くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ソニはご機嫌ななめ」「フライト・ゲーム」

kurawan2014-09-11

「ソニはご機嫌ななめ」
パステルカラーの黄色のタイトルバックが終わると、一人の女性ソニが学校にやってくるところから映画が始まる。

ホン・サンス監督の作品は、非常にあか抜けた洗練された映像が最大の個性であり、今回の作品も、タイトルの黄色が象徴するように、秋景色をバックにした、たわいのない、それでいて、プラトニックなムードのラブストーリーが展開する。

ソニは、かつての学校へよって同級生に会い、先輩に会い、恩師に会う。アメリカに映画留学するのに恩師に推薦状をもらいにきたのだが、かつて交際した様子の三人に再会、三人も、ソニはやっぱりかわいいと口々にかつての恋愛感情を思い起こす。

軽いタッチの音楽が背景を彩り、美しい紅葉が画面を覆い尽くす。どこか素朴、でもどこかヨーロッパ映画のような色合いがある。

物語というほどのものはなく、ソニがこの三人と入れ替わり立ち替わり会話を繰り返す。最後は、王宮公園で恩師とデートしているところ、ちょっとソニがトイレに行った間にほかの二人もやってきて、ソニは恩師のメールでそそくさと逃げてしまい、三人が王宮を見学するカットでエンディング。

ほんのひとときの心の揺れ動きを、まるで景色を切り取ったかのような繊細な画面で描くホン・サンス作品の魅力、個性がまさに典型的に現れた一本でした。


フライト・ゲーム
なぜか、最近はリーアム・ニーソンはアクションに向かっている感じ。今回も航空保安官という立場で、乗り込んだ飛行機が危険にさらされたが、危機一髪でそれを防ぐという役割である。

映画としては、単純におもしろいし退屈もしないが、何かどこかちぐはぐな感覚が払拭されない映画だった。監督はジャウム・コレット=セラである。

いかにもなスローモーション映像で、映画は幕を開ける。これから主人公ビルが乗り込む飛行機の乗客をなめるようにカメラは追っていくが、カメラワークが悪いのか、なんともテンポが悪い。

乗り込んで、しばらくするとビルの携帯に犯人からのメール。もちろん保安官専用回線のはずなのだから、いきなり怪しい。いかにも怪しいという伏線がほとんど張られていないので、確かに20分ごとに人が死ぬという緊迫感はあるが、なんせ、最初にビルが、相棒を殺すことで最初の殺人になるのだから、かなり無理がある。

よくよく考えると、無理だらけで、なぜ犯人がビルの行動をすべて把握しているのかという説明が不十分。いかにもな隣に座った女性ジェンの描き方も、今一つ生きていない。ビルの人物背景も、いらないなら、あえて最後で持ち出すまでもなかったかと。どれをとっても、どこかちぐはぐで、練り足りないというより、推敲不足、チェック不足の脚本に、とにかく、ストーリーだけで緊張感を持たせていく安易さが最大の弱点。

とはいっても、気楽に楽しめばその程度という娯楽映画としては、あれでよかったかなと思うのです。まぁ、おもしろかった。それでいい一本でした。