「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」
この手の映画を三池崇史監督が作ったのだから、どんなものになったのかと思ったが、ものすごく真面目に、ドラマとして仕上げているのには若干戸惑ってしまった。もう少し吹っ飛んだ映画を予想していたので、そのギャップに感激。序章としての役割を果たしたという感じです。ただ、クライマックスの説明シーンが異様なくらいに長くて、映画の半分くらいひたすら理屈をこねてるのではないかと思うほどでした。でも、平べったい仕上げにしなかったのはある意味成功だったかと思います。
原作があまりに有名なので、今更ストーリーを呼び返すことは必要ないと思うので、おいておきます。
スタンドという超能力を使うことができる主人公、その頭はふた昔前くらいのリージェントで、その頭を茶化されると途端にキレてものすごい力を発揮する。
この学校に転向してきた神木隆之介扮する普通の高校生と、通称ジョジョと呼ばれる、やたらモテるが、なんでも壊しては作り直すことができるスタンドを駆使する主人公と、この街に起こった奇妙な殺人事件を解決する。
水を自由に操るスタンドを手に入れた異常な殺人鬼が物語の前半を覆い、そのスタンドを与えるきっかけになる弓矢を操る兄と空間を切り取ることができる弟との戦いが後半。
ただ、この兄弟、特に弟とジョジョは最後は仲間になって町を守ることになるという次回に続く流れになって終わる。意味深な小松菜奈扮する女子高生が恐らく最後に突然出てきた化け物を操る何者かの黒幕ではないかと思う。ただ、小松菜奈のセーラー服生足が妙にエロいのが気になったりして。
クライマックスをもう少しあっさり締めくくっても良かった気がするが、一級品の仕上げを狙ったのだろう、とにかく、長いし、くどい。でもなかなかの仕上がり具合の映画でした。
「スパイダーマン ホームカミング」
ここまで庶民的でリアリティに作り上げたアメコミ映画もなかったのですが、ある意味、派手なCGで見せるのは限界がきたということではないでしょうか
その意味では、ちょっと楽しめた気がする映画でした。ただ、笑いのシーンはちょっとアメリカ的すぎて、誰も笑ってなかった気がします。
アベンジャーズが派手な戦いの末、町を破壊してしまい、その後始末をしている場面から映画が始まる。宇宙からの侵略者が残した物質を、処分していた業者が一部持ち出して8年後、主人公ピーター・パーカーはすでにスパイダーマンで、スタークの元で仕事をしているという大前提から始まります。
業者はそれを元に新しい武器を作っては売却し富を得ていた。しかも、最新の注意をしていたのでFBIにもアベンジャーズにも見つからず成功裡に進んできた。この無理のある展開もネタの限界を感じさせる。
ピーターは近所の何気ない犯罪を防ぎながらどこか物足りなさを感じている一方で、学校では親友にスパイダーマンだと悟られたりもする。そしてリズという一人の少女に恋心を持ち、ホームカミングのパーティのお相手に選んでもらう。
蜘蛛の糸で跳び回るシーンは、サム・ライミ版と違い、ビルがないのでその躍動感はなく、どこかみじかなヒーローとして描いて行くのはそれはそれでありですね。
そして、クライマックス、実はリズの父親が武器を作っている業者のボスだったというサプライズから、ラストのバトルへつながる。
あとは、いつもの通りという感じのエンディング。面白かったけれど、ネタも尽きてきた感がひしひしと感じます。