2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧
スクリーンで見たのは何十年ぶりだろうか? 初めて見たときは、見終わって涙が止まらずに立ち上がれなかった。そんな印象だけを抱いてきた映画をスクリーンで見ることができた。すでにトーキー映画が撮影されていたときに、あえてサイレントで作った、いわば…
「共犯」 不思議なくらいに整理足りない映画でした。おもしろい?ような伏線と二転三転が見えるような気がするのですが、ちゃんと組み立て切れていないのか、書いているうちに、思いついた展開に翻弄されていったのか、どうも不思議な感覚で楽しんだ映画でし…
「初春狸御殿」 こういう映画の作り方がある。徹底的にエンターテインメントに徹し、豪華絢爛というセットの数々と、次々と衣装替えする大スターの魅力。歌い踊り、ストーリーより、楽しんでもらうことを第一にした本当の娯楽映画を見た感じでした。すばらし…
「フレンチアルプスで起きたこと」 不思議な空気が漂う映画です。セオリー通りに展開するかと思うと、はぐらかすように、さらに淡々と流れる。そしてまた、先に展開するかと思うとはぐらかされる。この不可思議な感覚が、映画になる。現実的で現実的ではない…
吉本ばななの原作を映画化した作品で、原作の味ゆえか、ほのぼのした落ち着いた作品である。監督は豊島圭介。主人公まりが都会のネオンにたたずむショットから一転して、ふるさとの土肥の町にもどってくる。幼なじみとふざけあい、この寂れた港町でかき氷屋…
正直な感想、退屈な映画だった。 四隅の角をとったスタンダード画面という変形はともかく、デジタルのカメラが非常に薄っぺらい画面を作り出している。そこで展開する物語は、ストーリーと呼ぶものか、シュールな映像世界と呼ぶべきか、取り留めもない展開が…
「インサイド・ヘッド」 それほど期待もしていなかったけれど、まあその程度だったかな。ジョン・ラセターが監督ではないからかどうかは別としても、今一つ、のめり込めないディズニー映画だった。ディズニー映画ってもっと夢のあるものだったのになと思って…
「安珍と清姫」 いうまでもない、有名な娘道成寺の物語であるが、西岡義信の美術の美しさと島耕二監督の丁寧な演出、市川雷蔵と若尾文子主演で、 絵のように美しい立派な大人の恋物語として完成されている。物語は今更であるが、清姫が馬で駆けているシーン…
「日本のいちばん長い日」(岡本喜八監督版) 圧倒される。2時間40分があっという間に終わってしまった。まるで、終戦のその日に立ち止まっているような臨場感と緊迫感、そして、サスペンスフルなストーリー展開、迫真の登場人物の迫力、鬼気迫るリアリテ…
「アフリカの女王」 典型的なアメリカン娯楽映画で、シンプルで、まっすぐなストーリーに、絶妙の会話劇と、男臭いドラマを盛り込んで、軽いタッチで仕上げていく。監督はジョン・ヒューストン。午前10時の映画祭でみることができた。終始、主人公チャーリ…
TVシリーズの映画版、しかもほとんど期待薄なので、北川景子と松たか子を見に行っただけの映画です。 ストーリーも、展開も、TV版のスペシャルレベルで、なんのこともない。まぁ、監督が鈴木雅之だから、あの程度で楽しめたからいいかな。映画は、ネウスト…
古き良き日本の風情がにじみ出てくるような人情ドラマでした。監督は木村恵吾。東京築地の仲買人の店を舞台に、恋と親子の物語が、今となっては古くさいほどの展開で描かれていく。しかし、この懐かしい空気がなんとも癒されるのである。映画自体はそれほど…
若尾文子のスクリーンデビュー作品である。本来久我美子の予定が、急病で交代したものです。監督は小石栄一という人ですが、助監督に増村保造が名を連ねている。映画は敗戦直後の中国大陸で、取り残された日本人の女子供が、日本へ脱出するべく、新京を目指…
「リアル鬼ごっこ」 園子温監督作品でなければ見に行かない映画である。なにをどう解釈して感想を書いたらいいのかわからない映画だった。つまり、私の感性が園子温監督を理解し得ないのか、それとも、園子温がまともな人間ではないのか、なんともコメントを…
「バケモノの子」 細田守監督作品、これはよかった。ストーリーの構成といい、展開のリズムといい、ほとんど無駄のない出来映えに、オープニングからラストまで引き込まれてしまいました。もちろん、細田監督の作品は、どれも、大好きですが、初めてみた「時…
「雪の轍」 映像の美しさに、まず目を引かれる。世界遺産の町並みをとらえるオープニングから、室内の調度品の配置と、照らす明かり、その中で、繰り返される会話劇がこの映画のクオリティの高さを見せてくれます。監督はトルコの巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイラ…
「ターミネーター;新起動ジェネシス」 オリジナルがあってこその作品として完成された感じの一本だった。これまでの物語の復習のような作品で、ようするに、これまでのシリーズをリセットしますといわんばかりに映画が終わる。とはいえ、おもしろかったっか…
「孫悟空 前後編」 全く、珍品である。製作は1940年、監督は山本嘉次郎である。要するに、西遊記の話であるが、基本的な物語はそのままに、やりたい放題。レビューまがいにミュージカルのごとく「白雪姫」「ピーターパン」などディズニーの名作アニメの…
「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」 おもしろい内容だし、ワンシチュエーションで、登場人物も一人、ただ電話との会話を続けるだけ。リアルタイムの86分。確かに、この手のパターンは今までなかったわけではないが、なんだろう、もう一歩サスペンス…
「ピクニック」デジタルリマスター(ジャン・ルノワール監督版) 映画史上もっとも美しい映画として、未完成ながら語り継がれる名作。なんといっても、有名なブランコに乗る女性をカメラがしたからとらえる映像は目を見張るものがあります。流れる水面をバッ…
「悪党に粛正を」 マカロニウェスタンの秀作。とにかく、本家アメリカの西部劇ではないのだから、マカロニウェスタンと呼ぶべきだろう。とにかく、絵づくりが抜群に美しい。荒涼とした大地、ぽつんと存在する宿場町、夜の闇に走る駅馬車、ゆっくりと奥に続く…
「チャイルド44 森に消えた子供たち」 このミステリーがすごい、海外編で一位になった原作を元にしたサスペンスミステリーだが、いかんせん、重いし、シリアスがシリアスを生んで、二時間あまりがものすごく長く感じる映画でした。監督はダニエル・エスピ…
「天の茶助」 どこまで行くのか大暴走、という感じの映画。ストーリーが何の脈絡もなく、ただ、その場の勢いでどんどん膨らんでいく。本来、それはそれでおもしろいはずですが、どこか一歩引いてしまうのが物足りない映画でした。監督は、原作も書いているS…
「レフト・ビハインド」 なるほど、最悪。 要するに宗教映画だった。「ノウイング」と同じ、神の御技による罰ですよ。ということだ。映画はとにかくだらだら始まる。主人公のパイロットのレイ・スチールの娘が、父の誕生日のために戻ってくる。しかし、急な…