くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

映画感想「ロミオとジュリエット」

30数年ぶりにスクリーンで見直した。午前10時の映画祭である 名作という先入観を無視しても、この映画はシェークスピア劇の映像化の中では一級品だと思う。シェークスピア戯曲の中のセリフの数々がしつこいほど出てくるが、それをものともせずに映像が展開し…

映画感想「座頭市THE LAST」

SMAPの香取慎吾が座頭市を演じる。それもそれでちょっと興味がある。しかも監督は阪本順治となればおもしろそうな組み合わせでもある。しかし、できばえは、懲りすぎた映像についていけない俳優たちの演技、物語が単純なようでぶっきらぼうに進んでいく…

映画感想「ヒーローショー」

こういう荒削りなバイタリティだけの映画を作れる人は井筒和幸監督くらいしかいないですね。 「パッチギ!」ほどまとまりはありませんが、これでもかこれでもかとぶつけてくるようなストーリー展開と、即興に近いような演出とせりふの応酬、あるようでないよ…

映画感想「プリンス・オブ・ペルシャ時間の砂」

ヒットテレビゲームのストーリーを元に作られた歴史大作ということですが、なんともその場限りのストーリー展開で薄っぺらなスペクタクル映画でした。しかも当然のごとき特撮シーンの壮大さも今ではありきたりで、それを効果的に見せようとする演出の努力も…

映画感想「トロッコ」

リー・ヒンピンのカメラが美しく、電灯の光のような橙色の光と美しい自然が醸し出す緑の色彩が作品に独特の暖かさを生み出しています。ストーリーは平坦でとりたてて注目する演出も見られませんが、それがこの映画の良さだといえばそうなのかもしれません。…

映画感想「春との旅」「ボックス!」

「春との旅」 非常にスローテンポな映画である。しかも往年の名優たちが集い、しかもすでに老年になって一昔前の老人を演じている。すべてにおいて一時代ずれているような印象の展開であるが、それはそれで落ち着いた演出が施されていて、音楽の効果が抜群で…

映画感想「パリより愛をこめて」

一級品のアクション映画にそろっているべきものは、まずストーリーが単純なこと、登場人物が外見も性格もわかりやすく区別がつくこと、セリフやショットの中にさまざまな伏線がちりばめられていて、それがストーリーを牽引しラストで最大の効果を発揮するこ…

映画感想「カケラ」「9 〜9番目の奇妙な人形〜」

「カケラ」 今注目の女優満島ひかり主演の映画を見る。 というか彼女がでていなければ見に行ったかどうかわからない作品である。 印象としては素人が脚本監督をした作品という感じで、訴えたいことはあるのですがそれが映像表現としてうまくいっていないとい…

映画感想「グリーンゾーン」「ぼくら、20世紀の子供たち」

「グリーンゾーン」 イラク戦争当時、大量破壊兵器が隠蔽されているとして何度もアメリカ軍を中心とした同盟軍が捜索するも結局何も見つからなかった歴史的事実。その史実を元にアクション映画に仕上げたのがこの作品である。出だし、2003年のイラク戦争…

映画感想「ストーカー」「ヒロシマモナムール(二十四時間の情事)」

「ストーカー」 タルコフスキー監督作品でSF映画である。といってもすでに30年近く前に見た作品で、当時も退屈だった覚えがあり、ほとんど覚えていなかった。今回も改めて退屈きわまりない作品であるkとを再確認した。 タルコフスキーらしい映像展開も…

映画感想「鏡」

30年ぶりくらいでしょうか?アンドレイ・タルコフスキー監督の「鏡」を見直した。 この映画は心の映像詩であることを承知の上だったので、画面に映るままに鑑賞したのですが、なんとその方が素直にこの映画を理解できた気がします。主人公(監督自身)の両…

映画感想「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」

蒔田光治脚本、堤幸彦監督の大ファンの私は誰がなんと言おうと「トリック」の劇場版は見に行くのです。 というわけで、今回も蒔田光治らしいぼけとつっこみ満載のせりふに、過去のテレビドラマ,CMなどをふんだんに取り込んだおふざけ演出の数々で楽しめま…

