くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」「東京2020オリンピック SIDE:B」「ザ・ロストシティ」

「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」 お話は正直よくわかっていないのですが、見せ場の連続で、ひとときも目を離せないほど面白い。映画の出来不出来というより、エンタメを楽しむ。CGやアクションシーン、そのほか諸々が楽しませてくれる映画でした。評価は…

映画感想「神は見返りを求める」「ベイビー・ブローカー」

「神は見返りを求める」 毒を散りばめました。これだけ描けるのは才能ですね。映画としてもお話としても不思議なくらいに奥の深い面白さを堪能しました。それと、最近のドラマや映画の中では今回ダントツに岸井ゆきのがかわいらしく描けているのも良かった。…

映画感想「イントロダクション」「あなたの顔の前に」

「イントロダクション」 淡々とひたすら語られる物語で、三つに分かれているそれぞれが微妙に繋がる中編。面白いといえば面白いし、ホン・サンス監督の色だといえばまさに彼の映画だと楽しめる一本でした。 ある医院の一室で医師がなにやらパソコンの前で懺…

映画感想「彼女たちの革命前夜」「三姉妹」

「彼女たちの革命前夜」 なんともまとまりのない薄っぺらい脚本の映画でした。実話とはいえ、もっと訴えかけてくるドラマを描かないと実在の人物がバカに見えてしまう。女性解放運動という言葉だけで踊らされている映画になっている安っぽさに参りました。唯…

映画感想「奇跡の丘」「アポロンの地獄」

「奇跡の丘」 40年ぶりくらいの再見。今見直してみると、なるほど傑作だなと思います。映像のテンポが抜群に良い。アップを細かく繰り返しながら展開を綴っていく演出の見事さは絶品です。監督はピエル・パオロ・パゾリーニ。 マリアのアップから映画は幕を…

映画感想「恋は光」「オルメイヤーの阿房宮」

「恋は光」 めちゃくちゃ良かった。映像のテンポ、会話のリズムが抜群に良いし、舞台設定、美術のこだわり、音楽センスの心地よさにどんどん惹かれて、見終わってすごくハッピーな気持ちになりました。最高の一本、最高のラブストーリーでした。監督は小林啓…

映画感想「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」「峠 最後のサムライ」

「バスカヴィル家の犬シャーロック劇場版」 ミスキャストのオンパレードで、せっかくのミステリーのミスリードが吹っ飛んでしまった。面白い話のはずなのに、この適当な仕上がりはなんだろうというレベルの映画でしたが、クライマックスにこれでもかという二…

映画感想「わたし達はおとな」「ボーイ・ミーツ・ガール」

「わたし達はおとな」 徹底的なリアリティで描くと解説されているが、徹底的な独りよがりの世界観で描く恋愛ストーリーという感じの非常に気分の良くない映画だった。しかも、メッセージを見せる人物がいまひとつその描き方に一貫性がなく、正統であるようで…

「大坂城物語」「メタモルフォーゼの縁側」「汚れた血」

「大坂城物語」 日本映画黄金期の娯楽大作という感じで、人人人、馬馬馬、とにかくスケールの大きい映画でした。以前見ていたのに気が付かず二度目です。監督は稲垣浩。 物語は豊臣秀頼の時代、徳川家からの無理難題に応えつつもとうとう戦の火蓋が切られる…

映画感想「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」(4Kリマスター版)

「さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について」 いい映画なのですが、ちょっと映像が理屈っぽすぎる気がします。第二次大戦前の混沌としたドイツの時代背景を描写しながら描かれる切ないラブストーリーという骨子は見えるのですが、モンタージュの…

映画感想「PLAN75」「炎の少女チャーリー」(2022年版)

「PLAN75」 良かったとか悪かったとかの感想はふさわしくない気がするし、傑作とかいう言葉もしっくり来ない。ただ、問題定義をしてくる映画という感じでしょうか。あえて、映像表現の部分を評価してみると、相当にクオリティは高い。でも、終始、物語が身に…

