2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「イン・ザ・ハイツ」 二時間半ほどあるのに全然退屈しない。全編リオのカーニバル的にエネルギッシュな歌と踊りで突っ走るミュージカルで、個人的に好きな群衆ダンスが散りばめられた構成が本当にワクワクするし、歌声は透き通るほどに心地よいし、女優さん…
「エースの中のエース」 こんな楽しい映画、公開されていなかったなんてもったいない話です。小ネタを散りばめたたわいないコメディですが、とにかく楽しい。あそびもふんだんに取り入れた脚本もなかなか上手いし、なんといっても、ヒトラー映画をここまで遊…
「犬部!」 重くもなく軽くもなく程よい感じでメッセージを伝える一方で心地よく感動される良質の一本。良い役者とそれなりの監督が作るとこうなるという典型的な秀作でした。メッセージを押し付けてこない展開、過去と現在を巧みに組み合わせたストーリーと…
「ジュテーム・モア・ノン・プリュ」 まず音楽が素敵に美しい。その曲に乗せて描かれるラブストーリーのリズムが、ゲイと女性の物語にもかかわらず詩的に見えてくるのがとってもピュアでよかった。。監督はセルジュ・ゲンズブール。 一台の黄色いトラックを…
「高校さすらい派」 当時の時代色を映し出した学園ドラマという出立ちの一本。立て篭もり、警察の乱入、悲劇の死、そしてラストの演出など、一筋縄で終わらせない作品作りのこだわりを感じさせる映画でした。監督は森崎東。 剣道場で大暴れする主人公荒木が…
「最後にして最初の人類」 オラフ・ステープルトンのSF映画の古典を2018年に早世した作曲家ヨハン・ヨハンソンが監督したまさに最初で最後の一作で、シネマコンサート作品です。 16ミリフィルムを駆使したモノクロ映像で、何やらオブジェクトが画面上部から…
「83歳のやさしいスパイ」 老人ホームのドキュメンタリーなんてと思ってる人がいたら大違い、老若男女誰が見ても感動します。孤独というものを切々と、それもユーモアを交え、いつの間にかどんどん流れの中に引き込まれていく作品で、ラストの主人公の呟きに…
「シャイニング」(北米公開版デジタルリマスター版) 日本公開版より約20分長いバージョンで、かつてDVDで見直したことがあるが結局どこが長いのかわからなかった。ついに午前十時の映画祭で劇場公開が実現した作品。さすがに見直してみて改めてこの映画が傑…
「田舎司祭の日記」 非常にいい映画なのですが、いかんせん、宗教に関する物語は正直なところ入り込みにくい部分があり退屈だと言うのも確かです。それでも、モノクロスタンダードの画面の中でひたすら苦悶する一人の司祭の人間ドラマの迫力はその映像表現ゆ…
「17歳の瞳に映る世界」 これは相当にクオリティの高い作品でした。これだけシンプルな物語をここまで書き込んだ脚本と演出力に拍手したい。ただ、お話は暗い。それでも食い入るほどに引き込まれる。一見男性をただ性欲だけを求めるような存在に描いているに…
「コレクションする女」 「六つの教訓話」シリーズの第4作。淡々と流れるストーリー、男を弄ぶヒロイン、彼女に翻弄される主人公、ネストール・アルメンドロスの美しいカメラ、まさにエリック・ロメールの世界。ラストの紋切り型のエンディングに、なんかい…
「愛の昼下がり」 洒落た大人のラブストーリーという感じで、大人なのは女性で子供っぽいのは男性というコミカルな設定はこのシリーズの定番の楽しい映画でした。「六つの教訓話」の第6話ということで前半の妄想シーンに過去の5話の女性たちが出てくるという…
「竜とそばかすの姫」 あれ?細田守どうした?という感じの仕上がり。これでアニメファンは満足するのだろうか?確かに仮想空間の映像は見事なのですが、大作仕上げにこだわり過ぎたのか、脇役の人物が全く描き切れてないし、ストーリー展開が整理されてない…
「モンソーのパン屋の女の子」 「六つの教訓話」シリーズ第一作。女性を追い求めていく一人の男の物語ですが、実は女性はそんな男の姿をずっと見ていたというなんともコミカルな一本、面白かった。監督はエリック・ロメール。 主人公である私が友人とカフェ…
「ペトルーニャに祝福を」 面白い映画なのですが、結局、どこへも落ち着かずに映画が終わって行くので、消化不良のままでエンディングを迎えてしまいました。もう少し、映像からいろいろ感じ取らなければいけないのかとも思うのですが、理解が及びませんでし…
「フラワーズ・オブ・シャンハイ」 リー・ピン・ピンの美しいカメラとワンシーンワンカットと暗転を繰り返す映像に陶酔感を覚えてしまうけれど、上海の高級遊郭での人間模様のドラマにいつの間にか引き込まれていきました。監督は侯孝賢(ホウ・シャオシェン)…
「海辺の金魚」 小品ですが、淡々と流れるストーリーと、丁寧な映像作りが好感の一本。花と晴海を演じた二人がとっても透明感があったのが良かった。監督は小川紗良。 浜辺で叫ぶ花の姿からタイトル、そして海辺に立つ養護施設へ移って映画は始まる。今日、…
「ブラック・ウィドウ」 大作だからといって二時間超えなくてもいいじゃないのと思うような作りの映画で、後半こそ派手なアクションのCG映像満載になるけど、それまではやたらこれまでの経緯や蘊蓄を静止した場面で描くので、正直退屈。二時間弱の尺でもうち…
「東京リベンジャーズ」 面白いわけでもなく、つまらないわけでもない映画。原作があるので仕方ないところもありますが、もうちょっと物語を整理した方が良かったのと、主演のはずの北村匠海が主演に見えないほどの存在感のなさは演技力の弱さゆえか、吉沢亮…
「ベル・エポックでもう一度」 ファンタジックな物語で、先は大体読めるのですが、役者たちの味のある演技が最後まで映画を引っ張ってくれました。少々オープニングあたりのカット割が細か過ぎて騒々しく見えてしまいましたが、ラストはほんのり感動させてく…
「アジアの天使」 悪い映画ではないのですが、ちょっと長かったですね。韓国と日本が言葉以外に自然と打ち解ける感じがもうちょっと上手く見えていたらもっと良かった気がしますが、期待しすぎたというのもあります。淡々とした展開はそれはそれでいい感じな…
「風が踊る」 さわやかな、まさに風が吹き抜けて行くような青春映画でした。監督の第二作目で、まだスタイルが確立する前とはいえ、とってもテンポの良い音楽の使い方と軽快な場面転換が楽しい作品でした。監督は侯孝賢(ホウ・シャオシェン)。 洗剤の宣伝映…
「ゴジラVSコング」 無駄に超大作のB級娯楽映画という感じで、支離滅裂な展開も全て大作という勢いで突っ走って行く。今やアメリカ人も怪獣映画のなんたるかを忘れてしまった感のある映画ですが、退屈せず楽しめたのでいいかと思う。監督はアダム・ウィンガ…
「デカローグ1 ある運命に関する物語」 これはちょっと辛い話でした。神の存在と命の物語なのですが、そこにパソコンを絡めたストーリー作りがちょっと興味深いのですが、ラストは辛かった。監督はクシシュトフ・キェシロフスキ。 女性が歩く姿、男性が歩く…