くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「テラフォーマーズ」

「テラフォーマーズ」 こんなぶっ飛んだ原作コミックを映画にしようなんていうのは三池崇史監督しかいないだろうなと思う。とにかく、荒唐無稽なストーリーを最も普通に演出しすぎて、いつもの三池のぶっ飛び感が物足りなかったという出来栄えの映画だった。…

映画感想「ガラスの墓標」「生き残った者の掟」「殺られる」

「ガラスの墓標」 フランスフィルムノワール作品で、カラー映画である。全体の展開はフィルムノワールというよりも官能的なアクション映画という感じが強く、しかもB級映画くささが散りばめられた一本でした。正直、話がよくわからないほどに展開が雑だった…

映画感想「フィフス・ウェイブ」

「フィフス・ウェイブ」 クロエ・グレース・モレッツ主演の映画で、彼女を見るためだけに見に行った作品なので、構わないのですが、まぁ、普通の映画でした。SFということですが、冒頭の場面でその特撮的なものは全て終わるし、後は、ひたすらせせこましい空…

映画感想「風のある道」「マンハント」「最後の切り札」「緋色の街

「風のある道」 川端康成原作であるがあ、いかにも日活青春映画という感じの仕上げが施されているのは、どこか懐かしささえ覚えてしまう一本。でも、この空気がたまらなく心地いいし、映画としての出来栄えはなかなかのものだった気もします。監督は西河克己…

映画感想「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」「COP CAR コッ

「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」 これは見事な映画でした。卓越した編集テクニックと、映像と音をオーバーラップさせたハイテンポな演出が見事な一本、映画というものを堪能させてくれる傑作だったと思います。監督はポール・アンドリュー・ウィ…

映画感想「孤独のススメ」「太陽」

「孤独のススメ」 非常に落ち着いた黄緑と、クリームイエローを基調にした映像と、淡々と展開する物語の背後にあるなんとも言えない悲しみ、そして、そこからの立ち直りの物語は、なかなか見応えがあるし、胸が熱くなりました。ちょっとした佳作です。監督は…

映画感想「レヴェナント 蘇えりし者」「暗黒街の弾痕」「ビッグ・ヒ

「レヴェナント 蘇えりし者」 レオナルド・ディカプリオがようやく、アカデミー主演男優賞を受賞した作品。監督はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥである。広角レンズを多用し、自然の光だけで描くエマニュエル・ルベツキのカメラもさることながら、…

映画感想「獣は月夜に夢を見る」「シェーン」(デジタルリマスター版)

「獣は月夜に夢を見る」 「ぼくのエリ200歳の少女」と似たような題材の映画だろうと思ってみたが、確かに、パターンは似ているが、ちょっと違う。正直、普通のホラーファンタジーという感じの一本でした。監督はコンス・アレクサンダー・アーンビーという人…

映画感想「光りの墓」「スポットライト 世紀のスクープ」「さざなみ

「光りの墓」 地味な映画です。退屈かそうでないかと言われれば退屈な映画です。監督はアピチャッポン・ウィーラセタクン。前作は全くわけのわからないままで感性の映画だと思いましたが、今回も、そういう感じの感想です。映像が映されるままに感じ取る映画…

映画感想「グランドフィナーレ」「国境事件」「ボディガード」

「グランドフィナーレ」 パオロ・ソレンティーノ監督の感性が生み出す心象世界で描く一人の男の再生の物語。その映像感性の素晴らしさ、音楽感性の見事さは、前作同様見事なものであるが、淡々と語られるストーリーはさすがに、しんどい面もないわけではない…

映画感想「結婚相談」「深夜の歌声」「ヒッチ・ハイカー」

「結婚相談」 芦川いづみ特集の一本、監督は中平康である。とにかく、本筋が見えないめくるめくような妙な映画でしたが、なかなか面白かった。主人公島子がいよいよ30歳になったとつぶやくシーンから映画が始まる。続いて、結婚式の集合写真、結婚行進曲、タ…

映画感想「地上最大のショウ」「チャンピオン」「湖中の女」

「地上最大のショウ」 テレビでしか見ていなかった名作であるが、こんなにすごい映画だったのかとあっけにとられてしまった。いうまでもなく、監督は全盛期のセシル・B・デミルである。豪華で壮大なサーカスシーンを全編に展開しながら、隅々に人間ドラマ、…

映画感想「ミラクル・ニール!」「モヒカン故郷に帰る」「深夜の告白

「ミラクル・ニール!」 万能の力を得た主人公のドタバタ劇を描いた作品ですが、ひたすらドタバタの連続で、何がという中心の物語もないので、全体が散漫になって、面白いというより、ただふざけていく映画かなという流れで終わった感じです。もう少し、力を…

映画感想「ボーダーライン」「郵便配達は二度ベルを鳴らす」「拳銃貸

「ボーダーライン」 全編、全く途切れることのない緊張感に包まれたアクション映画の傑作。少々物語は複雑に二転三転していくものの、その混乱をものともしない重厚なドラマ展開は、スクリーンに釘付けにされます。監督はドゥニ・ビルヌーブです。FBIとSWAT…

映画感想「硝子のジョニー 野獣のように見えて」「恐怖のまわり道」

「硝子のジョニー 野獣のように見えて」 芦川いづみ特集の一本。蔵原惟繕監督のアクション映画の代表作である。単純なアクションというより、一人の女性を通じて二人の男が生身の女性に惚れていくというようなどこか魅了される秀作でした。稚内の貧しい漁村…

映画感想「恋におちて」「ルーム」

「恋におちて」 30年ぶりくらいに見直したメリル・ストリープとロバート・デ・ニーロのラブストーリー、監督はウール・グロスバード。初めて見たときも、それほど印象に残った映画ではないが、当然であろう。大人のラブストーリーで、物語というほどのものは…

映画感想「のぞきめ」「あやしい彼女」

「のぞきめ」 久しぶりにお金を捨てたような映画に出会いました。とにかく、テレビドラマでももう少しマシなものができるだろうにと思う一本。始まった途端板野友美の棒読み下手くそ演技に完全にノックアウトされ、そのあとの適当すぎるストーリー展開に唖然…

映画感想「母よ、」「父を探して」「最高の花婿」

「母よ、」 ナンニ・モレッティ監督の人生ドラマの秀作、見事なストーリー構成と、どんどん胸に迫ってくる作劇のうまさに思わず引き込まれ、気がついたら、胸が熱くなっていました。半ば監督の自叙伝的な作品らしく、いたるところにナンニ・モレッティが見え…

映画感想「東京の孤独」

「東京の孤独」 芦川いづみ特集上映の一本。本当にたわいのない映画で、誰が主人公かと思ってしまう物語ですが、やはりこのころの映画は安心してみていられる安定感があります。監督は井上梅次です。物語は、プロ野球の世界でしのぎを削る二つのチームの監督…

映画感想「LOVE 3D」「蜜のあわれ」

「LOVE 3D」 何で3Dなの?という感じの映画です。もちろん、いかにも3Dを意識したこちらに向かうイチモツなどのカットはあるし、画面の構図が一点通しだし、延々とカメラが人物を追いかけ、一瞬の暗転で背後の景色や場面が変わるという演出がなされている。…