映画感想「義足のボクサー」「ALIVEHOONアライブフーン」

「義足のボクサー」 実話ということもあるが、下手なスポ根ドラマではなく、真面目に人間ドラマとして捉えていく視点が好感の一本で、なんのメッセージを訴えるものもないストレートな作品でとってもいい映画でした。監督はブリランテ・メンドーサ。 沖縄の…

映画感想「冬物語」「恋の秋」「はい、泳げません」

「冬物語」 身勝手極まりない一人の女の恋の行方を、まさに恋多きフランスの物語として描いていく一本で、延々と繰り返し行ったり来たりは正直イライラしてしまいました。監督はエリック・ロメール。 フェリシーとシャルルはバカンス先で恋に落ちてひたすら…

映画感想「大いなる緑の谷」「マグダナのロバ」「アンナの出会い」

「大いなる緑の谷」 モノクロームの映像が実に美しい名編で、放牧だけを守ってきた土地に静かに忍び寄る近代の伊吹が石油という形で染み込んでくる展開は静かながら、胸に迫ってきます。名作という言葉があてはまる作品でした。監督はメラブ・ココチャシュヴ…

映画感想「ニューオーダー」「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」「囚われの女」

「ニューオーダー」 徹底的に辛辣にリアルに重苦しく描くだけが映画ではないし、それは映像表現ではないと思う。その意味でこの作品はあまり好みの映画ではなかった。伝えたいメッセージがただの妬みにしか見えてこない時点で失敗作ではないでしょうか。映像…

映画感想「春のソナタ」「夏物語」「君を想い、バスに乗る」

「春のソナタ」 とっても素敵な会話劇で、絵作りも綺麗だし、年下のジャンヌ、エーヴらと年上のジャンヌや父イゴールとの微妙な描き分けも見事にされていて、ストーリー展開の妙味もとっても面白く、知的でセンスの良い映画でした。監督はエリック・ロメール…

映画感想「東京2020オリンピックSIDE:A」「太陽とボレロ」

「東京2020オリンピックSIDE:A」 総監督河瀬直美らしい女性目線の場面が三分の二くらい占めているのがかなり独創的ですが、今回のオリンピックの時代背景というか世界情勢をつぶさに見せる前半部分はなかなか見応えがありました。映像芸術的な部分も流石に力…

映画感想「冬薔薇」

「冬薔薇」 伊藤健太郎復帰のために芸達者の知り合い俳優を集めて、適当な脚本を書いて作り上げた作品に見えてしまう、とっても雑なしかも古臭い物語の映画でした。そもそも伊藤健太郎にカムバックしてやろうという意気込みが全く見られないのはどうなんだろ…

映画感想「オフィサー・アンド・スパイ」

「オフィサー・アンド・スパイ」 非常に緻密に隙なく描いていくストーリー展開はさすがだと思うのですが、生き抜く暇もなく、しんどく感じてしまいました。史実ではあるのですが、この題材を選んだ意図がどこにあるのかと探していて、なんとなくエピローグの…

映画感想「トップガン マーヴェリック」(IMAX)「私、あなた、彼、彼女」

「トップガン マーヴェリック」 エキスポシティのIMAXで、二度目の鑑賞。やっぱり面白かった。脚本が非常に良くできてるし、さりげないセリフが胸に響きます。娯楽映画の王道を徹底的に踏襲した構成は、何度見ても楽しい。 「私、あなた、彼、彼女」 自身を…

映画感想「帰らない日曜日」「犬王」「青い山 本当らしくない本当の話」

「帰らない日曜日」 良質のとってもいい映画でした。とにかく映像が美しいし、現代と過去を細かいフラッシュバックを繰り返して重ねながら描いていく凝った編集ですが、決して混乱しないほどに綺麗に整理されている。おそらくカメラアングルがうまいのでしょ…

映画感想「EUREKA ユリイカ」(デジタルリマスター完全版)

「EUREKA ユリイカ」 三月に亡くなった青山真治監督追悼上映として見にきた。ほぼ二十年ぶりくらいです。改めて見直して、この脚本のずば抜けた出来の素晴らしさに感動しました。地味な物語でかつ三時間半近くあるのに全く退屈しない。物語を語るために徹底…