くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「続 番頭はんと丁稚どん」「アチャコ青春手帖 大阪篇」「太陽の下の18歳」

「続番頭はんと丁稚どん」

シリーズ第二弾で、たわいのないドタバタコメディ。気楽に楽しむ古き良き日本映画でした。監督は的井邦雄。

 

薬問屋七ふく、天神祭を控え、崑松らは落ち着かない。そんな大阪に木下サーカス団がやってきて、そのシロクマが一匹亡くなったので代わりに着ぐるみに人を入れようという話があり、それに絡めて、たまたま崑松が頼まれた集金を、袋を間違えて無くしてしまう騒動が絡む。

 

なんとサーカス団の団長の息子太郎が崑松と瓜二つであったことから起こるドタバタ劇が本編になる。いきなり出てくるサーカス団団長と太郎の本当の母親の人情ドラマなどが何故かラストに登場するというなんのことはないお気楽映画です。

 

結局何もかも無理矢理丸くまとまって映画は終わります。決して映画のクオリティは高くないけど、コメディアン達のあうんの呼吸で見せる名人芸はさすがに見事なものです。楽しい映画でした。

 

アチャコ青春手帖 大阪篇」

適当に作った感満載の作品ですが、製作年1952年ごろの大阪の景色を楽しむには十分でした。監督は野村浩将

 

大学対抗の拳闘の試合に飛び入りするアチャコの場面から映画が始まり、ようやく友人の北村と大学を卒業して故郷の大阪に戻ってくる。北村は大阪の会社の社長を任せるということでやってくるが、それは叔父の作戦で、結局こき使われることに。アチャコは北村の叔父の会社の社長の妾の監視をする仕事を請け負い、ドタバタ劇がスタート。

 

北村がライバル会社に拉致されたり、死んだと思われていたアチャコの父親が出てきたりと、あちこちに話が飛んで、結局、どれも適当に尻切れトンボで終わってしまう。

 

市電が走る大阪の景色や、大阪駅に汽車が入ってきたり、古き時代を懐かしむ作品という感じでした。

 

「太陽の下の18歳」

カトリーヌ・スパークレトロスペクティブの一本。いくつかの物語を平行して描いていくので、中心になる話がなんなのかわからない映画ですが、要するにバカンス映画という感じでしょうか。カトリーヌ・スパーク特集でなかったら、主人公が彼女とはわからない映画でした。監督はカミロ・マストロチンクエ。

 

イスキア島にニコラらイタリア人の若者達がバカンスにやってくるところから映画は始まる。船に乗り込む時帽子を落としてしまったニコラは一人のキュートな女性と知り合う。ニコラは島で潜水競技に出る予定でそのことばかりが頭にある。他の友人は女性をナンパすることばかり考えている。島に着くと、借金取りに追いかけられている兄弟に金をせびられたりする。

 

金持ちでセクシーな女性を落とそうと躍起になる若者、ドイツ人の美女にアタックする若者、年増のアメリカ人に言い寄られる兄弟、そんなこんなの物語の中で、ニコラは一人の女性とホテルで同じ部屋になってしまう。名前を聞くとニコルという名前で、名字まで同じだという。憎まれ口を叩かれ、何かにつけ反抗してくるニコルに翻弄されるニコラだが、何かにつけニコルと出会いを繰り返していく。

 

映画は、それぞれの若者が必死でナンパしようとしては失敗を繰り返す場面をコミカルに描いていく。やがてニコラの競技の日、何故か突然逮捕される。ニコラという女性が勝手にヌードで泳いだからだという。よく聞くとそれはニコルのことで、競技は台無しにされるがいつのまにかニコルに恋を覚えていたニコラは熱いキスをする。

 

やがて、バカンスが終わり帰りの船に乗る。船上でニコラはニコルに熱いキスをして一夏のバカンスが終わって映画も終わる。作品としてはたわいのないもので、1960年代に人気を博したフランス人女優カトリーヌ・スパークのアイドル映画的な一本。確かにキュートで可愛いのですが、相手役の男性にオーラがないので映画自体が平凡になった感じです。でも、イタリア映画らしい陽気さが全編を覆う賑やかな作品でした。エンニオ・モリコーネのツイストナンバーが耳に残る爽やかな作品です。