くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「恋する惑星」

恋する惑星

とっても洒落た映画で、二つのラブストーリーをめくるめく様なテンポで描いていく。監督はウォン・カーウァイ

 

一人の刑事223号が犯人を追っている。途中、金髪にサングラスの女性とすれ違う。223号は最近メイという女性と失恋をし、もう一度やり直せるかのチャンスに、振られた日から一ヶ月後の自分の誕生日までパイナップルの缶詰を買い続けることにした。223号は、恋人を忘れるためにバーで金髪にサングラスの女性と出会い、口説こうとするが、一向に落ちない。この女性は何やら麻薬組織の運び屋の手筈をしている様でどこか危ない空気がある。そして仲間同士の諍いか、ピストルで一人の男を撃ち、カツラを外してどこかへいく。223号は、いつも立ち寄るハンバーガーショップで、店主から従業員の女の子を紹介されるが、男は嫌だと断るが、その従業員はショートカットの女性フェイだった。223号は、飛行機の中でスチュワーデスを口説き落とすもののまもなくして関係は崩れる。

 

ハンバーガーショップによく立ち寄る制服警官633号にフェイは恋心を持っていた。ある時一人の女が店主に一通の手紙を託し633号に渡してくれと姿を消す。店主がその手紙を読んでいる姿を見て、フェイは気になり中を読んでみると、別れ話の様で、633号の部屋の鍵が入っていた。633号が手紙を受け取らないので、フェイはたまたま市場で633号と親しくなり住所を聞いたので、鍵で勝手に部屋に入る様になる。

 

そして、部屋の中をいじり回し、金魚を増やし、テーブルクロスを変えたりする。失恋で落ち込んでいる633号は、気が付いているのかどうか、ぬいぐるみや食器に話しかけたりする。ところがある時、フェイと出くわしてしまう。いつのまにかフェイを気になっていた633号はフェイをデートに誘い、カリフォルニアという店で待つがフェイは来ず、ハンバーガー店の店主がフェイの手紙を届ける。そこには一年後の日付の手書きの搭乗券が書かれていた。

 

一年後、フェイはスチュワーデス姿で戻ってきてハンバーガー店に立ち寄ると、何と633号が店を改装していた。店主から譲り受けたのだと言う。一年前もらった手書きの搭乗券が雨で読めなくなっているので、もう一度書いてくれと言う633号にフェイは紙に書き始めて映画は終わる。

 

カリフォルニアドリーミングの曲をフェイが好きと言うことで、何度も繰り返し流され、キーワードとしてラストまで物語を引っ張っていく。ストップモーションやスローモーションなどを多用して映像のリズムが不思議な切なさを生み出していくのがとっても洒落ています。小粋な映画という感じの一本でした。