映画感想「運命のボタン」

「激突!」「ある日どこかで」「地球最後の男」などの原作、脚本であまりにも有名なリチャード・マシスンの短編小説を改編した作品である。 もう少し娯楽色のある気楽な映画だと思っていたのが、案外シリアスかつ哲学的な物語だったので、最初はとまどってし…

映画感想「17歳の肖像」

1961年のイギリスを背景に、高校に通う一人の女子高生を通じて、彼女の揺れ動く心の成長振り、大人への憧れ、未知の現実の残酷さなどを繊細かつモダンな映像で描いた秀作でした。高校生のノートにつづられていく筆跡のようなアニメーションをバックにし…

映画感想「ショウほど素敵な商売はない」「去年マリエンバードで」

「ショウほど素敵な商売はない」 古き良きアメリカ映画、黄金期の夢の映画、これがアメリカ映画といわんばかりの絢爛たるミュージカルである。 物語はドナヒュー一家というショウビジネスで大人気の夫婦とその子供たちの物語である。そこには子供たちの成長…

映画感想「ノスタルジア」

アンドレイ・タルコフスキー監督の最高傑作と呼ばれている作品である。 とはいえ、今回もストーリーを把握できなかった。キネマ旬報のデータベースでフィードバックしてこの感想を書くことにします。全体の印象はとにかく美しい。タイトルバックの霧に曇る景…

映画感想「アンドレイ・ルブリョフ」

アンドレイ・タルコフスキー監督の歴史大作である。 天才画家アンドレイ・ルブリョフの半生を描いた作品ということでみていたのだが、どちらかというと彼が生きた時代、土地柄の歴史の一ページを描いていく大河ドラマのようなストーリーでした。しかも、タル…

映画感想「殺し屋」「ローラーとバイオリン」「僕の村は戦場だった」

「殺し屋」 アンドレイ・タルコフスキー監督が映画学校3年の時にミハエル・ロンムという人と共同監督をした習作である。 従って、タルコフスキーならではのファンタジックなシーンがあるわけでもなく、どこかフィルムノワールを思わせる画面づくりもちらほ…

映画感想「お熱いのがお好き」

最初に見たのは20年近く前で、当時はビリー・ワイルダーという監督名だけで見に行ったのですが、なんとなんと、今日見てこんなすばらしい映画を忘れていたなんてと胸が熱くなってしまいました。この映画、マリリン・モンローのセクシーな魅力だけのコメデ…

映画感想「書を捨てよ町へ出よう」

寺山修司初商業映画作品である。 出だし、真っ暗な画面から始まり、突然主人公である「私」がスクリーンからこちらに語りかけるところから始まる。映画という媒体の常識を完全に無視した映像づくりで、時にカメラを持って走っていく画像でぶれまくっているし…

映画感想「オーケストラ!」「田園に死す」

この映画はコメディという寓話を借りた美しいヒューマンドラマである。チャイコフスキーをはじめとするクラシックの数々、さらには民謡さえもが絶妙のリズムを生み出し、流麗な音楽のごとき見事なカメラの動きが絶妙のハーモニーとなってこの作品を引き立て…

映画感想「クロッシング」「さらば箱舟」

「クロッシング」 キム・テギュン監督の脱北者を描いた話題作である。非常に静かな音楽と地平線まで見渡す広いのどかな景色、そこにやさしそうな父ヨンスと息子ジュニ、そして妻の姿から映画が始まる。物語のテーマを知る私たちにとってこのあまりにも静かな…

映画感想「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」

前作からの続編として登場した期待の一本。なにやら訳のわからない機械にかかっている主人公市川新一(哀川翔)、そして15年後の2025年に移って、ゼブラクィーン(仲里依紗)歌うロック調のハイテンポな曲で映画は始まります。 導入部はわくわくする、…