くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「季節はこのまま」「ピルクスの審問」「寄せ集め」「ソラリス・モナムール」

「季節はこのまま」 柔らかい色彩と、ユーモアあふれる会話劇の数々、そして今だから語れるパンデミック真っ最中、どこか不思議な感覚に入ってしまった人々の姿がとにかく微笑ましいほどに優しい。これという大きなドラマのないさりげない兄弟のさりげない家…

映画感想「沈黙の艦隊 北極海大海戦」

「沈黙の艦隊 北極海大海戦」 映画第一作からアマプラ配信の続編を経て映画版としては第二作。潜水艦アクションとしてかなり面白い。見せ場の配分も上手いし、もちろん原作の良さがあるのだろうが、二時間以上全く退屈しない一級品のエンタメ映画に仕上がっ…

映画感想「ひゃくえむ。」

「ひゃくえむ。」 もう少し感情に訴えてくる作品かと思ったが、少々台詞や理屈がくどいのと、仰々しい絵が最後までのめり込めなかった。青春ドラマでもなくアスリートの苦悩でもなく人生ドラマでも無い不完全燃焼のまま見終わりました。監督は岩井澤健治。「…

映画感想「男神」「風のマジム」「ファンファーレ!ふたつの音」

「男神」 独りよがりの神話ファンタジーという一本で、カット割りも脚本も非常に稚拙で、ローカル映画のレベル以下の作品だった。何を言いたいのか、ただデジタル映像を弄んだだけの仕上がりは、さすがに商業映画としては残念な映画でした。監督は井上雅貴。…

映画感想「ブラックドッグ」「テイク・ミー・サムウェア・ナイス」

「ブラックドッグ」 あえて大筋の物語を描くのではなくて、広角レンズと引の構図で横長の広大なシーンを淡々と語っていくつくりが実にいい。しかも、小さなシーンの数々が映画的に素晴らしく、一人の若者と犬の物語なのだが、とっても味のある仕上がりになっ…

映画感想「宝島」(大友啓史監督版)

「宝島」 三時間を超える長尺作品で、相当な力作である。エキストラも存分に使い、日本に返還されたとはいえ米軍基地が残存する沖縄の歪な風土の姿、その現実を一昔前の時代を背景に描いていく様は圧巻。しかしながら、やや力が入りすぎたのか、三時間余りの…

映画感想「THE MONKEYザ・モンキー」「ボーイ・キルズ・ワールド 爆拳壊界流転掌列伝」「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」

「THE MONKEY ザ・モンキー」 スティーブン・キングの短編小説の映画化だけあって、ホラー映画としてもドラマとしてもしっかりした構成になっていてなかなか面白かった。殺戮シーンは派手でグロテスクなところもあるけれど、あっさり仕上げてしかもコミカル…

映画感想「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(4K)「Dear Stranger ディア・ストレンジャー」

「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」 子供の頃見た時は物足りなかったが、今見ると、とってもヒューマンでしかも中身のある映画だったことに気がつきました。しかもカマキラスやクモンガのミニチュア特撮が秀逸で、さすが東宝、さすが円谷という一本でした。監督…

映画感想「ブラック・ショーマン」「ベートーヴェン捏造」

「ブラック・ショーマン」 軽いタッチのエンターテイメントミステリーという一本。面白いし、映像も綺麗ですが、それ以上でも以下でもない普通のストーリー展開。謎解きもありきたりで驚くような鮮やかさもなく、仰々しいまでの福山雅治のオーバーアクトとと…

映画感想「ふつうの子ども」「バード ここから羽ばたく」「LOVE」

「ふつうの子ども」 相当な傑作かもしれない。この映画を大人目線で見てはいけない。もっと頭を柔軟にして、すっかり忘れてしまった子ども時代の自分の心を取り戻してみるとこの映画の素敵さがはっきりわかります。環境問題なんていう題材が取り上げられるの…

映画感想「リモノフ」「ひめゆりの塔」(‘82)

「リモノフ」 詩人で革命家でもある実在の人物エドワルド・リモノフの物語。やりたい放題、言いたい放題に言動を繰り返す主人公の姿を、スタンダードからワイド画面、ところどころに配置された年代やオブジェを通り抜けて、時の流れや空間の変化を縦横無尽な…

映画感想「海辺へ行く道」「DREAMS」

「海辺へ行く道」 とめどなく淡々と流れるストーリーの中に散りばめられるユーモア、風刺、毒、そして俗社会、そんな何もかもがとにかく楽しい作品。コミック原作というが、映画のリズムで程よく作り直された雰囲気に、いつのまにか、異世界に迷い込んだよう…

映画感想「遠い山なみの光」「カラダ探し THE LAST NIGHT」「九龍ジェネリックロマンス」

「遠い山なみの光」 非常にクオリティの高いなかなかの佳作。第二次大戦後、時代の変化に対応していかざるを得ない人たちの姿を、長崎を舞台に、母と子の物語として、素晴らしい映像センスで描き上げた作品でした。監督は石川慶。 戦後の長崎の記録写真が映…

映画感想「メイソウ家族」「激動の昭和史 軍閥」

「メイソウ家族」 三話のオムニバス作品ですが、それぞれが微妙に絡み合っているという作りになっていて、全てが同じ時間、同じ空間というラストにどこか不思議な面白さと感動を感じてしまう映画でした。大阪芸大が絡んだ作品で、どこか学生の卒業制作のよう…

映画感想「大長編 タローマン 万博大爆発」「バレリーナ The World of John Wick」

「大長編 タローマン 万博大爆発」 なんだこれは!冒頭から始まるこのフレーズが全編に行き渡って、結局なんのことかわからないほど支離滅裂に、常識をぶち壊していくストーリー?展開にあれよあれよと訳もわからずなぜかラストシーン。面白かったのか、面白…

映画感想「愛はステロイド」「日本海大海戦」

「愛はステロイド」 なんとも荒唐無稽な映画だった。リアリティとか理屈とかはそっちのけのサスペンス、ラブスリラー。題名の意味がラストで明らかになるものの、呆気に取られる展開とエド・ハリスなど際物役者の演技に拍手してしまう。少々お話がごっちゃご…