一本の映画として楽しんでください。
当初、一本であったVol・1とVol・2、前者がとにかくアクションとエンターテインメント、後者がこの作品のテーマの表現。
その意味で、今回のVol・2は前作のようなアクションや立ち回りを期待すると、期待はずれになるかもしれません。
今回の作品がR指定ではないことからもわかるかと思いますが、前作のようなグロテスクなシーンはでてきません。
全体で見るとさすがにタランティーノ映画。見事なまでに映画の演出を知り尽くした作品になっています。
タランティーノ映画独特の時間の使い方、過去現代を交錯させながらも、観客を混乱させないカットバックの挿入のうまさ。ほんとに恐れ入ります。
一本の作品としてみてほしいというのは、今回のVol・2にはVol・1で活躍したルーシー・リューやソニー千葉、栗山千明などは全然顔を出さないからです。
前作であまりにも強烈に印象づけた登場人物が、全く顔を出さないのは、ちょっと寂しいのですが、一本の作品として考えると納得します。
とはいえ、テーマ表現を全面に出してくるので、やや理屈が多くてセリフ過多になっている向きもありますが、もう少しテンポのあるシーンを増やしてほしいと思ったのは贅沢でしょうかね。
前作がグロテスクすぎるのは今回の作品と合わせて一本の映画だからでしょう。
二本を一本にして考えると、バランスも取れていて、まとまってきますからね。
良い映画でしたよ・・・