2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧
「カポネ」 アル・カポネの晩年の姿を、彼の妄想と幻覚の物語として映像でつづっていくなかなか見ごたえのある作品で楽しめました。監督はジョシュ・トランク。 一人の男が大邸宅の中をうろついていて、ある部屋で一人の女の子を見つける。女の子は叫び声を…
「春江水暖」 美しい景色と延々と捉える長回しの中に、変わりゆく中国の時の流れと、一つの家族の物語を静かに淡々と描いていく。抒情詩のような美しいハーモニーに沁み入る感動を覚える一本でした。よかったです。監督はグー・シャオガン。 祖母の誕生祝い…
「ある人質 生還までの398日」 見応えのある作品なのですが、誰を中心に描きたいのかがぼやけている作品で、主人公はダニエルなのですが、アメリカ人のフォーリーにも割いている演出がどうも全体を甘くしてしまったのは残念です。シリアで一年近く拉致された…
「藁にもすがる獣たち」 曽根圭介の原作を韓国で映画化した作品。これは面白かった。若干、無理やり感がないわけではないけれど、先が読めない展開の面白さを堪能できました。韓国映画でなかったらベストワンにするところです。監督はキム・ヨンフン。 一人…
「あの波の果てまで」(前篇 後篇 完結篇)千 大ヒットテレビドラマの映画版で岩下志麻を一躍スターにした映画です。まあ、典型的なすれ違いメロドラマという感じで、離れたと思えばまた元の鞘に収まりまた波乱の出来事が起こってはなんとか解決する。これとい…
「霧ある情事」 前半は非常にテンポの良い流れでぐいぐい引っ張っていくのですが、後半逃避行になった途端にだらだら間延びしてしまうのがしんどい。ただラストの洒落たエンディングはなかなか良い感じの映画でした。監督は渋谷実。 刺青をした一人の男室岡…
「あの頃。」 今泉力哉監督作品なので相当期待したのですが、なかなかこちらに響いてこないままラストまで流れていって、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。そもそもこういう話は今泉力哉監督はどう撮るんだろうと不安でしたが、その通り、ちょっとリ…
「世界で一番しあわせな食堂」 とっても素敵なハートフルラブストーリー。たわいのないお話なのにいつの間にか引き込まれて、ラストは心があったかくなりました。美しいフィンランドの景色と、素朴な登場人物たち、そして自然とラブストーリーが見えてくる展…
「ノンストップ」 非常に評判が悪いので迷っていましたが、意外に面白かった。韓国映画の幼稚さが程よい感じで生かされていて楽しいコメディになっていました。これでもかと次々と黒幕やら裏切り者やらが出てくるしつこさがもうちょっと上手く整理できたらも…
「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal後編」 闇のサーカス団によってピンチになったセーラーマースたちの場面からカットが変わり、ネプチューンらお姉様方三人のシーンへ。今や娘をネプチューン、ウラヌス、プルートの三人で育てるが、娘はみるみる成長…
「私は確信する」 非常に見応えのある力作で、細かいカットの積み重ねと極端なクローズアップで作り出す緊張感が最後まで物語の気を抜くことがない。しかし、頭から最後まで徹底したその演出は、一方で、無罪判決のために執拗なくらいに凝り固まって奔走する…
「ろまん化粧」 入り組んだ男女が織りなす恋愛模様という感じで、どれという核の話もなく、ただ入り乱れて雑多な展開となる。まさに映画黄金期のプログラムピクチャーという空気の映画でした。監督は穂積利昌。 パリで学んできたヘアスタイリストの女性が日…
「ファーストラヴ」 面白くないわけではないのですが、と言って面白いわけではない。直木賞を取った原作の人間ドラマの厚みが映像に昇華できなかったという感じです。物語が重くて奥が深いのに、こちらに迫ってこない。脚本が悪いのか演出が悪いのかその弱点…
「秘密への招待状」 オリジナルを見てないので何とも言えないけど、良いお話なのですが、ちょっと古臭い感じの演出が気になり、女優二人の存在感が目立ちすぎて、肝心のドラマ部分が薄れてしまった感じですね。監督はバート・フレインドリッチ。 インドで孤…
「ジャスト6.5 闘いの証」 サスペンスでもアクションでもない、恐ろしいほどに研ぎ澄まされた社会ドラマだった。イランという国の圧倒的な描写、一見ただの麻薬捜査の物語かと思えば、次第に見えて来る本当の暗部。もちろん、麻薬取引を容認するわけではない…
「わたしの叔父さん」 なるほどそういうことね、と映画ファンを唸らせる映画だった。淡々と繰り返される物語、これという抑揚のない展開、時々挿入される美しい風景にカット、そして主人公クリスの表情の変化、その全てに物語が描かれている見事なヒューマン…
「愛染かつら」(新版総集編) 前篇、後篇、続篇、完結篇を再編集してまとめたもので、幾度も映画化されている最初の映画です。これということもなく、ただ、時代を楽しむ一本でした。監督は野村浩将。 主人公かつ江が娘と散歩しているシーンから、独身である…
「人妻椿」(前篇)野村浩将監督版 次から次へと間断なく不幸に見舞われていく主人公の物語は、退屈しないと言うより、突っ込んでしまうくらいだが、娯楽映画としては良くできているのかもしれません。戦前の昭和11年の映画なのにテンポがとっても良い映画です…
「樹海村」 まあ、「犬鳴村」よりはそれなりに面白かったです。でも、理由づけが全くできてないので、ただのホラー場面の連続という感じでした。監督は清水崇。 樹海村の自殺者をパトロールしているのでしょうか、車に乗った男女が走っていると、幼い姉妹が…
「羊飼いと風船」 静かで地味な映画ですが、非常にクオリティの高い抒情詩の様な一編でした。監督はチベットのペマツェテン。 中国では家族計画の政策が進んでいるというテロップから、舞台は広がる草原と羊たちが群れているチベットとなる。祖父、若夫婦、…
「ヤクザと家族 The Family」 映画の出来栄えは一級品だった。ここまで重厚な人間ドラマはここしばらく日本映画で見てこなかった気がします。二重三重に練り込まれた物語に圧倒されました。ただ、何か違和感があります。どこか脚本を書いた藤井道人の偏った…
「夏、至るころ」 全編ゆるゆるな映画で、これというテンポもなく、どこへ向かうという核もなく、淡々と青春の物語、池田エライザの半自伝だと言いますが、その物語が綴られていく。冒頭部分はカット割が妙なのは個性なのかなんなのか、そのうちそれも見慣れ…
「おもいで写真」 これというほどの映画ではなかったけれど、最後まで飽きずに見ることができた。さりげないエピソードの積み重ねですが、お年の方が微笑む姿の連続に癒される年齢になったのでしょうかね。監督は熊澤尚人。 東京でメイクアーティストになる…