くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「朱雀門」

朱雀門

時は幕末、和宮若尾文子)と幼なじみの夕秀(山本富士子)が書をたしなんでいるところから映画が始まる。平安時代の話かと思っていたら、江戸末期の物語。宮川一夫のカメラが美しい作品でした。

和宮はまもなく有栖川家の若宮(市川雷蔵)と結婚を控えています。しかし、ここに江戸幕府から家茂の妻として迎えたい旨の連絡が届き、断りきれず泣く泣く若宮と別れて江戸に下ることになる和宮、そして、お家女房として若宮の世話をすることになる夕秀の姿が描かれていく。

これといった見所はなく、誰もが知る悲劇のヒロイン和宮の悲恋物語と幼なじみ夕秀との物語、さらに幕末の激動の時代が美しい色彩絵巻で語られていく、ある意味平凡な作品といえる一本。

市川雷蔵の美しい若宮の姿が一つの見所であり、クライマックス、和宮臨終の床へ駆けつける若宮の姿が哀愁を誘う。
和宮を演じる若尾文子が愛らしいほどにかわいらしいし、夕秀を演じる山本富士子の均整のとれた美形にこれこそが映画全盛期の夢のあるスターの姿とうっとりする映画でした。