くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ヘイトフル・エイト」「女が眠る時」「特捜部Q キジ殺し」

「ヘイトフル・エイト」 クエンティン・タランティーノが描く西部劇、懐かしいスタイルで描いた作品だが、その物語はミステリーである。しかも、少々長い。確かに入り組んだ展開と、得意の流血シーンがタランティーノらしいのだが、いかんせん、長いのだ。映…

映画感想「細雪」(市川崑監督フィルム版)

「細雪」(市川崑監督フィルム版) 先日、デジタルマスター版を見たところなのですが、フィルム版がどれくらい劣化しているのかを確認の意味で見直しました。なるほど、全体にブルーがかかってしまい、露出オーバーギリギリで撮影された結果の劣化がまざまざと…

映画感想「おとうと」

「おとうと」 ほぼ30年ぶりくらいで見直した。銀残しという現像法で有名な市川崑監督の傑作。今回はデジタル復元版である。本当に久しぶりでしたが、あちこちの名シーンは覚えていました。いやそれより、こんなに素晴らしい映画だったのかと改めて驚いてしま…

映画感想「市川崑物語」「炎上」

「市川崑物語」 岩井俊二監督が描いた市川崑監督のドキュメントである。 本来、ドキュメンタリーは見ないのですが、この映画は素直に良かった。確かに大好きな市川崑の話だというのもあるが、やはり岩井俊二の感性が生み出したリズムが、市川崑の人生のドラ…

映画感想「ドリームホーム 99%を操る男たち」「ゾンビスクール!」

「ドリームホーム 99%を操る男たち」 オープニングからテンポの良い映像と展開で一気に本編に引きずり込まれるサスペンス映画の秀作。マイケル・シャノンのふてぶてしい顔立ちが物語をキリっと引き締めています。監督はラミン・バーラミ。不動産会社を営むリ…

映画感想「クーパー家の晩餐会」「マギー」

「クーパー家の晩餐会」 いや、期待してなかったのですが、無茶苦茶に良かった。はまってしまいました。群像劇の傑作という感じの映画です。今のところ今年のベストワンかも。物語は、アーサー家のクリスマスイブの日の1日を描いているストレートな映画です…

映画感想「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」

BBC製作の大ヒットドラマの特別篇で、アメリカや本国ではテレビ放映されたものである。 これを映画として見るかどうかはともかく、総合的に見れば、やはりテレビ映像の枠を飛び出すというほどの迫力はなかった。ただ、室内シーンを含め、デジタル処理を多…

映画感想「Xミッション」

「Xミッション」 1991年のキャスリン・ビグロー監督のアクション「ハートブルー」のリメイクですが、オリジナルを見ていないので、全くの白紙でみました。宣伝では、CGなどを使わず、トップアスリートによる生身のアクション映画、生身の犯罪映画という…

映画感想「十字架」

「十字架」 非常に丁寧に演出された作品ですが、重松清の原作に完全に溺れてしまた感じがします。ひたすら重い流れが全編を貫き、語るべき人生という人間ドラマがほとんど影を潜めてしまっている。ただ木村文乃と小出恵介の演技力がかろうじて、作品のクオリ…

映画感想「スティーブ・ジョブズ」「ホテルコパン」

「スティーブ・ジョブズ」 アップルの創始者、スティーブ・ジョブズの半生を描いた物語、監督はダニー・ボイルであるアップル社が新しいコンピューターMacを発表するシーンから映画が始まる。今にも出番がくるというスティーブ・ジョブズの様子が描かれる。…

映画感想「アトリエの春 昼下がりの裸婦」「穴」「あなたと私の合

「アトリエの春、昼下がりの裸婦」 友人の絶賛の声に動かされて見に行きました。なるほど、褒めるだけのことはある韓国映画でした。監督はチョ・グニョンです。一本続く道を1人の女性が歩いている。彼女の名前はジュンスク、夫は著名な彫刻家ジュングだが、…

映画感想「キャロル」「太平洋ひとりぼっち」

「キャロル」 非常に高級な映画である。映像の作り方も息をのむほどに美しいし、ストーリーの展開も実に品があって静か、そして、映画の景色が大人のだ。こういう良質な映画は、ともすれば、ひたすら退屈になるところだが、主演のキャロルを演じたケイト・ブ…

