2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧
「ガーゴイル」 スローテンポで淡々と進むストーリー、結末の見えない展開で、何度か意識が飛んでしまった。映像は美しいのですが、切り取られたシーンの数々が、少ないセリフの中で物語にまとまっていくという散文詩の如き映画でした。監督はクレール・ドゥ…
「恋愛裁判」 力のない映画でした。脚本、演出が弱いのか、役者が脚本をしっかり読み込んでいないのか、こちらに迫ってくるものが全くなく、淡々と展開するゆるさがなんとも言えない映画だった。メッセージはもっと強いものだと思うが、主演の齊藤京子がとに…
「吸血鬼ゴケミドロ」 人間のエゴが人類滅亡を招くというテーマを徹底的に突き詰めて、SF仕立てのホラーに仕上げた天晴れなカルトムービーだった。とにかくストーリーはぐだぐだなのだが、追い詰められた人間が善人も悪人もなくエゴイズムに取り憑かれていき…
「カリギュラ」(究極版) 1980年公開作を90時間以上の素材を再編集し、当初描かんとした作品に近い形で仕上げた究極版を初公開以来の再見。壮大な舞台劇を見せつけられる恐ろしいほどのカルトムービー。初公開時は約二時間半ほどだったが今回の再編で約三時間…
「役者になったスパイ」 1989年ごろ、東西冷戦真っ最中の世界で、軍隊廃止が叫ばれているスイス、状況を危惧した政府が危険と思われる人物を監視対象にしたと言う事件は、さすがに知識として全くない。そんな舞台設定で警官だった主人公が役者の世界に触れる…
「MERCY マーシーAI裁判」 相当に面白かった。練り込まれた脚本と二転三転する展開、SFタッチの動的な映像作りも見事。今時のメカニカルだけで奇抜な作りを見るだけの映画かと思っていたので、これは掘り出し物のエンタメサスペンスでした。傑作。監督はティ…
「日本ゼロ地帯・夜を狙え」 テンポの良いストーリー展開と、リズミカルなアクションの挿入、シンプルな物語ながら、しっかりと観客を引き込んでいく構成、まさにプログラムピクチャーの鏡のような一本だった。スターはスターらしく、お色気はほどほどに画面…
「アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし」 「シンデレラ」の物語を元にしたゴシックホラーですが、主人公はシンデレラではなく、義姉のエリヴィラの物語です。かなりグロテスクなシーンも散りばめられていますが、「シンデレラ」の話をリアルなドラマ…
「大悪党作戦」 典型的なプログラムピクチャー。あれよあれよと登場人物が増えてきて、さらに物語もどんどん膨らんで、冒頭のあれやこれやは吹っ飛んで、ラストはひたすら雪山を転げ回りながらの銃撃戦、そしてあっけないエンディング。単純そのものに楽しめ…
「狼よ落日を斬れ」(風雲篇・激情篇・怒濤篇) 幕末から明治にかけての歴史背景に、次々と登場人物が交錯するドラマを軸に展開する物語も面白いが、圧倒的なチャンバラシーンの数々に拍手してしまう。しかも、どの人も殺陣が恐ろしく上手い。高橋英樹のみなら…
「万事快調 オール・グリーンズ」 ゆるゆるの脚本とキレのない演出で、おそらく原作はもっと爽快なのだろうが、だらけた青春映画に仕上がった一本だった。エピソードの構成が実に悪く、背景の家庭ドラマも希薄、結果、薄っぺらい作品になってしまったのはち…
「架空の犬と嘘をつく猫」 ある家族の三十年に及ぶ物語を五年ごとに区切って淡々と描く作品。出会いがあり、再会があり、過去の罪悪感があり、夢物語がある。そんな様々が、これという劇的な展開もなく、それでいてありえない展開も交えて語る筆致がちょっと…
「CROSSING 心の交差点」 ちょっとした映画だった。主人公達、弁護士の話、貧しい少年少女と、三つに分けたた登場人物の景色を絶妙にオーバーラップさせて交錯させていって、終盤で一つに集約してラストシーンに繋ぐという映像演出が実に上手い。第三国の映…
「ストレイト・ストーリー」 この歳になると、もう一度見直してみたい映画が何本かある。この作品もほぼ三十年ぶりくらいの再見。淡々と流れる静かなストーリーですが、散りばめられる小さなエピソードやセリフの数々に心打たれてしまう。しかも、映像も美し…
「異聞猿飛佐助」 忍術娯楽時代劇の様相なのですが、何ともゆるい脚本と演出で、異様に長く感じてしまった。監督は篠田正浩なので、随所に映像美学的なショットはあるもののストーリー構成がかなり複層していて、明確な勧善懲悪というより、二転三転する敵味…
「おくびょう鳥が歌うほうへ」 決して凡作では無いのですが、アルコール依存症の主人公の過去の回想と、現代の失敗の繰り返しを組み合わせたストーリー構成が、次第に長さを感じ始めて、物語の行先が見えなくなって来る映画だった。結局どういう話だったかと…
「音楽サロン」 期待通りの傑作でした。監督はサタジット・レイですが、こういう作品が作れるということに今更ながらこの監督の世間の評価が若干歪んでいることを実感しました。没落していく貴族と新興貴族を描いてインドの近代化へ進む時の流れを、辛辣な視…
「スタンド・バイ・ミー」 四十年ぶりの再見でしたが、ほとんどの場面を覚えているし、やっぱり名作ですね。四人のキャラクターが見事に色分けされているし、散りばめられるさりげない会話の数々が、懐かしいあの頃を思い出させてくれます。90分足らずなのに…
「白の花実」 何ともテンポの悪い映画だった。特に前半、見ていられないほどに稚拙な演出と脚本に参ってしまった。終盤、説明会場面あたりからようやく映画らしくなって、訴えたいメッセージの何かが見えた気がしたけれど、結局ラストも独りよがりの映像に終…
「ドイツ零年」 第二次大戦終戦直後のドイツを辛辣な視点で徹底的にリアルに描いた傑作でした。流れるような長回しのカメラワークと視点を変えて描かれる廃墟のドイツの街並みで展開する人間ドラマがとにかく辛い。名作とはいえ、悲惨すぎるラストは何ともい…