「悪魔の追跡」
典型的なB級アクションホラーという映画で、訳のわからない恐怖が迫ってくるシンプルな展開が素直に面白い。所々、これでもかという細かいカット編集と、ロードムービー的なのどかさが交錯する作りもわかりやすくていい。ラストシーンは衝撃的ながらも、インパクトだけ狙ったようなエンディングに、娯楽映画を見た感満載でした。監督はジャック・スターレット。
オートバイレースでモーテル暮らしを続けてきたフランク夫婦とロジャー夫婦は、一休みしようとキャンピングカーを購入して、水入らずの旅に出る。初日の夜、草原のようなところに車を止めて過ごしていたが、夜、川向こうに火を認めたロジャーとフランクは双眼鏡でのぞいてみると、何やら儀式をしていて、一人の女がナイフで殺される現場を見てしまう。ところが車からの女達の声と明かりで、儀式をしている人たちに気づかれてしまう。慌ててその場から出発したフランク達は、追ってくる儀式の男達を振り払い脱出、保安官に通報、翌早朝、現場を見聞に行く。
後を保安官達に任せ、賑やかなキャンプ場で一夜を過ごそうとするが、気のいい隣人に誘われてレストランに行って帰ってみると、愛犬が殺されていた。さらに車内に毒蛇が仕込まれていた。フランク達は、この場を急いで離れるが、次々と不気味な車が追って来る。途中、銃を購入して目的地を目指すが、たくさんの車がフランク達の車を追い落とそうと迫って来る。なんとか振り払った先に、工事の迂回路の標識が目に入る。工事の男に先の道順を確認して進むが、次第に薄暗くなって来る。ヘッドライトも壊されたので、とりあえず空き地で夜を過ごそうと傍に車を止めるが、しばらくすると人間が迫ってくる音が聞こえ、車の周りに火をかけられて、不気味な人々に取り囲まれ映画は終わる。
なんの中身もないのですが90分ほどを、ただ楽しませるためだけに物語が展開する様が楽しい。大袈裟な見せ場はないが不気味な人々のカメラアングルや、じわじわ迫って来る恐怖感が、なかなかの物です。決して傑作とかいう物ではないけれど、面白かった。