くらのすけの映画日記

大阪の社会人サークル「映画マニアの映画倶楽部シネマラムール」管理人の映画鑑賞日記です。 あくまで忘備録としての個人BLOGであり、見た直後の感想を書き込んでいるので、ラストシーンまで書いています。ご了承ください

映画感想「鬼の花嫁」

「鬼の花嫁」

何とも言えないゆるゆるのファンタジー。原作が弱いのか脚本が雑なのか、演出にもキレはなく、演技演出も適当、マンガチックにというか原作は漫画なのだが、そんなまま映像化しきれない映画だった。ただ、ロケ地が素晴らしく、建物、庭のロケーションを楽しむだけでも値打ちはあったかもしれない。監督は池田千尋。

 

河原で遊ぶ仲の良い東雲家の家族の場面から映画は幕を開ける。幼い姉妹が森の奥へ遊びに行き、そこであやかし特区の入り口で立ち止まると、一人の美少年がやって来る。その少年に、妹の花梨が惹かれる。あやかしと人間が共存する世界、三大あやかしと言われる妖狐、鳥水、そして鬼、その中で、ずば抜けた霊力を持つ鬼があやかしの頂点にいた。あやかし達の花嫁になる事は人間にとって最高の名誉とされていた。

 

妹の花梨は妖狐一族に次期当主瑶太の花嫁として選ばれ、東雲家は妖狐一族の援助で贅沢な暮らしができるようになる。姉柚子は何かにつけて花梨に蔑まれ、さらに両親も柚子のことを蔑ろにしていた。誕生日の日、柚子は親友の透子からネックレスをプレゼントされるが妹の花梨がそれを欲しがって奪い合いになり、柚子はつい花梨を突き飛ばしてしまう。それを見た瑶太は、柚子の腕に妖力で火をつけ火傷させる。そんな柚子に両親は労いの言葉もかけなかった。

 

全てに絶望した柚子は夜の街を彷徨い、陸橋から飛び降りようとするが、そこへ鬼の一族鬼龍院玲夜が現れ助ける。鬼龍院家では、かつて鳥水家の男にその花嫁を殺され、蘇らせるために妖力を使い切って鬼龍院家を没落寸前になった過去があった。そのため、玲夜も花嫁を娶る事は拒んでいたが、この夜、運命の絆で柚子を見そめたのだ。玲夜は柚子を鬼龍院家に招く。一時は拒んだ柚子だが、玲夜と共に両親の元へ報告に行く、そこで玲夜は瑶太と出会い、瑶太に妖力をかけて火傷させる。

 

花梨は鬼の花嫁に選ばれた柚子を妬み、瑶太を使って次々と嫌がらせをしていく。一方、全国のあやかしが集まる宴の席で玲夜は柚子を花嫁として披露すると宣言し、柚子は宴に備えての特訓を始める。やがて宴の日、玲夜と柚子が舞い踊った後、玲夜は正式に柚子に花嫁に迎えるべく花を手向けようとするが、柚子は拒否してしまう。落胆して去っていく玲夜を見た柚子は気を取り直し、自分に正直になる事にして玲夜の後を追うが、瑶太の妖力で柚子の胸が射抜かれ柚子は死んでしまう。玲夜は嘆き悲しみ、復活の妖力で柚子を甦らせるが自らの妖力は失われてしまう。

 

そんな玲夜に瑶太が襲いかかるが、すんでのところで、妖狐族の当主狐雪撫子が現れ、瑶太に妖力をかけ、さらに瑶太と彼をたぶらかした花梨の中を裂いてしまう。花梨は絶望するが、柚子は撫子に、いつか許してやって欲しいと懇願する。後日、庭で歩く玲夜と柚子がいた。柚子は玲夜の花嫁になりたいと告白し、二人は口づけして映画は終わる。

 

明らかに原作の弱さだが、映像化するにあたっての脚本が実に甘く、見るべき何物もないテレビドラマレベル以下の映画作品だった。お金の無駄だったとまでは言わないが、これはさすがにという一本でした。