くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「愛はステロイド」「日本海大海戦」

「愛はステロイド

なんとも荒唐無稽な映画だった。リアリティとか理屈とかはそっちのけのサスペンス、ラブスリラー。題名の意味がラストで明らかになるものの、呆気に取られる展開とエド・ハリスなど際物役者の演技に拍手してしまう。少々お話がごっちゃごちゃではあるけれど、まともに考えなければ、奇想天外な娯楽映画だった。監督はローズ・グラス。

 

満点の星空、カメラがゆっくりティルトダウンすると、軽快なリズムと共に一軒のジムが映し出されて映画は幕を開ける。体育館のようなジムの中で、トレーニングに勤しむ男女の姿からトイレの詰まりを手を突っ込んで処理しているルーの姿にカメラは寄っていく。なんとか処理を終えたが、ルーを慕う頭の弱そうな女性デイジーが絡んでくる。カットが変わると車の中で行きずりのSEXする男女。女性はボディビルダーらしい体格の女性ジャッキーで、男は如何にもなJJという男。ジャッキーはJJに仕事を世話してもらう代わりにやらせた感じである。そしてジャッキーは射撃場のウェイトレスの仕事を得る。

 

翌日、ジャッキーはルーのジムにやってくるが、帰りがけ、男に絡まれてつい殴ってしまい殴り返されてしまう。その場にいたルーにジムで介抱されて、ステロイド剤を勧められる。ジャッキーは近々、ベガスで行われるボディビルダー大会に出場して優勝するつもりでこの地にやってきたのだ。寝る場所がないというので、ルーはジャッキーを自宅に泊めてやるが、ジャッキーが勤め始めた射撃場のオーナーはルーの父親が経営していた。

 

ルーにはベスという姉がいたがベスの夫JJはDVだった。ベスがJJにベタ惚れしていて、ルーはいつも姉の様子を見に行っていた。ある時、ベスがJJに暴力を振るわれ、意識不明になって病院に担ぎ込まれる。嘆くルーを見ていたジャッキーの体が変化し、ルーの車でJJの家に行き、ひとまわり体が大きくなったジャッキーはJJを殴り殺してしまう。深夜、JJの家に行ったルーは、JJの遺体を見て、浴室にいるジャッキーを発見。ルーはジャッキーと共にJJの遺体を車に乗せて、渓谷に、運び落として燃やしてしまう。途中、デイジーに見られてしまう。

 

ルーは証拠を消すためにJJの家に向かうが、その前にジャッキーを自宅に閉じ込めて外に出ないようにする。ジャッキーはこの日ボディビルダーの大会だったので、ドアを破って一人ベガスへ行ってしまう。しかし、ステロイド剤の副作用か、体調を崩してしまい暴れてしまい逮捕されてしまう。彼女を助けたのはルーの父親だった。彼はメキシコへ銃の密輸をしていて、警察にも顔がきく裏社会の人間だった。父親はジャッキーにある仕事を依頼する。

 

ルーの父親はジャッキーにデイジーを殺すように依頼する。ルーはデイジーを丸め込もうと、親しげに振る舞っていたが、ルーの目の前でデイジーはジャッキーに撃ち殺される。ルーはジャッキーを守るためにデイジーの死体を隠そうとするが、そこへFBIがやってくる。

 

ルーの父親はジャッキーを拉致したらしいので、ルーは父の家に乗り込み、ジャッキーを助け出すが、父親が発砲してくる。ルーは父親の悪事を全てFBIに話していた。父親の銃口がルーに迫る中、ジャッキーが突然巨大化して父親を摘み上げてしまう。そこへFBIが駆けつける。ルーとジャッキーは、その場を離れ、ルーのトラックで脱出するが、荷台にはデイジーが積まれていた。デイジーは一旦息を吹き返したが、ルーはデイジーを絞め殺し、死体を荒野に捨てる。そして、ジャッキーと二人になって映画は終わる。

 

とにかく、若干描写がグロテスクだが、ストーリー展開は荒唐無稽なので、あれよあれよと先を見てしまう。なんで巨大化するのか、ボディビルダー大会の意味はなんだったのか、などなど、好き放題に展開する様が痛快。さすがA24という一本だった。

 

 

日本海大海戦」

テレビでしか見たことがなく、長年、スクリーンで見るのを望んでいた一本をとうとう大画面で見ることができた。ほとんどが円谷英二のミニチュアワークの特撮シーンの面白さで、主人公らの人間ドラマも程よく配置された構成も上手く、戦争娯楽大作として非常によく出来た映画だった。監督は丸山誠治

 

明治末期、中国義和団の反乱で、米英露日らが北京を守るも、反乱鎮圧後もロシアが満州の地を去らず、日本が脅威を感じ始めたというナレーションから映画は幕を開ける。日本からの要請にロシアの返事はなく、ついに日露国交断絶となって、戦争へ突入していく。伊藤博文ら政府閣僚は明治天皇を前にした御前会議でロシアを迎え撃たざるを得ない決定を下す。

 

ここに連合艦隊司令長官として赴任した東郷平八郎は、やってくるであろうバルチック艦隊を迎え撃つべく様々な策を検討し始める。陸軍の旅順上陸により、アジアのロシア艦隊を封じ込める作戦だったが、乃木希典を指揮官とする陸軍は旅順要塞攻略に苦慮し始める。しかし、多大の犠牲を払った末ついに二百三高地は陥落、あとはバルチック艦隊を迎え撃つのみとなるが、対馬を通ってくるか、津軽を通ってくるかが大問題だった。

 

間も無く日本近海に現れるであろうバルチック艦隊を、様々な情報で索敵、そしてついに対馬沖を航行するバルチック艦隊を捉えるにあたり、連合艦隊東郷平八郎の指揮のもと、昨日の黄海戦での失敗を繰り返さないように万全の布陣を組んだ。そして、見事バルチック艦隊を撃破、ロシア艦隊司令官も収容し、大勝利に終わる。しかし、東郷平八郎の心は晴れやかではなかった。こうして映画は終わる。

 

とにかく、海戦シーンが抜群に面白く、CGとは全く違う迫力に、スクリーンに引き込まれてしまいます。東郷平八郎乃木希典伊藤博文ら、要人の人間ドラマもしっかりしていて、見応えのある娯楽映画でした。