くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」

kurawan2014-07-07

ケネディ大統領狙撃事件から四日間を描くドキュメンタリータッチの人間ドラマ。細かく編集された、緊張感あふれる映像と、実写フィルムを交えた、リアリティの組み合わせがなかなか見事な秀作でした。

題名に使われるパークランドというのは、狙撃されたケネディ大統領が運び込まれた病院、そして、犯人として逮捕されたオズワルドが狙撃され運び込まれた病院の名前である。

物語は、テキサス州ダラスに、ケネディ大統領がやってくるということで沸き上がる町の人々のシーンから始まる。その様子を見つめるパークランドの病院、地元警察、シークレットサービスFBI支局、そして、この様子を是非フィルムにとらえようとし、8ミリカメラを構える男のショットへ移っていく。

いよいよ大統領の車が近づく、舞い上がるほどに興奮するカメラの男、しかし、直後、銃声。こうしてこの映画は幕を開けるが、この後は、それぞれ関わった人々へ次々とシーンが移っては切り替わるというスピーディな展開となる。

どの一人に焦点を向けるというわけでもなく、運び込まれた病院の医師、撮影した男、FBI支局の人間、30年間シークレットさビスをしてきた男、さらには、オズワルドの兄、母へと焦点は移る物の、そのどれもこの作品の監督やスタッフの見解は挟まれない。

あくまで、史実を事実として丁寧に、ストレートに映像にしていくリアリティにこだわった作品で、その意味で、異常なほどに緊張感が伝わるし、感情的に、偉大な人物の死にに引き込まれてしまうのである。そして、この映像の中に、何らかの真実が潜んでいるとか、そういう邪推など排除してしまうほどの迫力に、みた後の充実感はただ者ではない一本でした。