くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ピストルオペラ」「ゼイリブ」(4Kレストア版)

ピストルオペラ

書割りの舞台劇調のセット、サイケデリックな色彩演出、ギャグかシュールかわからないカット繋ぎ、そしてアングラ劇を思わせる大胆なストーリー展開、正に清純美学満載の映画でした。話はよくわからないのですが楽しい、全編映像を楽しめる映画でした。監督は鈴木清順

 

一人の殺し屋のアップ、次の瞬間、背後から撃たれた彼は東京駅の屋根から転げ落ちる。こうして映画は始まる。殺し屋組織ギルドのNo.3の通称野良猫は上司の上京小夜子から次のターゲットを依頼される。しかし、誤って同じ組織の通称生活指導の先生を殺してしまう。上京から組織のNo. 1百眼を殺せという指令が降る。しかし、百眼の存在が全くわからない。野良猫の周辺にさまざまな殺し屋や何者かわからない少女小夜子が現れ、野良猫は翻弄されながらもターゲットを探す。そして、上京こそが百眼だと見抜いた野良猫は一騎討ちの末倒す。そして今や引退した殺し屋花田の目の前で自ら死を選ぶ。

 

時折挿入される犬のカットや、次々と変わる派手な衣装、空間の連続性のないカットの数々、舞台セットのように入れ替わる背景などなど、シュールで個性的な鈴木清順ワールドが所狭しと展開し、光と影、色彩とモノクロームに引き込まれていく映像芸術を堪能していきます。癖になる一本、そんな映画でした。

 

ゼイリブ

ほぼ40年ぶりの再見、コンパクトにまとめられたB級SFホラーという感じで、何も考えずに楽しめました。監督はジョン・カーペンター

 

バックパッカーのネイダが職探しにやってくるところから映画が始まる。工事現場に職を見つけた彼はそこでフランクという黒人に、ホームレスの溜まり場を紹介される。ところがそこに隣接する教会では早朝から讃美歌が聞こえてくる。ネイダはそれを不審に思い忍び込む。讃美歌は録音テープで、集まった人々は何かを作っていた。

 

翌朝、段ボール箱を運び出す人たちを見かけた直後警察が教会に踏み込み、ホームレスのドヤも壊されてしまう。ネイダは、教会に隠してある段ボール箱を盗み出すが、中はサングラスだけだった。ところがそのサングラスをかけると、街の広告看板は何やら洗脳する文字が浮かび、街の一部の人たちは骸骨のようなエイリアンだった。ネイダは手に入れた銃でそのエイリアンを撃つが、警察に囲まれてしまう。たまたま駐車場にいたホリーを拉致して彼女の自宅に行くが、反撃されて追い出されてしまう。その時、ホリーの家にサングラスを忘れる。

 

ネイダはゴミ置き場に隠していたサングラスを手にして、フランクを説得してサングラスをかけさせ、エイリアンの存在を認めさせる。そして、サングラスを作っている人たちの集会に行くがそこにはホリーもきていた。しかし突然警察が踏み込んできて一網打尽にされる。ネイダらは、たまたま押収していたエイリアンの時計で脱出するが、街の地下にあるエイリアンの秘密基地に逃げ込んでしまう。そこはホリーが働いているケーブルテレビの局もあった。

 

ネイダらはホリーを発見し、ケーブル局から発信されているエイリアンの怪電波の装置を破壊するべく屋上へ向かうが、実はホリーはエイリアンの仲間で、フランクは撃たれてしまう。ネイダはエイリアンのヘリコプターに狙われる中、命をかけて送信装置を破壊、世界中のエイリアンの素顔が晒されて映画は終わる。

 

コンパクトな娯楽映画で、とにかく面白い。こういう映画が今はほとんどなくなった気がします。