くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「総長の首」「蛇の道」(2024年版)

「総長の首」

冒頭のヤクザの組同士にの抗争の話が、いつの間にか若者たちの青春物語になり、最後はそれまでの展開をすっ飛ばしてエンディングを迎える。その場その場で作り上げていった感じのストーリーがなんとも雑多な映画だった。監督は中島貞夫

 

関東大震災から少し経った浅草の町、エロとテロが渦巻く中で、チンピラで血桜団団員の新堂卓は、同じく震災孤児で口の効けない朝子に体を売らせて生活していた。この地のヤクザもの花森組は全国規模の侠友会と張り合っていた。何かにつけて花森組の賭場で悪さをする侠友会のチンピラに辟易としていた花森組幹部の八代を兄貴分と仰ぐ新堂卓らは、勝手に侠友会のチンピラに報復をしてしまう。花森組の組長と侠友会の幹部有田とは兄弟分の盃を交わしていたこともあり、なんとかことを納めようとするが、侠友会内で武闘派の小池らを筆頭とする組員らは八代を殺してしまう。

 

そんな時、大学を出て海外にいた八代の弟順二が帰ってくる。血桜団の新堂らは順二を頭にして小池を打とうと考えるが、ヤクザではない順二は難色を示す。実は自分一人で小池を殺すつもりだった。ところが、侠友会を破門された有田の弟分が先に小池を襲って失敗の上警察に捕まってしまう。小池らは有田も襲い、三巴のような抗争へ発展していく。そんな時、新堂は独断で侠友会の総長に銃弾を浴びせてしまう。総長は一命を取り留めたが小池らは徹底的な報復行動に出る。

 

血桜団の若者たちが次々と小池らに襲われ、さらに花森組幹部松井の裏切りもあって、最後に順二だけが残る。順二は松井に呼び出されて料亭に行き、松井を葬るべく飛び込むが、そこへ順二を助けようと駆けつけた花森も順二は撃ち殺してしまう。浅草の町、盆踊りの夜、血桜団の面々を待つ女たちの姿があった。こうして映画は終わる。

 

結局、小池らはどうなったのかというエンディングに呆気にとられる展開で、その場その場で作っていった物語に収拾がつかなくなった感じの映画だった。

 

蛇の道

ミステリーホラーという感じの作品で、セルフリメイクということですが、いかにも荒っぽい脚本で、幻想として描いている風であり、現実の復讐劇でもあり、そこのリアリティとフィクションの境目が中途半端なのがなんとも言えない映画だった。背筋が寒くなるホラーという空気感を狙ったものなのだろうが、西島秀俊の登場シーンの意味が結局わからなかった。監督は黒沢清

 

あるアパートの前、アルベールという男が車でやって来る。傍に小夜子という、のちにわかるが精神科医の女性がいる。二人はそのアパートのロビーに入り、出てきた一人の男ラヴァルをスタンガンで気絶させて郊外の廃工場へ連れていく。そこで、ラヴァルを鎖に繋いで、ある財団のことを聞き始める。ラヴァルはその財団で幼い少女の殺害と臓器売買に関わっていたらしい。アルベールの娘がその犠牲者で、娘の動画を見せたりする。

 

ラヴァルの供述から、財団の代表者の名前を聞き出しその男ゲランも拉致する。さらに小夜子は二人に巧みな提案をして、警備員をしていたクリスチャンのことを聞き出す。そしてクリスチャンを拉致するために、ラヴァルらに同士討ちをさせて殺してしまう。クリスチャンはなかなか何も話さなかったが、小夜子が再び巧みな話術で、クリスチャンに人違いだと言わせて、財団の創始者デボラが臓器売買に関わっていたことを知る。そしてデボラの居る場所へ案内させるが、アルベールが、クリスチャンを撃ち殺してしまう。そして小夜子とアルベールはデボラの居る建物の奥へ進む。

 

ボディガードたちを倒した末行き着いたところにはアルベールの妻ローラがいた。デボラはすでに亡くなっていて、ローラが後を引き継いでいた。ローラを殺したものの、小夜子はアルベールが子供たちの動画を売っていた人物であると詰めより、アルベールを拉致し、そのまま放置して去る。小夜子の娘も財団の犠牲者だった。自宅に戻った小夜子は別居している夫とオンラインで話をし、娘を売ったのはあなたねと小夜子が睨みつけて映画は終わる。

 

結局、小夜子もサイコパスだったのか?西島秀俊の患者のエピソードは何だったのか?ローラがいる建物にあるたくさんのディスプレイに映る小夜子の娘の動画は何だったのか?幻覚ならそれもいいと思うのですが、そういう演出にも見えないところもあり、どうもしっくりこないまま映画を見終わった感じでした。オリジナル版を見ていないので何とも言えないけれど、なぜ今セルフリメイクしたのか全くわからない作品でした。