私たちの年代にとってはABBAは青春そのものである。したがって映画のできばえはどうであれ、あの名曲の数々をミュージカルという形で見ることができるのは本当に楽しかった。
もともとの舞台を見ていないので、映画と比べてどうだこうだとはいえないけれど、最初のシーンからラストのエンディングまでわいわいと騒々しいほどにテンポのいい場面が次々展開していく。
当然、かつて聞いたことのあるABBAの名曲ばかりだから、飽きさせられるところはほとんどありませんでした。
個々に、難点をといわれても、とにかく楽しめるエンターテインメントなのです。
男優陣の歌が下手だとかおっしゃる人もいますが、私はそれほど気になりませんでした。
主要人物たちの歌やダンスよりも脇役たち、エキストラたちの歌やダンスが圧倒的にうまくすばらしい。したがって集団のダンスシーンになると、その迫力に圧倒されます。
主要登場人物で抜群だったのが、花嫁役のアマンダ・セイブリッドくらいですね。
とにかくかわいらしい上に、すばらしい歌唱力で、画面に引き込んでくれます。
その彼女の倍ほどの顔の大きさのあるメリル・ストリープは歌唱力は見事ながら、さすがにダンスシーンのきれはスローモーションを導入して、さらに抜群の演技力でカバーしているところはおみごと。
そもそも、ABBAの曲はそのハーモニックな歌声が魅力であるので、ソロで聞かせる場面は、特にずば抜けた歌唱力が要ります。しかもリズムが単調なようで微妙に凝っている為に、そのリズム感を身につけた人しか歌えない。そのために男優陣の歌が貧相に聞こえたのでしょうね。
とにかく懐かしい名曲を追いながら、わいわいがやがや、あれよあれよとエンディングに到達する楽しさは本当に特筆に価します。
ぁぁできたら舞台が見たいものです