2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「ベテラン」 韓国映画は基本見ないのですが、あまりの時間が空いてしまったので見に行きました。監督は「ベルリンファイル」のリュ・スンワンです。韓国映画という大きなマイナス点を除くと、結構面白かった。汚れた警察内部、正義感あふれる熱血刑事、悪徳…
「エージェント・ウルトラ」 アイデアは面白いはずなのですが、宣伝フィルムを見た時の危惧が現実になったという感じでした。つまり、物語のとっかかりは良いのですが、そのあとの展開に面白みがないという感じなのです。監督はニマ・ヌリザデという人です。…
「四十八歳の抵抗」 吉村公三郎監督、新藤兼人脚本ということだと、かなりの期待で見ましたが、なんのことはない、ホームドラマを仰々しく作ったという感じの一本で、導入部のちょっとブラックな空気が後半、どんどん薄れていって、ラストは、音楽だけが際立…
「殺されたミンジュ」 キム・ギドク監督らしい暴力シーン連続ではあるが、今回どこか甘さが見えるのは気のせいでしょうか?一人の少女が夜の街を逃げるシーンに映画が始まり、何やら男たちが少女を追いかけ、捕まえて、あっという間に殺してしまう。そしてボ…
演技経験のない四人の女性を主演にして描く日常のさりげない風景。キネ旬のベストテンにも入賞した317分の作品を見る。監督は濱口竜介である。青空のカットから映画が始まり、六甲山の続くケーブルカーがトンネルを抜けるシーンに続く。トンネルを抜けると四…
時間つぶしに見に行ったのですが、これが意外と面白かった。2時間以上ある作品なのに、ストーリー展開がスピーディなので、飽きないのです。監督はフィリップ・シュテルツェルです。物語は「千年医師物語」というベストセラーを原作にして、その第一部が映画…
典型的なフレンチラブストーリーという感じの映画で、ある意味トリュフォーを思い出させると言えなくもないのですが、展開が淡々としている風が拭えなくて、正直、終盤はしんどかった。監督はアルノー・デプレシャンである。映画は、主人公ポールがパリに戻…
「の、ようなもの のようなもの」 森田芳光監督の名作「の、ようなもの」のその後を描いた物語ですが、そのオリジナルを見ていないのが悔しい。映画は、とにかく、ほのぼのしたムードと、亡き森田芳光監督への思いがひしひしと伝わってくる作品で、出来栄え…
「鉄砲伝来記」 若尾文子アンコールの一本、監督は森一生。とにかく大映末期のゆるゆるの歴史悲恋物語。これでもかというほどにくどい展開なので、一体何時間の映画かと思うほど長く感じた。種子島にポルトガルの船が流れ着くところから物語が始まり、その船…
「消えた声が、その名を呼ぶ」 解説にも書かれているが、西部劇のような感じの作品でした。家族と引き離された主人公が、放浪の果てに娘と再会する物語は、とても舞台が中近東とは思えません。荒涼とした大地の場面、ところどころに難民のように固まるテント…
古き良きアメリカ映画の名作。グレン・ミラーの若き日からやがて曲がヒットし、結婚し、世界的にメジャーとなり、第二次大戦出征から死までを描いている。監督はアンソニー・マン。質屋にトロンボーンを受けだしにいくグレン・ミラーの若き日の姿から映画が…
「ピンクとグレー」 面白いかなと期待半分で見に行ったが、終盤に近づくにつれて眠くなる。原作を大幅に改編して映画にしたというから、どれほどのものかと思ったが、ストーリーをこねただけのレベルで終わったという感じでした。ラストの感動も伝わりきらな…
「クリムゾン・ピーク」 ギレルモ・デル・トロ監督が描くゴシック・ホラーである。 冬になると赤い粘土質の土が雪原を染めて、まるで真紅の平原のようになるクリムゾン・ピークという自然が覆う土地を舞台にした物語ですが、映像の美しさ、セットの見事さ、…
「人生の約束」 良質の一本という感じの作品で、オーソドックスな演出で、古風なドラマが展開する人間ドラマでした。監督はテレビ界の巨匠石橋冠、初劇場映画である。まぁ、特に秀でたものも見られないが、丁寧に描かれていくシンプルなドラマながら、しっか…
「ヴィオレットーある作家の肖像―」 どんどんと音を立てながら歩き、ヒステリックに、そして異常な嫉妬心をむき出しにして喚き散らす主人公ヴィオレットの姿は、ただの神経過敏な異常女にしか見えない。そんな前半部分は、ひたすらしんどい。監督はマルタン…
「イット・フォローズ」 斬新なアイデアと映像で話題になたホラー映画ということで、ホラー大好きな私は、ワクワクして見に行った。確かに、アイデアは面白いし、前半はとにかく怖い。しかし中盤から後半になると、結末がどうなるのかというサスペンスを求め…
「スリーピング・ボイス 沈黙の叫び」 ものすごい緊張感の映画である。ほんの一言口を開いただけで、罪のない身で収監されてしまう世情の中で、登場人物は、ひたすら言葉を発する。その姿をカメラがねっとりと離れることなく捉えるので、画面から目を離せな…
「COMET/コメット」 おもしろい物語だし、独特の感性で作られる映像は、ある意味かなりオリジナリティのある映画なのだが、いかんせん、素人っぽく見えるのと、ストーリーテリングの整理が良くないので、非常に安っぽく見えてしまったのが残念。監督はサム・…
予想していた以上に素晴らしいクオリティを備えた作品でした。いや、傑作と呼ぶべき一本でした。監督はアブデラマン・シサコという人です。解説では、西アフリカの平和な国に、イスラム過激派がやってきて支配し、何もかもが覆されてしまうという内容になっ…
明らかに、井上ひさし原作黒木和雄監督の傑作「父と暮せば」をモチーフにした作品である。舞台を長崎に移し、父と娘ではなく母と息子に入れ替えている。この内容を見ただけでもげんなりするので、見に行くつもりはなかった。それほどファンでもない山田洋次…