くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ゆずり葉の頃」「きみはいい子」

「ゆずり葉の頃」 亡き岡本喜八監督の奥さん中みね子さんの初監督作品、といってもすでに76歳である。もちろん、プロデューサーもされていたし、若い頃は脚本も書いていたので全くの素人ではない。とはいえ、あまり期待していなかったが、友人の薦めもあり…

映画感想「愛を積むひと」「ストレイヤーズ・クロニクル」「アリスの

「愛を積むひと」 それほど期待もしていないし、あまり好きな話でもないので、まぁいいかていどで見に行ったが、気がつくと涙があふれていました。たぶん、この映画は、結婚し、娘を持つ父親でないと、はまらないのではないかと思います。そういう意味で、は…

映画感想「ターナー、光に愛を求めて」

いい映画であるが、いかんせん、長い。確かに、ターナーの絵を思わせるような見事な風景カットが随所に挿入され、うっとりと引き込まれるが、これだけで二時間以上の長さを引っ張るのには無理があった。しかも、ストーリーはきわめて地味だし、主人公のター…

映画感想「グローリー/明日への行進」「マッド・マックス 怒りのデ

「グローリー 明日への行進」 黒人問題に尽力したマーティン・ルーサー・キング・Jr牧師の半生を描いた人間ドラマで、アカデミー賞ノミネートされた有力作品として、日本公開が待たれた最後の一本である。圧倒的なドラマ性と、個人に焦点を当てるというよ…

映画感想「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密」「反

「画家モリゾ マネの描いた美女 名画に隠された秘密」 非常に普通の映画である。その原因の一つが主演のモリゾ役をしたマリーヌ・レルテリムの個性の薄さによる。彼女が引き立たないために、姉や両親、周りの人物との境目が見えない。マネとの出会い、自分の…

映画感想「彼女と彼」「アンデスの花嫁」

「彼女と彼」 羽仁進らしい作品で、ドキュメント風のカメラアングルと演出が、終始徹底された世界で繰り返す物語は、リアリティとフィクションを通り越した独特の世界観がある。映画はとある団地、その団地のそばのバタヤ部落と呼ばれる、いわゆる廃品を回収…

映画感想「ブワナ・トシの歌」「アフリカ物語」

「ブワナ・トシの歌」 人間素朴すぎる心の声が、スクリーンから あふれでてくるような、この不思議すぎる純粋な感動がすばらしい傑作。羽仁進監督の代表作の一本を見る。映画は、主人公トシがアフリカにプレハブ住宅を造るために現地へ一人で出かけるところ…

映画感想「ライアンの娘」「エレファント・ソング」

「ライアンの娘」 デヴィッド・リーンの名作を何十年かぶりで見直した。さすがに映像づくりの美しさにはため息がでる。冒頭の、波の打ち寄せる海岸の景色、風に流れる雲の陰が砂浜に映し出す姿、村の町並み、ドリアン少佐とロージーが初めて結ばれる森の中の…

映画感想「涙するまで、生きる」「恋の大冒険」「手をつなぐ子ら」「

「涙するまで、生きる」 カミュの短編小説を原作にした人間ドラマ。主演のヴィゴ・モーテンセンの奥の深い演技が光る一本でした。監督はダヴィッド・オールホッフェンです。1954年のアルジェリアの広大な大地のカットから映画が始まります。ゆっくりとカ…

映画感想「海街diary」「ハイネケン誘拐の代償」「しあわせはど

「海街 diary」 いい映画です。とってもいい日本映画の秀作。どこがどうというのではなく、静かで、大人で、こういう物語があってもいいじゃないの、いや、思い出さないといけないんじゃないかと思える物語がここにあります。監督は是枝弘和、うまいの…

映画感想「充たされた生活」「海は生きている」「初恋・地獄篇」

「充たされた生活」 安保闘争に揺れる日本を舞台に、一人の女じゅん子の結婚と恋に揺れる人間ドラマを描いていく。その映像は、映画というセオリーを取っ払ったように、自由に描かれていく。ここに羽仁進の天才と言われるゆえんがあるのでしょうか。一人の女…

映画感想『トイレのピエタ」「ハンガー・ゲーム FINAL レジス

「トイレのピエタ」 それほど期待していなかったのだが、まぁまぁ普通にいい映画だったようです。なんといっても共演の杉咲花が抜群にいい。主人公を引き立たせるだけでない、ストーリーにリズムを作り出しているし、彼女がでている場面は映画が動きます。も…

映画感想「靴職人と魔法のミシン」「追憶と、踊りながら」「奇跡の人

「靴職人と魔法のミシン」 おとぎ話のようなファンタジー、ほのぼのした色合いが素敵な一本だったのですが。もう少し、ストーリーにアップテンポがあればもっと楽しかったかもしれません。監督はトム・マッカーシーです。映画は20世紀はじめ、ニューヨーク…

映画感想「最後の脱走」「忠臣蔵 花の巻 雪の巻」

「最後の脱走」 敗戦の後、満州に残された女学生たちの引き上げる物語を、アクション映画風に仕上げた戦争娯楽映画である。監督は谷口千吉特に、変わったものはなく、普通の、いや、かなり適当な仕上がりの娯楽映画で、原節子がでているという、いわばレアも…

映画感想「予告犯」「トゥモローランド」「おかあさんの木」

「予告犯」 監督は中村義洋ということもあり、期待したのだが、期待しすぎだった。しかし、それを白紙に戻してみてみれば、単純におもしろかった。ストーリーの薄さは原作の弱さであり、そこをどうこういうのはよくないし、映画だけを楽しむには十分にできあ…

映画感想「グッド・ストライプス」「やさしい女」(デジタルリマスタ

「グッド・ストライブス=素晴らしき平行線」 淡々とした普通の日常を、いかにも今風の空気をにじませながら描いていく物語ですが、どこか惹かれる、なんか好きになる、そんな映画でした。監督は岨手由貴子。映画は、交際四年目を迎え、どこか、マンネリ気味…

映画感想「ジェームス・ブラウン〜最高の魂(ソウル)を持つ男〜」「

「ジェームズ・ブラウン最高の魂を持つ男」 凡作ではない。ハイスピードの映像で時間の流れを映し、少年時代と現代、さらにはトップに上り詰めていく主人公の姿を交錯して描くストーリー構成のおもしろさは、なかなかだった。しかし、黒人映画が嫌いな上に、…

映画感想「誘拐の掟」「あん」「夫婦フーフー日記」

「誘拐の掟」 リーアム・ニーソンのアクションドラマ。監督はスコット・フランクである。アル中の警官マットがカフェで座っていて、強盗犯と遭遇するところから映画が始まる。犯人をを撃ち殺し、タイトル。時は20世紀最後の年に移る。断酒の会で、一人の男…

映画感想「東京の休日」「路傍の石」(久松静児監督)「女ごころ」「

「東京の休日 とにかく楽しい。しかも、映画史をを飾った豪華な大スターが惜しげもなく、ちらちらとでてくるのだから、ため息がでる思いに浸ることができる。監督は山本嘉次郎である。物語は全くたわいのないもので、アメリカからツアーでやってきた、在米日…

映画感想「ピッチ・パーフェクト」「新宿スワン」

「ピッチ・パーフェクト」 何とも中途半端な映画だった。心理描写、人物描写、ストーリー構成、物語の展開、どれもこれも、ぷつりぷつりと途切れ途切れに終わってしまって、まるでスクラップブックのようで、まとまっていかない。しかも、見せ場のアカペラシ…