くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「いぬやしき」

kurawan2018-04-21

普通に面白い娯楽映画。特に斬新と思うほどの映像演出も見られなかったし、今更珍しくもないCG映像も秀でたものはなく、でもまぁまぁ純粋に楽しめたからいいのではないかという映画でした。監督は佐藤信介。

定年間近のサラリーマン犬屋敷壱郎のいかにもお荷物だといわんばかりの会社での描写、家庭での疎外感から映画が始まる。ある夜、迷い犬を拾い、それを捨てるように妻に言われ公園に行くと一人の高校生がぼんやり座っていた。と、次の瞬間まぶしい光が二人の目の前に笑われ、何かの衝撃の後われに返る。

犬屋敷が家に帰る。そしていつものように味噌汁を飲み自室へ戻るが、突然腕が開いて味噌汁が噴き出す。何か違和感を感じた犬屋敷が体のあちこちを触ると次々と体の中の機械が表に出る。どうやら彼は人間ではなくサイボーグになったらしい。さて、誰が何故というのは全くない。おそらく、公園で光に遭遇したからだろうと理解する。しかも、たまたま病院で昏睡状態の少年を何やら念力のような力で直してしまう。

ここに一人の引きこもりの高校生安堂がいる。彼の友人獅子神がやってくる。面白いものを見せると、ゆびでっぽうを作り鳥に向かってバンとやると鳥が落ちる。さらに学校へ行き、安藤に絡む生徒の腕を握るだけで怪力を見せる。どうやら彼もまたサイボーグになったようだ。彼は、女を作り家を出た父親との面会をした夜、幸せそうな家庭を見つけ、思わずゆびでっぽうでその家族を殺してしまう。

やがて、警察は獅子神を指名手配するが、ネット上で次々と炎上、愛する母親までネット上の無責任な投稿からマスコミの取材攻めにあい自殺してしまう。獅子神はネットの画面を通じてゆびでっぽうで次々と殺戮を始める。さらに、この世界の人々を倒すために様々な画面から人を殺戮していく。

獅子神の行動を止めるべく、犬屋敷と安藤は獅子神に立ち向かっていく。背中からロケットエンジンが飛び出し、東京のビル群の中を飛び回る空中戦が見せ場になるが、今更珍しいシーンでもなく、おじさんと高校生のバトル戦という構図が奇妙な程度であるが、なかなか迫力もあり楽しい。

結局、犬屋敷が獅子神を倒し、平穏な家庭のシーンになる。以前と変わらず獅子神は家庭でも居場所はないのだが、唯一、娘だけ、たまたまバトル戦の時に都庁の見学に来ていて、巻き込まれ、危うく命をなくすところを犬屋敷に助けられたので、正体を知っているので、見る目が変わっている。

安堂が家に帰ると、以前と同じくそこに獅子神がいて、実は死んでいないことがわかるが、ふと目を離したすきに消えてしまう。幻だったのかは人それぞれの理解に任せる感じで映画は終わる。

ビル群の中の空中戦は「スパイダーマン」のシリーズによく登場するが、やはり、見せ方というのは大事だと思う。結局、なんでこんな人間兵器のようなサイボーグに変えたのか、なぜ、超人的な治癒力も備わっているのかなどの謎は後回しで娯楽に徹した作品になっているのは良いかなと思いますが、それ以上のものではなかったです。佐藤健木梨憲武以外ん脇役が今一つ際立たなかったのが映画が今一つになった原因ではないでしょうか