くるしいほどに楽しめる。イスラム革命前のどこか重々しい背景のはずなのにこの軽さはどうだと言わんばかりに面白かった。