くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官 REIJI」

ばかばかしくて、やってられない二時間あまり。そんな何でもありの、思いつき映画は、さすがクドカンの脚本と三池の演出だけのことはある。なにがなにやら、どうでもよい展開と、リアリティなんてぶっ飛んでしまうエピソードの数々にあっけにとられる。単純…

映画感想「旅人は夢を奏でる」「はじまりは5つ星ホテルから」

「旅人は夢を奏でる」 アキ・カウリスマキ監督の娘ミカ・カウリスマキ監督作品で、フィンランドで大ヒットしたという一本。いよいよ、明日で閉館(梅田シネ・リーブルに引継)になる梅田ガーデンシネマに見に行きました。この映画、とってもすてきなロードム…

映画感想「ハロー!純一」「早熟のアイオワ」「ダラス・バイヤーズク

「ハロー!純一」 満島ひかり、池脇千鶴を見たいのと、「スマグラー」の石井克人監督作品なので見に行ったが、梅田ブルクは何の割引もないのが唯一の難点である。まぁ、確かに、ネットの感想そのままの惜しい一本でした。一番の残念なのが、主演の純一を演じ…

映画感想「もぐら横丁」「母のおもかげ」「エージェント・ライアン」

「もぐら横丁」 最初は、時代を感じさせる貧乏臭い話かと思うのですが、物語が進んでいくと、どんどん、せりふの掛け合いのリズムと、軽快な展開のテンポに引き込まれていく。しかも、いつになく動きの早い清水宏得意の横のパンや、縦の構図も秀逸という、コ…

映画感想「何故彼女等はそうなったか」「母を求める子ら」「キック・

「何故彼女等はそうなったか」 松山市の不良少女達の更正施設を舞台に描かれる、いわゆる施設物と呼ばれる、清水宏監督作品に頻繁にでてくる題材の物語である。メッセージ性がかなり強く、特に秀でた演出も見られない、普通の作品で、唯一ラストシーン、身売…

映画感想「ミスティック・アイズ」「MUD-マッド-」

「ミスティック・アイズ」 ベネディクト・カンパーバッチ主演で、2012年モスクワ国際映画祭で評価されたミステリー映画である。監督はディクティナ・フードという人。仲むつまじいデヴィッドとドーンの夫婦が、不妊治療の診察室でいるシーンから始まる。…

映画感想「マイ・マザー」「胸騒ぎの恋人」

「マイ・マザー」 カナダの、グザヴィエ・ドランという監督の作品で、2009年度の映画なので、9年ほど公開されていない。カンヌで三冠を達成した映像派の作品という解説である。 という知識のみで見る。主人公ユベールがひたすら母を罵倒し、それに対抗…

映画感想「エヴァの告白」「次郎物語」(清水宏監督版)

「エヴァの告白」 大好きなマリオン・コテイヤール主演というのが頼りの一本でしたが、なんとも堂々巡りの物語にぐったりしてしまいました。導入部からストーリーが外へ発展していかないために、進むかと思えば、引き戻され、結局、最初に戻るというような脚…

映画感想「17歳」「大統領の執事の涙」「ROOM 237」

「17歳」 フランソワ・オゾン監督最新作である。 昼は、女学生、夜は娼婦という顔を持つ一人の少女イザベルの揺れ動く、微妙な女心を写しだしていく作品ですが、凡作とはいかないまでも、普通の映画だったような気がします。映画は、ビキニ姿の少女イザベ…

映画感想「ラッシュ/プライドと友情」「蜂の巣の子供たち」「その後

「ラッシュ プライドと友情」 賛否が分かれているようでしたが、この映画かなりの秀作だった気がします。なんといっても、カメラのリズムが抜群にいい。細かいカットで、クローズアップ、ロングショット、ハイスピード、スローモーションなどを組み合わせ、…

映画感想「ニシノユキヒコの恋と冒険」「スノーピアサー」

「ニシノユキヒコの恋と冒険」 ゆるい、ゆるゆるの映像と、健全すぎる男と女のラブストーリー、左右対称の構図を中心にし、暖色の色彩を基調にした画面づくりが、とにかく、ほのぼのとした恋物語をスクリーンから私たちに語りかけてくれる。監督は井口奈巳と…

映画感想「母情」「抱きしめたい −真実の物語-」

「母情」 これは、なかなかの佳作でした。とにかくカメラアングルが非常に美しい。その美しい構図の合間合間に、画面奥から手前に歩いてくる人物をゆっくりとしたカメラでとらえる移動撮影、さらに、峠の道を見下ろす俯瞰のショットなど、絶妙の映像づくりは…

映画感想「しいのみ學園」「桃の花の咲く下で」「ほとりの朔子」

「しいのみ學園」 こういう子供達をとらえると、清水宏のカメラ演出は、生き生きとしてくる。物語は実に普通のお話であるが、小児麻痺で不自由な体をカバーして遊び回る姿は、みずみずしいほどに美しい。映画は、小児麻痺の子供を持つ大学の先生が、私財をな…

映画感想「泥棒成金」「アメリカン・ハッスル」「マイティ・ソー/ダ

「泥棒成金」 私のみたヒッチコック映画の中では、かなり印象の薄い一本です。特にヒッチタッチと呼ばれる独特のカメラアングルも、カメラワークもないし、お遊びも少ないというのがその原因で、ストーリーも、ちょっと切れがないというのも原因といえば原因…

映画感想「ザ・イースト」「メイジーの瞳」

「ザ・イースト」 環境破壊、薬害などを行う企業に対する、保護団体からのテロ行為に近い攻撃から、企業を守るために設立された会社に就職した主人公サラが、そのクライアントを守るために、”ザ・イースト”と呼ばれる団体に潜入するという社会派サスペンス。…

映画感想「マーニー」「母の旅路」「風の中の子供」

「マーニー」 ヒッチコックの失敗作といわれている作品ですが、ほぼ30年ぶりくらいで見直すことができた。確かに、ほかの作品ほどに強烈なラストシーンへのテンポが弱い。とはいっても、おもしろい。これが、ヒッチコック映画の魅力でしょうね。主人公マー…

映画感想「鉄くず拾いの物語」「新しき世界」「森の中の淑女たち」

「鉄くず拾いの物語」 ボスニア・ヘルツェゴビナを舞台に描かれる夫ナジフと妻セナダのシンプルなドラマである。監督はダニス・タノヴィッチ。鉄くずを拾いながら、その日暮らしに近い生活をするナジフ夫婦。ある日、セナダが腹痛を訴え、病院に行くと、流産…

映画感想「花形選手」「僕は友達が少ない」

「花形選手」 清水宏らしい軽妙な語り口で見せるコメディですが、やはり第二次大戦間近ということもあり、かなりの戦意高揚映画になっている。しかし、それは表向きで、今、改めてみると、かなりの嫌みだらけの風刺満載というのがおもしろい。やたら「勝てば…

映画感想「サヨンの鐘」「暁の合唱」「信子」「按摩と女」

「サヨンの鐘」 台湾を舞台に、李香蘭を招いて作った、いわゆる第二次大戦中の戦意高揚映画である。途中のフィルムが現存していないらしく、唐突に始まるところがないわけでもないし、ストーリー自体はたわいのない作品である。台湾、高砂族の村にすむサヨン…

映画感想「みかへりの塔」「歌女おぼえ書」

「みかへりの塔」 山村にある、様々な行動に問題のある、少年少女を収容し、矯正させている施設を舞台にした群像劇であるが、その登場人物の生き生きとした姿がすばらしい一本でした。田園の中にそびえる建物や、子供たちがかける姿、田圃で作業する様子など…