くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「レイン・オブ・アサシン」「一枚のハガキ」

「レイン・オブ・アサシン」 ジョン・ウー監督が台湾のスー・チャオピン監督と共同で演出した武侠映画である。達磨大使のミイラを手に入れたものは武術の覇者になれるという伝説、しかしその遺体は上下に分割され奪われていた。 それまでのいきさつや物語の…

映画感想「どてらい男」「河内カルメン」「鬼火(原田芳雄)」

「どてらい男」 機械卸業者山善の一代記でテレビドラマにもなった実在の商売人山下猛造の物語である。 ストーリーはいまさら語るまでもないので映画の作品を単純に楽しむことになった。山本直純の軽快な音楽とともに映画が始まる。あとは、あれよあれよと主…

映画感想「サンセット大通り」「インシディアス」

「サンセット大通り」 久しぶりに見直したビリー・ワイルダー監督の代表作の一本。本当にこの監督の底知れない才能に感服してしまいます。軽快に繰り返されるせりふの応酬と圧倒的な画面づくりによるストーリーテリングのすばらしさがこの監督の特長でもあり…

映画感想「エロ事師たちより 人類学入門」

ねちねちと被写体をとらえる今村昌平のカメラアングルが、夢か幻想か現実かわからない映像が交錯する世界を人間味あふれる演出でとらえていく。 人間の本能的に持つ性に対するどうしようもない感情をブラックユーモアで包み、笑いの中にどうしようもない切な…

映画感想「がめつい奴」「大阪の宿」「潤の街」

「がめつい奴」 大阪は釜ヶ崎を舞台にした人情ドラマであるが、これといって派手な物語は展開しないまでも、バイタリティあふれる人々のその日暮らしの生活が、こてこての大阪魂まるだしで描かれる様は痛快と言っていい。それに、様々な人々の群像劇であるが…

映画感想「リメンバー・ミー」「メカニック」

「リメンバー・ミー」 「トワイライト」シリーズのロバート・パティンソンが製作を努めたシリアスなラブストーリーというふれこみなのですが、これがちょっと一見の価値のある一品でした。 といって、特に秀逸なシーンがあるとか演出が優れているとか画像が…

映画感想「情婦」

映画の好きな人が、「ラストシーンであっといわされたどんでん返しのあった映画は何ですか?」と聞かれて、おそらくほとんど人がこの「情婦」をあげると思います。この作品こそが本当の”どんでんがえし”の映画なのです。もちろん、ラストシーンであっといわ…

映画感想「大阪物語」(市川準)

大阪がはじけている。そして、しみじみと大阪が好きになってしまう。そんな映画がこの市川準監督の「大阪物語」である。20年近くこれといって売れていないものの惰性のように続けている夫婦漫才の両親を持つ主人公霜月若菜(池脇千鶴)のスクリーンに語り…

映画感想「シャンハイ」「大阪物語(吉村版)」「曽根崎心中」

「シャンハイ」 短いカットを積み重ねて緊迫感満点の映像を満載したサスペンスでした。とはいえ、物語の本筋にはアンナ(コン・リー)とソームズ(ジョン・キューザック)の恋やランティン(チョウ・ユンファ)のアンナへの愛情の強さ、タナカ(渡辺謙)とス…

映画感想「エッセンシャル・キリング」「おじいさんと草原の小学校」

「エッセンシャル・キリング」 「アンナと過ごした4日間」のイエジー・スコリモフスキー監督の話題作でベネチア映画祭審査員特別賞、主演男優賞受賞した期待の一本。一人のアラブ人(ヴィンセント・ギャロ)がアメリカ軍からひたすら逃げるだけというシンプ…

映画感想「浪花の恋の物語」

なるほど、内田吐夢監督の代表作と呼べるだけのすばらしい一本でした。 原作は近松門左衞門の世話話を元に脚色した作品であり、キネ旬2位の作品である。物語の本筋は原作を踏襲しているが、そこに、ことの次第を見つめる近松門左衞門本人を登場させ、巧みに…

映画感想「シベールの日曜日」「スーパー!」

「シベールの日曜日」 大好きな映画の一本で、午前10時の映画祭で大スクリーンで見直すことができたのはうれしい限りでした。 かなり以前に見た映画なのでかなり忘れている部分もありましたが、アンリ・ドカエの美しいモノクロ映像、セルジュ・ブールギニ…

映画感想「ツリー・オブ・ライフ」

観念的な映画である。そして、これだけの映像を撮り映画として一つの作品につなぎあわせ、それでいて、見事に映像のリズムを生み出したテレンス・マリック監督に拍手したい。そんな一本であった。お世辞にも娯楽映画といえないし、この作品がなぜ一般的なシ…

映画感想「女殺し油地獄」「モールス」

「女殺し油地獄」 かつて五社英雄監督版を見たことがあるが、それほどの印象はなかった。今回、堀川弘通監督版をみましたが、いかに近松門左衞門の原作が優れているかを実感した思いがしました。特にクライマックス、河内屋与兵衛が世話になった筋向かいの豊…

映画感想「女系家族」

ご存じ山崎豊子の代表作の一本。すでにテレビなどでもドラマ化されていてストーリーは知っていたものの、映画としての迫力に圧倒されるすばらしいサスペンスでした。なんといっても、老舗の三姉妹を演じた京マチ子ら三人の演技、さらには叔母の役で登場する…

映画感想「黄色い星の子供たち」「この愛のために撃て」

「黄色い星の子供たち」 最近、どうもこの手の反戦訴え映画が多い。確かに、こういう歴史的な真実を訴えかけるのはいっこうにかまわないが、それを映画作品として仕上げていない出来映えのものが時に見受けられるのである。今回の作品もそうしたたぐいの一本…

映画感想「メタルヘッド」

こんなところにもナタリー・ポートマンがでていた。という一品。とはいえ、突然公開された作品であるが、監督はいわばカリスマ的な存在のスペンサー・サッサーという人。今回の長編デビューはかなりの期待であったという。とにかく、はちゃめちゃなストーリ…

映画感想「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」「現代インチキ

「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」 いよいよクライマックス、すべての締めくくりを見てきました。 第一部が非常にできばえの良かったこの最終章ですが、ちょっと期待を裏切られたというのが正直な感想です。とはいえ、見所満載と、今までのオールキ…

映画感想「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」

とにかくおもしろい。まったくマイケル・ベイという監督はこの手の娯楽大作を撮らせると天下一品である。最初から最後までまったく気の抜けない見せ場の連続。しかもクライマックスの数十分は画面に釘付けで、3D映像の効果を最大限に使った画面作り、画面…

映画感想「ドクトル・ジバゴ」

30数年ぶりにみた、さすがに忘れているシーンはたくさんあったが、やはり「アラビアのロレンス」同様、大人の映画であると実感しました。ロシア革命を背景に描かれる壮大なラブストーリーは、単純な物語に終始せず、革命批判や兄弟愛、さらに家族の絆、人…

映画感想「ゴジラの逆襲」

ゴジラシリーズの一本とはいえ、なんとも安易な脚本とストーリー展開である。いまでこそ、ゴジラというと世界的なブランドになったが、当時はまだまだ下手物映画の一本だったのだろう。それでも、大阪でのアンギラスとゴジラの死闘場面はさすがに円谷英二の…

映画感想「どついたるねん」

阪本順次監督のデビュー作で、公開当時、テント上映などで特殊な上映をしたために見逃していた一本である。圧倒的な荒っぽい演出でぐいぐいとストーリーを引っ張っていく演出はまさに阪本順次ならではの男臭さ満載。しかも、微妙な男の心理を絶妙の間の取り…