くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「怪しい彼女」「幕末高校生」

「怪しい彼女」 韓国映画は基本的に、一部の傑作をのぞいて嫌いである。しかし、しかし、悔しいことだが、この映画はとっても楽しかったし、最後は胸が熱くなってしまいました。友達の誰もが、おもしろいからというので、重い腰を上げて見に行ったのですが、…

映画感想「やっさもっさ」「修禅寺物語」

「やっさもっさ」 横浜を舞台に、米軍兵士や外国人とのあいだにできた孤児を預かる双葉園の理事亮子を中心に風刺劇のごとく描く、いわば戦後の日本の歴史の一ページを知るような作品である。監督は渋谷実、決して優れた映画とはいえないが、戯画化された描写…

映画感想「喜劇とんかつ一代」「河のほとりで」「東京夜話」

「喜劇とんかつ一代」 映画が楽しい。そんなことがスクリーンからほとばしり出てくるような、典型的な川島雄三監督作品、いわゆる川島コメディである。しゃれた音のセンスで、背後にちらほらと、ふざけたように聞こえてくる動物の鳴き声や、湯島天神を歩くシ…

映画感想「複製された男」

久しぶりに、かなりなシュールな映画を見ました。 煙るような町、どこか、黄色がかっていて、映像の色調も少し、色合いをそぎ落としたようなカラーで描かれる。映画はおなかの大きい一人の全裸の女性がベッドでこちらを振り返っているカットから始まる。続い…

映画感想「俺たちに明日はない」

ほぼ30年ぶりの見直しであるが、やっぱり名作というのは、寒気がするほどにすばらしい。タイトルの出し方からエンドクレジットまでが、まるで一瞬の夢のように駆け抜けていくリズム感がある。これはもう、アーサー・ペンの演出力、ウォーレン・ビーティや…

映画感想「眠れる美女」「エンリコ四世」「思い出のマーニー」

「眠れる美女」 マルコ・ベロッキオ監督作品。と思って、見に行ったのだが、昨年見た作品だった。久しぶりに二重鑑賞。洋画ではあまりないのだが、油断してしまった。しかし、前回みたときも、ちょっと眠かったので、しっかり見直すことができてよかった。そ…

映画感想「マイ・ブラザー哀しみの銃弾」「ママはレスリング・クィー

「マイブラザー 哀しみの銃弾」 監督のギヨーム・カネが自ら出演した作品を英語でリメイクした一本。二時間を超える作品で、その時間分に長さを感じてしまう映画だった。物語のプロットが、どれもほぼ同じ尺で描かれていくために、全体のストーリーのバラン…

映画感想「リアリティのダンス」

アレハンドロ・ホドロフスキー監督23年ぶりの新作、これは全く変態映画だった。物語はサーカスのシーンに始まる。テンポのよい音楽、サイケデリックな色彩、そして登場するのが金髪の少年、ホドロフスキー監督の少年時代の姿である。例によって、シュール…

映画感想「ニッポン無責任時代」「マレフィセント」「ポケットの中の

「ニッポン無責任時代」 映画産業華やかなりし頃の、典型的なプログラムピクチャーですが、特筆するのは、エピソードが、次々と機関銃のようにオーバーラップして駆け抜けていく、ストーリー構成のおもしろさです。たわいのない話で、なにがどうということは…

映画感想「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」

「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」 非常に丁寧に演出され、画面にもこだわった好感の持てる秀作でした。なんといっても、本物のドイツの人気ヴァイオリニストデビッド・ギャレットを主役のパガニーニ役に抜擢したために、演奏シーンがすばらしい。…

映画感想「ダイバージェント」「ジゴロ・イン・ニューヨーク」

「ダイバージェント」 だらだらとした物語に、メリハリのないストーリー展開、しかも二時間半ほどあるのだから、もう参ったというほかない。典型的なB級SF大作の駄作。まぁ、この手のSF映画は、出来不出来かかわらず見に行くのだから、結果として残念だ…

映画感想「オール・ユー・ニード・イズ・キル」

単純に面白い映画でした。めまぐるしいほどにストーリー展開が速いし、非常にシンプルなので、あまりこだわらずに見れる。それに、特に映像に凝ったことをするでもなく、CGシーンも今時なら普通かなという感じの映像でもあるから、繰り返される主人公ケイ…

映画感想「眠る男」「埋もれ木」

「眠る男」 非常にクオリティも高いし、画面も実に美しいが、いかんせん、淡々とした物語があるようなないような前衛的な作品で、正直最初から最後まで、眠気が消えることがなかった。映画は、夜の闇に浮かぶ一軒の家、月のように丸い明かりをバックに一人の…

映画感想「泥の河」「伽倻子のために」「死の棘」

「泥の河」 30年ぶりに見直したが、やはり、初めてみたときと変わらない感動が、じわっと心にしみてくる。本当にこれは名作だなとあらためて思いました。モノクロームでつづる、いわば底辺に近い人々の物語。昭和31年、まだまだ戦争に対する悲哀が世の中…

映画感想「チャイナタウン」

見逃していた作品を「午前10時の映画祭」でみることができた。ご存じ、ロマン・ポランスキー監督の名作の一本。ジャック・ニコルソン全盛期のサスペンスミステリーである。映画は、警察を辞めて私立探偵をしている主人公ジェイクの事務所で、浮気調査をし…

映画感想「私の、息子」「サクリファイス」

「私の、息子」 全体に重苦しいほどの心理ドラマでありながら、にじみ出てくる、母の愛、子供の苦悩という、当たり前の心の物語が、ひしひしとこちらに伝わってくる、なかなかの秀作だった。手持ちカメラを中心に、右に左にと人物の会話をとらえていく。それ…

映画感想「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」

ケネディ大統領狙撃事件から四日間を描くドキュメンタリータッチの人間ドラマ。細かく編集された、緊張感あふれる映像と、実写フィルムを交えた、リアリティの組み合わせがなかなか見事な秀作でした。題名に使われるパークランドというのは、狙撃されたケネ…

映画感想「インベーダー・ミッション」「あいときぼうのまち」

「インベーダー・ミッション」 題名からして、B級のSFミステリーかと思っていたら、これが全然違う。イラク戦争を背景にした戦争ミステリーだった。物語は2004年イラクに始まる。軍医として従軍しているスペイン軍の大尉パブロと相棒のディアゴ。ある…

映画感想「吸血蛾」

脚本家小国英雄特集の一本。ご存じ、金田一耕助が活躍する横溝正史原作の映画化である。全く、それぞれのエピソードが散逸しているという感じの支離滅裂なストーリー展開で、確かに、どろどろした殺人事件の物語なのだが、いったい何なのかわからないような…

映画感想「her世界でひとつの彼女」「オールド・ボーイ(米国版)

「her世界でひとつの彼女」 とってもファンタジックで、洒落た映像ででつづる、近未来のラブストーリー。今時といえる感じのオリジナリティあふれる作品ですが、なんといっても、その映像の美しさは特筆ものでした。映画は、主人公セオドアが真正面にこち…