くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「不実な女と官能詩人」「CLIMAX クライマックス」

「不実な女と官能詩人」

フランスの象徴主義の詩人、ピエール・ルイスと彼に関わった女性マリーの物語なのだが、誰をポイントにしているのかがわかりにくい上に、テンポが悪く、しかも品がない映像なので、かなり退屈してしまいました。監督はルー・ジュネ。

 

女性の写真を撮ることを趣味にしているピエールは、一人の女性マリーと知り合う。ところが、ピエールの友人アンリが、マリーを手に入れるために強引な手段を使い結婚を決めてしまう。しかし、巧みな連絡で、ピエールはマリーを呼び寄せ、痴態を写真におさめるようになり、一方のマリーもそんな関係を楽しむようになる。

 

しかし、ピエールは友人ジャンの勧めもありアルジェリアに旅立つことを決める。一人残されたマリーはピエールの愛人の女と自堕落な生活を始めアンリとの結婚生活も荒んでいくが、マリーは妊娠していた。相手はピエールだったが、アンリはそれを知ってか知らずか、子供との三人の生活が始まる。

 

アンリはマリーとピエールの関係を知るも、マリーを尊重して容認、間も無くして、マリーの妹はピエールと結婚することになる。マリーはこれまでの生活を小説にして男名で出版、大人気となって映画は終わる。

 

どうにも焦点の見えない作品で、と言って映像が官能的でも美しくもない、本当になんとも言えない映画でした。

 

「CLIMAXクライマックス」

これも映像表現です。好む方は酔いしれるだろうし、好みでない方は最後まで入り込めないかもしれない。ある意味グロテスクであり、恐ろしいほどリズミカルであり、信じられないほど感動的、そんな独特の世界を体験しました。監督はギャスパー・ノエ

 

大勢のダンサーたちのインタビューシーンに続いて、一人の人物が吹雪の中を歩いている場面から映画が始まる。

 

人里離れた場所に、有名な振付師が集めたトップクラスのダンサーたちの見事なダンスシーンにまずうっとり。そして、最後のリハーサルが終わって、みんなはパーティに入り、酒が振舞われる。手作りのサングリアを飲んだ数人がまず異常な行動になっていく。どうやら、サングリアの中に誰かがLSDを入れたようで、このあと、幻覚に狂って阿鼻叫喚の世界が展開する様がワンカットの延々長回しで捉えていく。

 

移動カメラとすれ違うシーンの数々が流石に見事な演出に仕上がっていて、どんどん画面に引き込まれるが、次々と起こる出来事はかなりグロテスクというか、壮絶な状態になっていく様は流石にちょっと目を背けてきます。

 

そして、誰もが狂い切ってしまって夜が明けて、外から警備隊らしいチームが入ってくる。死んでしまったもの、とにかく目覚めたもの、狂ったままのものなど様々な姿が発見されてエンディング。

圧倒される映像世界ですが、個人的には好みの映画とは言えないです。