映画感想「ニューヨーク眺めのいい部屋売ります」「サウルの息子」

「ニューヨーク眺めのいい部屋売ります」 無難に作られた映画ですが、ところどころに配置された時事ネタが、ちょっと鼻についてくるのが気になる映画でした。監督はリチャード・ロンクレインです。老齢を迎えている画家アレックスが、これまた老齢の犬ドロシ…

映画感想「ディーパンの闘い」「神なるオオカミ」

「ディーパンの闘い」 カンヌ映画祭でパルム・ドール賞を受賞したジャック・オーディアール監督作品。最近はカンヌの最高賞と言ってもこういうレベルの作品が実に多い。スリランカからフランスにやってきた難民の物語で、ストーリーは至ってはシンプルな人間…

映画感想「オリエント急行殺人事件」「ライフ・イズ・ミラクル」

「オリエント急行殺人事件」 30年ぶりくらいに見直したが、やはり名作である。監督はシドニー・ルメット。なんと言ってもストーリー構成のバランスが実に素晴らしいのと、アルバート・フィニーの演技が抜群なのだ。物語は有名なアガサ・クリスティのミステリ…

映画感想「ヘリオス 赤い諜報戦」「わたしの凡てを」

「ヘリオス 赤い諜報戦」 韓国が開発した超小型の核兵器DC-8がテロ組織ヘリオスの”使者”と呼ばれる組織に奪還される場面から映画が始まる。そして、その受け渡しが香港で行われるということで、韓国からも、香港からも、そして中国からもその取引を阻止すべ…

映画感想「億万長者」「黒猫・白猫」

「億万長者」 配給会社がラストを勝手にカットしたので、市川崑監督が監督名をフィルムから削除したという一本。とにかく、面白い。めまぐるしく変わっていく当時の日本を風刺したブラックコメディです。映画はいきなり、戦後の新しい名所を皮肉交じりに紹介…

映画感想「オデッセイ」「猫なんかよんでもこない」「タイム・トゥ・

「オデッセイ」 面白い映画ですが、ちょっと、いろんな点で期待しすぎたというか、結構普通の商業作品という色合いのある映画だったかなという感じです。監督はリドリー・スコット。火星で調査をするアメリカのクルーたちのシーンから始まる。突然砂嵐が襲っ…

映画感想「夜來香」

「夜來香」 山口淑子のヒット曲「夜来香」をテーマ曲に展開するたわいもない悲恋物語。市川崑監督1951年作品である。時は1945年華北、日本軍の引き上げが進む中で、一人の女性秋子は軍医の関と知り合う。みるみる二人は惹かれあい、恋に落ちるが、爆撃に…

映画感想「暁の追跡」「残穢 住んではいけない部屋」

「暁の追跡」 新藤兼人脚本、市川崑監督の警察ドラマ。市川崑監督作品としてはちょっと異色な色合いがある。製作年は1950年で、新橋の本物の交番を使って、ドキュメンタリータッチで描かれるが、独特の構図やカメラワークは見られない。主人公石川が、た…

映画感想「人間模様」「ジプシーのとき」

「人間模様」 市川崑監督初期の作品。90分足らずの映画ですが、やたら長く感じるのは、それぞれの登場人物のエピソードが、どこに向かうというわけでもなく繰り返し語られるからだろう。物語は、ある留置所で引き取り手を待つデパートの若き社長小松原、その…

映画感想「プーサン」「愛人」「最愛の子」

「プーサン」 風刺漫画を大胆にデフォルメし、エピソードの数々に当時の世相を織り込んで綴った市川崑監督の出世作。主人公は男やもめの教師プーサンで、伊藤雄之助が演じていてとにかく楽しい。汚職事件や血のメーデー事件、警官の怠慢、政治家の傲慢などを…

映画感想「愛しき人生のつくりかた」「俳優 亀岡拓次」

「愛しき人生のつくりかた」 散りばめられた洒落たユーモアの数々と、恋、人生賛歌が織り込まれたフランス映画らしい秀作、とっても素敵な映画でした。監督はジャン=ポール・ルーヴです。映画は、葬儀を執り行っている墓地に始まる。パリに暮らすマドレーヌ…

映画感想「さらば あぶない刑事」「ブラック・スキャンダル」

「さらば あぶない刑事」 このシリーズはテレビ版も含めて一本も見てないのですが、久しぶりの村川透監督作品をみようと出かけた。村川透色満載のエキゾチックな画面作りと、スタイリッシュな映像は、今なお衰えていないのが嬉しいオープニング。主人公二人…