くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「フローズン・リバー」

二人のシングルマザーがそれぞれの生活のために、ふと手に染めてしまった裏の仕事。あまりにもやるせなくも強く生きる女性の姿を描いた作品としてたくさんの賞を取った秀作をみてきました。正直、暗いです。確かに家族のためにがむしゃらに生きようとするあ…

映画感想「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」

ぜんぜん期待していなかったのですが、これが意外と面白かったのです。 次々と見せ場が登場しますが、そこへ行き着くまでがテンポ良く、しかもそれそれの見せ場がなかなか面白いのです。次はどうなるの?次はどうなるの?とストーリー展開に期待が膨らんでい…

映画感想「パレード」「つむじ風食堂の夜」

久しぶりの行定勲監督らしい作品に出会いました。 そもそも、私がこの監督を好きになったのが「きょうのできごと」。日常のさりげない風景の中に展開する若者たちの生活の断片がつづられた秀作。今回も非常にそのパターンの似た作品でした。ひとつの小さなア…

映画感想「イエローキッド」「メーヌ・オセアン」

東京藝術大学の大学院卒業制作作品としての劇場映画である。監督は中、短編時代からその才能を期待されている真利子哲也という人。もちろん劇場初作品。 新聞やメディアで絶賛されているということで見にいってきました。ボクサージムに通う主人公と「イエロ…

映画感想「スティング」

午前10時の映画祭またまた行って来ました。学生時代にみたきりの「スティング」。とにかくおもしろかったという印象が強い作品で冒頭の’だまし’のシーンからあっけにとられてみていた思い出があります。さて30年以上たって見直した感想は?やっぱり見事…

映画感想「人間失格」

名作「ツィゴイネルワイゼン」や「陽炎座」の製作者で「赤目四十八瀧心中未遂」の奇才荒戸源次郎監督作品である。 久しぶりに映像美で圧倒される日本映画を見た感がありました。冒頭のレコードに針を落とす場面に始まって、美しい津軽の山々のシーン、トンネ…

映画感想「抱擁のかけら」

スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督作品をはじめてみました。 美しい。まさに映像で見せてくる見事な画面にうっとりしてしまいます。まず映画のカメラのファインダーから覗く画面が映り、それを背景にタイトルバックが続きます。この懲りようからして、…

映画感想「オルエットの方へ」「ブルー・ジーンズ」短編2本

引き続きジャック・ロジエの作品を見る 「オルエットの方へ」 160分を超える長尺の作品である。 「アデュー・フィリピーヌ」とは違い、背後にジャック・ロジエならではのポップな音楽は挿入されていません。ブルーのタイトルバックに軽快な音楽は流れるも…

映画感想「アデュー・フィリピーヌ」

ヌーヴェルヴァーグの作品で最も成功した一本とフランソワ・トリュフォーに言わしめたジャック・ロジエ監督の長編デビュー作を見てきました。 モノクロームですが、ヌーヴェルヴァーグ特有の即興演出による躍動感あふれる青春映画を堪能しました。物語はテレ…

映画感想「映画に愛をこめて アメリカの夜」

午前10時の映画祭、二本目である。はじめてみたのは学生時代だろうか?そのときもあまり印象に残っていないし、眠かった気もするが、やはり印象の薄い映画は何度見ても好みではないらしい。フランソワ・トリュフォーが撮影現場をドキュメンタリータッチの…

映画感想「マイマイ新子と千年の魔法」

昨年公開され、上映が終わったあと、ファンの間から続映を望む声の署名が続けられたアニメの秀作。シネヌーヴォーで再映となったので見に行きました。 まず、音楽が抜群にいい。女性のハミングのような軽快な曲を背景に昭和30年代の山口県のとある田舎町の…

映画感想「エリアナ、エリアナ」「下女」「トロピカル・マラディ」

シネヌーヴォーで開催中のアジア映画の傑作選より三本みてきました。 「アリアナ、アリアナ」 この作品はインドネシアの映画です。 冒頭、横長の画面ながらスタンダードな画面の中に独特のテンポのリズムある曲とともにジャカルタの町の様子が映し出されます…

映画感想「ニュー・シネマ・パラダイス」

初めてこの映画を見たのは何年前だろうか?いい映画だった記憶があるが、正直、眠かった記憶もある。イタリア映画ならではの怒るようなセリフとジョゼッペ・トルナトーレ監督ならではの淡々としたストーリーテリングが心地よい陶酔感をもたらしたのかもしれ…

映画感想「インビクタス負けざる者たち」

この映画は、何のこだわりも理屈もなく素直にみて、そして伝わってくるものそのままに感動してほしい。ストレートに訴えかけてくる人間の生き方のドラマ、人を愛することの大切さのドラマ、そして、「ドラマ」というジャンルの作品とはこうした映画をいうの…

映画感想「ヴィクトリア女王世紀の愛」

この映画こそ原題の「THE YOUNG VICTORIA」の方がぴったりだったように思います。 非常にすっきりした画面づくりと、背後の音楽のテンポに合わせた編集による軽快なショットが所々に挿入され、一本のストーリー展開の中に小刻みにモダンな味わいを持たせてく…

映画感想「ずっとあなたを愛してる」

この映画、全体に非常に色彩の変化に心が配られています。そして、色の変化がそのまま物語の変化、主人公の心の変化、主人公を取り囲む周りの人々の変化を表現しているのです。まず、空港で主人公ジュリエット(クリスティン・スコット・トーマス)が妹レア…

映画感想「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」

原作者のスティーグ・ラーソンが出版前に急死、その後出版された原作は一気に大ベストセラーになったサスペンスミステリー三部作の一本目というふれこみで公開されたこの映画、原作の話題性がなければおそらく公開はしんどかったかもしれないという印象の作…