「想いのこし」
軽い気持ちで見に行ったのですが、これは普通以上に良かった。最初のエピソードから徐々に涙が増えていって、ラストシーンはしっかり涙に濡れていました。監督は平川雄一朗ですが、本当にこの人は、この手の感動ドラマを描かせるとうまいなと思います。
いやそれより、今回抜群に良かったのが、主演の岡田将生。金の亡者でいけ好かない若者で登場し、何気なく心が変化していき、ラストでは「消えるな!」と必死で広末涼子扮するお母さんを抱きしめる。とにかく、見えない演技が抜群に光っていた。この作品では彼の存在が成功に導いたといっても過言ではないと思います。
映画は宣伝のままで、ポールダンサー友達三人ユウコ、ルカ、ケイの一人ルカが寿退団するためのさよなら公演にはじまる。ここに、女好きでお金大好きな青年ガジロウがいる。
ふとした偶然のいたずらで、三人のポールダンサーを車に乗せて帰るジョニーの車の前にガジロウが飛び出し、事故の末に、車に乗っていた四人が死んで、なぜかガジロウだけが生き残る。ところが、突然の死に成仏できない四人がガジロウの前に現れ、思い残している願いを叶えてもらうことになる。
なけなしの貯金をガジロウに渡して、まずルカが結婚式を挙げてもらい。ケイも野球部のキャプテンで、密かに思いを寄せる先輩の引退試合で最後の思いを告げる。そして、ジョニーもかつての消防署の後輩と協力して、火事を消し止め、最後は、一人残した息子が気になるユウコのエピソードへと流れていく。
たわいのない、よくある話なのだが、不思議と引き込まれるテンポがあり、岡田将生の絶妙の演技が、どんどん物語に引き込んでくれる。
良質の感動映画の佳作、そんな感じの、とってもいい映画でした。
「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」
いかにも、アニメチックで軽い。ふつう、除外する作品であるが、監督が犬童一心となれば、見にいかないわけにはいかない。というわけで見に行ったのだが、まぁ、ふつうに楽しめた。やはり、ストーリーテリングがうまいね。職人技の世界である。
で、良かったかというと、よくある話とよくある展開がふつうにラストシーンを迎える。原作があるので仕方ないが、一昔前のトレンディドラマの世界であり、それ以上でも以下でもない。
あとは、キャストに自分の好みの俳優がいるかどうか程度のことである。
そうなると、私は榮倉奈々もハン・ヒョジュのファンでもないし、ましてや相葉君のファンではない。生田斗真は俳優としては好きだが、それ以上はない。
ただ、犬童一心監督の作品の一本をみたという満足感で終わった。
物語は、漫画家を目指すが芽がでない光が、ある日テ・ソヨンという美女に出会い一目惚れしてしまう。そして幼なじみで相談相手の杏奈に相談するが、実は杏奈は光のことが好きである。
さらに、ソヨンは、光の友達で今や人気の漫画家北山の元カノである。
あとはもう、予想する展開とハッピーエンドで締めくくるが、クライマックスに、CGマッピングを使った光のイベントを持ってきて、今時のシーンで盛り上げる。
可もなく不可もなし、そんな一本でした。