くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「モーニングセット、牛乳、春」「ジェリー・フィッシュ」

「モーニングセット、牛乳、春」 とっても不思議な映画なのですが、何とも心に残る、とっても甘酸っぱくなるような青春映画だったのかもしれない。一人の居酒屋の主人風の男が歩いているシーンから映画が始まる。前に女子高生らしい女の子が歩いていて、その…

映画感想「そして父になる」「凶悪」

「そして父になる」 カンヌ映画祭審査員賞受賞ということで、一気に話題になった作品であるが、好みではないテーマも重なって、印象は今一つだったような気がします。といっても、決してつまらないとか、低レベルの作品ではないし、淡々とした映像の中に、切…

映画感想「ハーメルン」「エリジウム」

「ハーメルン」 非常に地味で、まじめすぎるくらいな映画である。残念なのは、もう少し優秀なカメラマンが丁寧に撮影すれば、実に趣のある美しい作品になったのではないかと思うと、ちょっともったいない気がした。物語の舞台は福島県奥会津、廃校になった小…

映画感想「あの頃、君を追いかけた」「ポルトガル、ここに誕生す ギ

「あの頃、君を追いかけた」 原作のギデンズ・コーが自ら監督を務めた大ヒット台湾映画の話題作。とってもストレートな作品でした。確かに、国柄が違うので、所々にずれるところは幼稚に見えなくもないけれども、それは作品の出来映えとは別の話だと考えれば…

映画感想「ウォーム・ボディース」「ビザンチウム」

「ウォーム・ボディーズ」 なんとも不思議なラブストーリーである。所々に、美しいショットが挿入されているところを見ると、このジョンサン・レビン監督はかなりロマンティストなのだろう。吸血鬼や狼男とのラブストーリーの次は、とうとうゾンビと人間のラ…

映画感想「スーサイド・ショップ」

パトリス・ルコント監督が描く、ブラックユーモア満点のアニメーション。ということで、ちょっと期待していたのですが、普通すぎた気がする。確かに、独特のデザインで描かれるアニメーションはさすがに感性の豊かさを感じさせるのですが、展開が普通で、ド…

映画感想「ストラッター」

ロックを中心にした音楽映画である。出だしから、リズム酔い局がカバーし、黒地に白抜き文字でテンポよいクレジットノアと、第一章というテロップから映画が始まる。主人公ブレットが車に乗り込んで、友人のところへ。これから恋人ジャスティーンと一緒に暮…

映画感想「陸軍登戸研究所」「悪いやつら」

「陸軍登戸研究所」 本来、ドキュメンタリーはみないのですが、ちょっとおもしろそうだったので見に行った。知る人ぞ知る、陸軍登戸研究所とは、戦時中、日本軍が秘密兵器を研究開発していたところである。それも荒唐無稽で、有名なところではアメリカまで偏…

映画感想「許されざる者」(李相日監督)「ウルヴァリン:SAMUR

「許されざる者」 絵作りがまず最高にすばらしい。どの場面をとってもうっとりするほどに計算された構図と色彩設計の美しさに目を奪われる。映画が始まって、真っ白な雪原。時は明治二年である。残党を追いつめる政府の官軍たち。一人また一人と殺されていく…

映画感想「オン・ザ・ロード」

とってもクオリティの高いカメラと光の演出の美しいロードムービーの秀作。 その目の覚めるような画面の美しさに、うっとりといつの間にか映画という事さえ忘れてしまう陶酔感に浸ることができます。真っ暗な画面に歌声が聞こえてきて映画が始まる。やがて、…

映画感想「日本の悲劇」「ニーナ ローマの夏休み」「ストロボライト

「日本の悲劇」 とにかく息が詰まるほどに重苦しい映画である。緊張感というよりも、心の中に迫ってくる重さを感じさせる。黒字に白抜きのタイトルが終わると、一軒の家のキッチンにフィックスで固定されたカメラ。室内に誰もいないが、やがて、なにやら物音…

映画感想「黒いスーツを着た男」「大統領の料理人」

「黒いスーツを着た男」 独りよがりの女が巻き起こす面倒な展開の、何ともいえない映画、そんな感じの作品でしたが、根底にあるのはフランスにたくさん滞在する違法就労の移民たちの物語ではないだろうかと思えなくもないのです。映画は、夜三人の仲の良さそ…

映画感想「共喰い」「アップサイドダウン 重力の恋人」

「共喰い」 ちょっとした作品である。しかもかなり壮絶な物語なのだ。特筆すべきは仁子を演じた田中裕子の演技力の真骨頂が見られる、とにかく、彼女がすばらしい。いや、円役の光石研もその存在感がものすごい。汚いどぶ川のような川を、ハイスピードカメラ…

映画感想「モスダイアリー」

非常に危うい、中途半端な出来映えの作品だった。ジャンルをいえばホラーなのだろう。怪しい転校生エネッサはどこか人間離れした顔立ちだし、不可思議な行動を見せるシーンも多々あるが、一方で主人公のレベッカは、父親がカミソリで壮絶な自殺をした現場を…

映画感想「サイド・エフェクト」「カルメン故郷に帰る」(モノクロ版

「サイド・エフェクト」 つまり、副作用のことである。 タイトルバックで、ゆっくりとカメラはとあるビルディングの窓へと近づいていく。そして、その部屋の中だろうか、椅子が倒れていて、床に真っ赤な血が散らばっている。物語はここから三ヶ月前に戻る。…

映画感想「マン・オブ・スティール」

ザック・スナイダーという監督は基本的に好きではない。ただ、このスーパーマンの新シリーズは素直におもしろい。CG全盛時代なので、今更不可能な映像はほとんどない。かつてなら至難の業だった人物が空を飛ぶ場面も縦横無尽に飛び回る。当然、人間を撮影…

映画感想「素敵な相棒〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜」「楽

「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー」 そう遠くない近未来を舞台にしたファンタジーである。設定のおもしろさ、ストーリー展開の組立がとってもよく練られているのに、何となくテンポが悪いために、それほど長くない映画なのに妙にもたついて…

映画感想「夏の終り」「江ノ島プリズム」

「夏の終り」 「海炭市叙景」の熊切和嘉監督作品。非常に上品で丁寧な映像表現と、テクニカルな演出が入り交じり、レトロなムードの中に女心のうつろいゆく微妙な情熱を描ききった作品である。一人の男涼太が知子の家を訪ねて来るところから映画が始まる。出…