くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ランジェ公爵婦人」

バルザックの原作を映像化した作品ということだったので、覚悟はしていたが、正直かなり退屈な映画でした。 延々と、なるようでならない恋の物語が、繰り返されるせりふの数々で舞台劇のごとく展開する様はしんどいの一言につきる。もちろん、ジャック・リヴ…

映画感想「樺太1945年夏 氷雪の門」「ラブコメ」

「樺太1945年夏 氷雪の門」 いわずとしれた第二次大戦直後、すでに終戦していたにも関わらず樺太侵攻してきたソ連軍の銃火の中、最後まで電話交換局を守った9人の女性交換手の壮絶な最後の物語である。制作当時1974年、超大作として完成しながらも…

映画感想「恋愛戯曲〜私と恋におちてください〜」

監督が鴻上尚史なので、もう少し独創的な映像化と思いましたが、これといってとり当てるほどでもないたわいのない映画でした。もともと鴻上尚史さんのオリジナル戯曲なので舞台の面白さはいかほどかなんともいえないのですが、あえて、映像にするにあたって…

映画感想「君に届け」

映画が始まったとたんに、全編切ないラブストーリーが始まる。やるせなくて、どうしていいかわからないもどかしさが多部未華子扮する爽子と三浦春馬扮する翔太との間で展開する。 誰もが、ほんの一昔前に、経験した切ない高校時代の恋の思い出が次々とストー…

映画感想「メッセージ そして、愛が残る」

映画が始まると一羽の白鳥が湖を飛び立とうとするショット、カメラは一人の少女の姿、湖の桟橋をこちらへかけてくるかと思うと突然底がはずれてかろうじて開いた穴にしがみつく、そこへ少年時代のネイサンが駆け寄るが少女はママを呼んでと叫ぶ。その声で一…

映画感想「ミックマック」

ジャン=ピエール・ジュネ監督のファンタジックな反戦映画というべき一本を見る。例によってあの独特の映像感覚、色彩感覚、画面構図に引き込まれてしまう。まるで現実がおとぎ話になる瞬間を味わうのに十分なシュールで独創的な画面はさすがに何度見ても魅…

映画感想「彼女が消えた浜辺」

ベルリン映画祭で監督賞を受賞した話題のイラン映画。エリという一人の女性が姿を消したことから巻き起こる心理サスペンスを淡々と描いていく。手持ちカメラを中心にしたカメラ演出と、次々と登場人物たちが繰り返す会話のうねりの中で進んでいく物語、抑揚…

映画感想「BECK」

この手の映画が好きではない上に、これといって好きな俳優も出ていない。もう見に行くまいという予定でしたが、あまりにヒットしているのと、特に見る映画もなかったので、一応堤幸彦監督のファンでもあるので見に行きました。145分という長尺、とにかく…

映画感想「セラフィーヌの庭」

少し、知能が遅れているものの、純粋に自然を観察し、天使の名を受け個性的な絵を描いた画家セルフィーヌの半生を描いた作品。映画としては取り立てて優れたところもない凡作という感想ですが、フランスセザール賞7部門独占の作品ということです。ただセラ…

映画感想「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」

1981年、ソ連を崩壊の危機に導くきっかけとなったスパイ事件が起こる。その名は「フェアウェル事件」。そのスパイ事件を元に、その事件に関わったソビエトのKGB高官グリゴリエフ大佐と彼の情報をフランスへ受け渡す役割を担ったソ連在住のフランスの…

映画感想「ハロルドとモード」「バード★シット」

「ハロルドとモード少年は虹を渡る」 ファンタジックなラブストーリーです。熱狂的なファンがいるというハル・アシュビー監督の名作をみてきました。タイトルが始まるとバック映像に、なにやら青年らしい人物の下半身。ゆっくりと歩いてきてピアノの近くへき…

映画感想「ミレニアム2火と戯れる女」「終着駅トルストイ最後の旅」

「ミレニアム2火と戯れる女」 前作同様濃厚なミステリーなので片時も物語から目を離せない緊迫感があります。 今回は、登場人物に説明のロゴが入るので、最初の部分の人物紹介は非常にスムーズにはいることができました。物語は、前作で姿を消したリスペッ…

映画感想「ブリット」

はじめて見たのが30年前とはいえ、ほとんど物語の記憶がなかったのは、非常に複雑に入り込んだ展開だったためだろう。 映画が始まると魚眼レンズのようなガラスに男たちが映っている。そしてタイトルがかぶりながら、一人の男がシンジケートから金を横領す…

映画感想「シルビアのいる街で」

話題作であるが、なんと関西では七芸でした上映されない。 物語はほとんどない。主人公が町にで人間観察をする様子が延々とスクリーンに映される。そして、出会ったシルビアという女性の後を付け、ベッドインし、また町にでて観察をするという展開。正直、退…

映画感想「悪人」

まれに見る傑作、そう呼んで間違いのない作品でした。見終わった後「告白」が衝撃であったのに対し、この「悪人」は隙のない充実感に浸りました。 原作を読んでいないので何ともいえませんが、おそらく原作の味を完璧に映像に変換した作品だと思います。小説…

映画感想「小さな村の小さなダンサー」「トイレット」

「小さな村の小さなダンサー」 中国で実在した世界的なダンサー、リー・ツンシンの半生を描いた実話であるが、ストーリー展開の見事さ、フィクションとノンフィクションの微妙な融合の面白さで素直に感動してしまいました。監督は「ドライビング Miss デイジ…

映画感想「ハナミズキ」

今時珍しい職人監督として、「いま会いにゆきます」以来私が好きな土井裕泰監督作品なので見にいきました。 もちろん新垣結衣も嫌いではありませんが、それ以上に好きなのはわき役の蓮佛美沙子ちゃん。この手の映画に作品の出来ばえなどを述べるのは野暮な話…

映画感想「女王蜂の怒り」「黄線地帯イエローライン」

「女王蜂の怒り」 典型的なアクション映画であり、とにかくおもしろい娯楽映画である。絶妙のタイミングで繰り出されるアクションシーンが石井輝男ワールドで、とにかくそのリズム感がうまい。さらに当時のプログラムピクチャーらしく、挿入される歌のシーン…

映画感想「徳川いれずみ師 責め地獄」「明治・大正・昭和 猟奇女犯

「徳川いれずみ師 責め地獄」 まさにカルト映画と言わしめる石井輝男作品。 物語は江戸時代、ふたりの彫物師とその周りにはびこる女たちのエログロ世界がめくるめく幻想小説のように展開する。 映画が始まると、今にも処刑される男女が貼り付けにされている…

映画感想「オカンの嫁入り」

割りと評判もいいし、大好きな宮崎あおいも出ていることだし、それで良いかと思って出かけてみたが、なんとも平凡な凡作でした。 原作があるので物語の展開やエピソードのそれぞれにどうのこうのはありませんが、それぞれの出来事を組み立てた脚本が非常に良…

映画感想「ヒックとドラゴン」「サブウェイ」

「ヒックとドラゴン」 元来3Dアニメは敬遠するのですが、余りに評判がいいので見に行きました。 そして、感動、期待を十分に満足させる傑作でした。やはりアニメはディズニーからでしょうか?監督のクリス・サンダースとディーン・ヂュボアはディズニーア…

映画感想「別れの曲」「小さな命が呼ぶとき」

「別れの曲」 ショパンのエチュード第3番は一般的に「別れの曲」という愛称がなされているが、それはこの映画でメイン曲として使われたからである。それほど音楽映画の名作としてヒットした作品ですが、今回ショパン生誕200年ということでオリジナル版の…