くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「リンダリンダリンダ」

素朴なカメラワークでほんの些細な日常の3日間を切り取ったような物語。監督は山下敦弘です。とある地方の高校の文化祭を舞台にまるでふつうに流れている時間の一瞬をとらえ、リアリティと言うより若さあふれる勢いが吹き出してくるような迫力で一気に突っ…

映画感想「NINIFUNI」「生きてるものはいないのか」「ヤング

「NINIFUNI」 「イエロー・キッド」の真利子哲也監督の中編作品です。ドキュメントタッチのちょっとフィクションな映画である。幹線沿いの歩道を二人の若者が歩いている姿を背後から手持ちカメラでとらえる映像から映画が始まる。そして、そのままと…

映画感想「レスラーと道化師」「帽子箱を持った少女」「ヴァンダの部

「レスラーと道化師」 ロシアの映画監督でエイゼンシュテインと同時代のボリス・バルネット監督傑作選を見てきました。まだレスリングがサーカスのだしものであった時代のおはなしということですが、そんな時代も知らない私には何ともコメントできません。で…

映画感想「顔のないスパイ」「アフロ田中」

「顔のないスパイ」 ミステリーのおもしろさもさることながら、非常に良質な人間ドラマとしても出色の出来映えの秀作でした。特にさりげなくとらえるカメラ映像が美しいし、色彩にこだわった画面づくりも好感、さらに無駄な演出を施さずシャープで切れのいい…

映画感想「メランコリア」「ビーストリー」

「メランコリア」 世界終末を描くラース・フォン・トリアー監督の話題作である。人間の内面世界に焦点を合わせたストーリー展開と映像表現にはさすがに一種シュールな世界が存在するので考えようによってはかなり難解といえば難解ですね。映画が始まると女性…

映画感想「人生はビギナーズ」「アニマル・キングダム」

「人生はビギナーズ」 ちょっと個性的でしゃれた映画でした。母に先立たれた父ハル(クリストファー・プラマー)。五年後息子のオリヴァー(ユアン・マクレガー)に自分はゲイだと告白して新たな人生を歩み出す。一方のオリヴァーは何事も不器用で、すでに3…

映画感想『ウタヒメ」「セイジ−陸の魚」

「ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター」 期待もしていない映画で、これといって好きな女優さんもでていない。というかどっちかというと好きではない女優さんがでている?映画なのですが、ちょうど時間がうまくあったので見に行きました。と…

映画感想「ネムリユスリカ」

海外のローカルな映画祭で絶賛されたという話題作。であるが、こういう映画が評価される環境があるのはある意味いったいどうなっているのかと思えなくもない。間延びした脚本と無駄なカットの連続でつづるだらだらとした映像。確かに夜景をバックにした橋の…

映画感想「ものすごくうるさくてありえないほど近い」

すばらしい作品に出会いました。作品の完成度の高さでは今年見たうちではいまのところダントツかもしれません。監督は「リトル・ダンサー」などのスティーヴン・ダルドリー。 アメリカの9.11事件を扱った原作小説の映画化ですが、なんといってもエリック・…

映画感想[TIME/タイム」「逆転裁判」

「TIME/タイム」 ファンの多いSF映画「ガタカ」のアンドリュー・ニコル監督、しかも大好きなアマンダ・セイフライド出演のちょっと期待のSF映画でした。遺伝子操作で人間の寿命が25歳から進むことがない未来。しかも、金の代わりに時間がその裕福…

映画感想「グッド・ドクター 禁断のカルテ」「マシンガン・プリーチ

「グッド・ドクター禁断のカルテ」 期待はしていなかったが、その通りの映画だったのはちょっと寂しいほどでした。凡作というのがぴったり当てはまるつまらない映画だった。オーランド・ブルームももうちょっといい映画にでてほしいですね。マーティン医師は…

映画感想「キツツキと雨」

「南極料理人」の沖田修一監督作品であるが、なんともゆるい。全体にスローテンポで淡々と描こうとしているのはわかるのですが、非常にリズムが間延びしているだけでゆるゆると流れていく。とく導入部が実に無駄に思えるカットが多すぎてまず物語に引き込んで…

映画感想「裸足のピクニック」

ピアフィルムフェスティバルが資金協力し将来有望と目される監督を助成した運動の一環で制作された作品で、矢口史靖監督の長編デビュー作である。すっかり京都歴史博物館にはまってしまって、またまた出かけました。一般商業映画とは一線を隔している作品な…

映画感想「サウダーヂ」

キネマ旬報六位という評価のみで見に出かけた。正直、好みのジャンルの映画ではないことはわかっていたからです。第一印象、ウザイ映画でした。この言葉がぴったりなのです。とはいっても駄作ではなかった。もしこの監督が普通の商業映画を作ればそこそこお…

映画感想「ドラゴン・タトゥの女」

2009年のオリジナルスウェーデン版もなかなか面白かったが、ストーリーが凝縮されているという感じで北欧の冷たい重苦しい感じと重なって独特の作品に仕上がって、正直しんどいほどの疲れを感じた。しかし、今回、さすがにデヴィッド・フィンチャー監督…

映画感想「シコふんじゃった。」

いままで、相当に映画を見てきましたが何本か見逃している作品があるのです。そして、その一本がこの作品です。周防正行監督の初期の作品で、あまりホール上映も見かけないと思っていたら大映作品でした。今回京都歴史博物館で見る機会があったので遠路でか…

映画感想「吉祥寺の朝日奈くん」

中田永一原作の恋愛小説を加藤章一が初監督作品して映画化した一本。普通なら見ていないかもしれない作品ですが、たまたま時間が合いたので出かけました。とにかく、すごくチャーミングな人妻役山田真野を演じた星野真里が抜群に良い。本当にかわいくてすて…

映画感想「不惑のアダージョ」

非常に小振りな作品ですが、なかなかの秀作でした。映像にリズムを作り出すということの意味が理解できている監督さんだと思います。一見、シリアスな内容なのに躍動、感あふれる画面がスクリーンに展開する。それは単なる映像面のみならず主人公の心の躍動…

映画感想「ハンター」「東京プレイボーイクラブ」

「ハンター」 少々押しつけがましいところがないわけではありませんが、どこか妙に心に訴えかけてくる良質の作品でした。ラストで絶滅したといわれるタスマニアタイガーがじっと振り返って寂しそうに訴える視線が何ともいえないほどにもの悲しくて切ない。パ…

映画感想「荒川アンダーザブリッジ」「ペントハウス」

「荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」 この手の映画は時々驚くほどに自分好みの映画に出会うことがあるから見逃せない。そして、そのラッキーな出会いをしました。とっても奇想天外な世界観ですが、すごく感動してとってもハッピーになってしまいま…

映画感想「歴史は女で作られる」「ブリューゲルの動く絵」

「歴史は女で作られる」(デジタル・リマスター完全復元版) フランスの巨匠マックス・オフュルスの遺作であり、公開当時の不評から幻の傑作と呼ばれていた一品で、今回デジタルリマスター完全復元版としてよみがえった映画です。実在の美貌の踊り子ローラ・…

映画感想「しあわせのパン」

私のような年代にとっては原田知世は未だに「時をかける少女」の芳山和子である。今回、彼女を見るためだけに出かけたような映画でしたが、思いの外癒されてしまいました。北海道の有珠にある月浦を舞台にファンタジックな物語が展開する「しあわせのパン」…